照明4【電験3種 機械】無限長直線光源の光束発散度と直下の水平面照度!平成18年度 B問題17 完全解説

電験3種 機械科目 照明 平成18年度 B問題17 長い蛍光灯の真下は何lx?光束発散度から

今回は平成18年度 機械科目 B問題17を解説します。管径36mmの完全拡散性無限長直線光源を床面上3mの高さに配置し、光束発散度M(a)と、光源直下の床面の水平面照度Eh(b)を求める問題です。

光束発散度は光源の表面積(円柱側面積)当たりの光束で求めます。直下照度は、光源を中心軸とする円筒面上ではどこでも法線照度が等しいという性質を利用し、円筒の側面積で光束を割ることで求めます。

目次

平成18年度 機械科目 B問題17:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 機械科目 照明 平成18年度 B問題17 問題文
平成18年度 機械科目 B問題17 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成18年度 第三種電気主任技術者試験」機械科目 B問題17

電験3種 機械科目 【照明】 平成18年度 B問題17

 管径36〔mm〕の完全拡散性無限長直線光源を床面上3〔m〕の高さに床面と平行に配置した.光源からは単位長当たり3000〔lm/m〕の光束を一様に発散しているものとして,次の(a)及び(b)に答えよ.

(a)直線光源の光束発散度M〔lm/m2〕の値として,最も近いのは次のうちどれか.

(b)光源直下の床面の水平面照度Eh〔lx〕の値として,最も近いのは次のうちどれか.

(1)4.2×103 (2)8.4×103 (3)26.5×103 (4)74.7×103 (5)83.3×103〔lm/m2

(1)80 (2)159 (3)239 (4)318 (5)333〔lx〕

出題のポイント:2つの円柱を取り違えない

本問には「円柱」が2つ登場します——まったく別物なので、最初に区別しておきましょう。

(a)で使う円柱(b)で使う円筒
何の面か★光源そのものの表面★光源を軸とする仮想の面
半径0.018 m(管径の半分)3 m(床までの距離)
単位長さの面積πd=π×0.0362πr=2π×3

(a)は「光源の表面から、どれだけの密度で光が出ているか」——だから光源自身の表面積で割ります

(b)は「3 m 離れた場所で、どれだけの密度になっているか」——だから半径3 m の仮想円筒の側面積で割ります同じ「割り算」でも、割る相手がまるで違うのです。

図 直線光源と床面照度の幾何模式図(自作図)
図 直線光源と床面照度の幾何模式図(自作図)
管径0.036メートルの光源円柱と半径3メートルの仮想円筒を対比した図
光束発散度は管径、直下照度は光源から床までの距離を使います。

(a) 光束発散度

\( S=\pi d\times 1=\pi\times 0.036=0.1131\ [\mathrm{m^2/m}] \)
単位長さの表面積
★円柱の側面(円周×長さ)
\( M=\dfrac{3000}{0.1131}=26\,526\ [\mathrm{lm/m^2}] \)
光束発散度
★約26.5×103

円柱の側面積は「円周×長さ」——直径0.036 m の円周はπ×0.036 です。半径を使ってしまうと2πr=2π×0.018——じつは同じ値になります(πd=2πr)。

ここは半径と直径のどちらで考えても正しい——混乱しやすい(b)とは対照的です。

答え(a)の正解は (3) 26.5×103 lm/m2です。

(b) 線光源は距離の1乗で減る

点光源なら1/r2——ところが無限長の線光源では1/r になります。この違いが本問の核心です。

光源の形光が広がる面照度の減り方
点光源球面(4πr2★1/r2
無限長の線光源★円筒面(2πr)★1/r
無限に広い面光源広がらない距離によらず一定

点光源の光は全方向へ広がるので、球の表面積4πr2 に薄まります——r が2倍なら面積は4倍、照度は4分の1

線光源の光は、軸方向には広がりません——横方向にだけ広がるので、円筒の側面2πr に薄まります。r が2倍なら面積は2倍、照度は半分です。

\( S=2\pi r\times 1=2\pi\times 3=18.85\ [\mathrm{m^2/m}] \)
半径3 m の円筒側面
★単位長さ当たり
\( E_h=\dfrac{3000}{18.85}=159.2\ [\mathrm{lx}] \)
直下照度
★答え

