今回は平成25年度 機械科目 B問題18を解説します。与えられた論理式を積和形式に簡単化する(a)と、別の論理式を和積形式に簡単化する(b)の2部構成の問題です。
(a)は共通項でくくって(Z̄+Z)=1などの公式を使う代数的な整理です。(b)はいったん式全体を否定して積和形式に展開し、共通項でくくってからもう一度ド・モルガンの定理を適用して和積形式に戻すという手順で解きます。
平成25年度 機械科目 B問題18:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成25年度 第三種電気主任技術者試験」機械科目 B問題18
電験3種 機械科目 【情報】 平成25年度 B問題18
論理関数に関する次の(a)及び(b)の問に答えよ。(a) 論理式 X・Y・Z̄ + X・Y・Z + X̄・Y・Z + X̄・Y̅・Z を積和形式で簡単化したものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(b) 論理式 (X+Y+Z)・(X+Y̅+Z)・(X̄+Y+Z) を和積形式で簡単化したものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(1)X・Y + X・Z (2)X・Y̅ + Y・Z (3)X̄・Y + X・Z (4)X・Y + Y̅・Z (5)X・Y + X̄・Z
(1)(X+Z)・(Y̅+Z) (2)(X̄+Y)・(X+Z) (3)(X+Y)・(Y+Z) (4)(X+Z)・(Y+Z) (5)(X+Y)・(X̄+Z)
出題のポイント:くくり出して A+Ā=1 を使う
(a)は積和形式の簡単化——共通因数でくくって、補元則で変数を消すのが基本手順です。
| 法則 | 式 | 使いどころ |
| 補元則 | A+Ā=1、A·Ā=0 | ★変数を1つ消す |
| 同一則 | A+A=A、A·A=A | 同じ項を何度でも使う |
| 吸収則 | A+A·B=A、A+Ā·B=A+B | 項を減らす |
| 分配則 | A+B·C=(A+B)·(A+C) | ★積和と和積を行き来する |
| ド・モルガン | (A+B)‾=Ā·B̄、(A·B)‾=Ā+B̄ | 否定を分配する |
4項
★共通因数を探す
A+Ā=1
前の2項は XY が共通、後の2項は X̄Z が共通——くくると残りが Z̄+Z と Y+Ȳ になり、どちらも1 です。

(b) 和積形式は分配則で処理する
(b)は括弧の積の形(和積形式)——展開せずに、和に対する分配則を使うのが近道です。
共通は X+Z
★Y·Ȳ=0
展開して整理
★分配則を逆に使う

途中で XY+Z という積和形式を経由しています。そこから和積形式に戻すのが最後の一手——A+B·C=(A+B)(A+C) を右から左に使うのです。
⚠️ よくある間違い
和積形式のまま処理しようとすると混乱します。いったん展開して積和形式にし、簡単化してから戻す——回り道のようで、こちらが確実です。
検算は真理値表で。元の式と答えの式が、8通りの入力すべてで一致するか——時間があれば数点だけでも確かめてください。
とくに X=0、Y=0、Z=0 と X=1、Y=1、Z=1——この2点は計算が楽です。
積和形式と和積形式
同じ論理を表す式には、2つの標準的な形があります。どちらも一長一短です。
| 積和形式(SOP) | 和積形式(POS) | |
| 形 | A·B+C·D | (A+B)·(C+D) |
| 作り方 | X=1 の行から | ★X=0 の行から |
| 回路 | AND →OR の2段 | OR →AND の2段 |
| 向いている場面 | X=1 が少ないとき | X=0 が少ないとき |
1 の行が少なければ積和、0 の行が少なければ和積——項の数が少ないほうを選べば式が短くなるのです。
どちらもAND とOR の2段で実現できる——だから回路の速さは同じです。違うのは部品の数だけになります。
ド・モルガンを使えば、どちらの形にも変換できます——本問の(b)がまさにその練習。積和と和積を自由に行き来できるようになると、この分野は強くなります。
⏱️ 本番での進め方
①(a) 共通因数でくくり、A+Ā=1 で変数を消す。
② XY(Z̄+Z)+X̄Z(Y+Ȳ)=XY+X̄Z。
③(b) (A+B)(A+C)=A+B·C を使う。Y·Ȳ=0 で消える。
④ 積和にしてから和積へ戻す。XY+Z=(X+Z)(Y+Z)。
💡 覚え方
「積和は A+Ā=1、和積は A·Ā=0」——使う補元則が逆になる。そして「和積で困ったら積和にしてから戻す」——遠回りのようで確実な道です。

カルノー図でも解ける
(a)は代数的に整理しましたが、カルノー図でも同じ答えが出ます。どちらが速いかは人によります——両方できるようにしておくと安心です。
| Z\XY | 00 | 01 | 11 | 10 |
| 0 | 0 | 0 | ★1 | 0 |
| 1 | ★1 | ★1 | ★1 | 0 |
XY=11 の縦2マス——Z が0 も1 も含むので消えて X·Y。
Z=1 の行の XY=00 と01 の2マス——Y が消えて X̄·Z。2つ合わせて X·Y+X̄·Z になります。
カルノー図なら、くくり出しの工夫を考えずに済む——1 のマスを大きく囲むだけ。3変数までなら、こちらのほうが速いことが多いでしょう。
和積形式をカルノー図で作る
(b)の和積形式も、カルノー図から直接作れます——0 のマスを囲むのがコツです。
0 のマスを囲んで得た項を、否定して和にする——ド・モルガンを図の上でやっていることになります。
1 が多いときは0 を囲む、0 が多いときは1 を囲む——少ないほうを囲めば項が少なくなるのです。この判断ができると、簡単化の腕が一段上がります。
論理式の簡単化がなぜ大切か
同じ働きをする式でも、形が違えば回路の規模が変わります——簡単化は設計の第一歩です。
| 形 | 項の数 | 必要なゲート |
| 元の式(a) | 4項 | 3入力AND 4個+OR 1個 |
| 簡単化後 | ★2項 | 2入力AND 2個+OR 1個 |
ゲートの数が半分以下——入力数も3から2に減っています。回路が小さくなれば、安く・速く・省電力になるのです。
信号が通るゲートの段数が同じ(2段)なので、速さの点では引き分け——差が出るのは部品の数になります。
大規模な回路では、この差が積み重なります——数千個の論理を扱うLSI では、簡単化が性能を左右するのです。
まとめ
| (a)の答え | X・Y+X̄・Z |
| (b)の答え | (X+Z)・(Y+Z) |
| 答え | (a)-(5),(b)-(4) |
▼あわせて解きたい関連問題
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