なぜこれが「水平面照度」になるのか——光源の真下では、円筒面の法線がちょうど鉛直方向だからです。床の法線と一致するので、余弦則が不要になります。

真下から横へずれると、円筒面の法線が斜めを向く——そこでは余弦則が必要です。本問が直下だけを問うているのは、計算を簡潔にするためでしょう。

光束発散度26.5掛ける10の3乗と直下照度159ルクスから選択肢を決める解答図
(a)は26.5×10³ lm/m²で(3)、(b)は159 lxで(2)です。
答え(a)の正解は (3)、(b)の正解は (2) 159 lxです。

⚠️ よくある間違い
(b)で 4πr2 を使ってしまう——3000/(4π×9)=26.5 lx となり、まったく違う値になります。
線光源は球面ではなく円筒面——与えられているのが「単位長さ当たり3,000 lm/m」という点が手がかりです。単位に /m が付いていたら線光源だと気づいてください。
もう1つ、(a)と(b)で使う半径を取り違える——(a)は0.018 m、(b)は3 m桁が3つも違うので、混同すればすぐ気づけるはずです。

⏱️ 本番での進め方
①(a) 光源の側面積πd(=2πr)で割る。0.1131 m2
②(b) 半径3 m の仮想円筒の側面2πr で割る。18.85 m2
③★線光源の照度は1/r。点光源の1/r2 ではない。
④直下では円筒面の法線が鉛直なので余弦則は不要。

💡 覚え方
「点は球面、線は円筒、面は広がらない」——光が薄まる面の形で、距離の効き方が決まります1/r2、1/r、一定——この3段階で覚えましょう

同じ無限長直線光源が令和7年度下期 B問題17でも出題されています(照明:無限長直線光源の直下照度)。数値も同じ——19年ぶりの再出題でした。

光源側面積と仮想円筒側面積から光束発散度と直下水平面照度を求める計算図
光源の側面積はπd、仮想円筒の側面積は2πrです(いずれも単位長さ1 m当たり)。

完全拡散面という前提

問題文の「完全拡散性」——これがあるから光束発散度が意味を持ちます

完全拡散面とは、どの方向から見ても輝度が同じ面——すりガラスや白い紙がこれに近いものです。逆に鏡は完全拡散ではありません——見る角度で明るさがまるで変わります

完全拡散面の関係
\( M=\pi L \)

M:光束発散度[lm/m²]、L:輝度[cd/m²]

\( L=\dfrac{M}{\pi}=\dfrac{26526}{\pi}=8444\ [\mathrm{cd/m^2}] \)
本問の輝度
★参考値

約8,400 cd/m2——蛍光灯の管面(約8,000)とほぼ同じです。本問の光源が蛍光ランプを想定していることがうかがえます。

π が出てくるのは、斜め方向へ出る光まで足し合わせた結果——4π ではなくπ です。面から出る光は半球方向にしか行かず、しかも斜めほど見かけの面積が小さくなる——その効果を積分するとπ になります

直下から離れた点はどうなるか

本問は直下だけを問うていますが、横へずれた点も同じ考え方で求まります

円筒面上ならどこでも法線照度は等しい——159.2 lx です。ただし床は円筒面ではないので、2つの補正が必要になります。

補正内容効果
距離★半径が3 m より大きくなる1/r で減る
角度床の法線と斜めになるcosθ で減る
\( E_h=\dfrac{F^{\prime}}{2\pi r}\cos\theta=\dfrac{F^{\prime}\cos^2\theta}{2\pi h} \)
一般形
★cos の2乗

点光源ではcos3θ でしたが、線光源ではcos2θ——距離の効き方が1乗ぶん小さいからです。

だから線光源のほうが、横方向まで明るさが届きます——廊下や通路に細長い照明を使うのは、この性質を活かすためでもあります。

3 m 横へずれた点なら cosθ=1/√2、cos2θ=0.5——159.2×0.5=80 lx点光源なら0.354倍まで落ちるところ、線光源は半分で済むのです。

まとめ

M3000/(π×0.036)≒26.5×10³ lm/m²
(a)(3)
Eh3000/(2π×3)≒159.2lx
(b)(2)
答え(a)-(3),(b)-(2)

▼あわせて解きたい関連問題
・均等放射点光源2個による地面照度:【機械】令和5年度下期B問題17
・点光源から円形テーブルを見込む立体角:【機械】平成19年度A問題11

📚 次に解くべき関連問題
【機械】平成27年度B問題16(照明5)
【機械】平成29年度B問題17(照明13)
【機械】平成24年度B問題17(照明11)
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