今回は平成27年度 機械科目 A問題14を解説します。入力A,B,C,Dの4変数・16行フルの真理値表から、出力Xを表す論理式を選ぶ問題です。
4変数のカルノー図(AB×CDの4×4マス)を描いてグループ化する方法が最も見通しよく解けます。X=1となる全入力の論理積の論理和を代数的に簡単化する別解も併せて確認しましょう。
平成27年度 機械科目 A問題14:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成27年度 第三種電気主任技術者試験」機械科目 A問題14
電験3種 機械科目 【情報】 平成27年度 A問題14
次の真理値表の出力を表す論理式として,正しい式を次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
A B C D X 0 0 0 0 1 0 0 0 1 1 0 0 1 0 1 0 0 1 1 1 0 1 0 0 1 0 1 0 1 0 0 1 1 0 1 0 1 1 1 0 1 0 0 0 0 1 0 0 1 0 1 0 1 0 0 1 0 1 1 0 1 1 0 0 0 1 1 0 1 0 1 1 1 0 1 1 1 1 1 1 (1)X = Ā・B̄ + Ā・D̄ + B・C・D
(2)X = Ā・B + Ā・D̄ + A・B・C
(3)X = Ā・B̄ + Ā・D̄ + A・B・C
(4)X = Ā・B̄ + Ā・C̄ + B・C・D
(5)X = Ā・B̄ + Ā・C̄ + A・B・D
出題のポイント:4変数はカルノー図で攻める
変数が4つ、16行の真理値表——代数的に整理すると手間がかかります。カルノー図なら視覚的に一発です。
| AB\CD | 00 | 01 | 11 | 10 |
| 00 | ★1 | ★1 | ★1 | ★1 |
| 01 | ★1 | 0 | 0 | ★1 |
| 11 | 0 | 0 | ★1 | ★1 |
| 10 | 0 | 0 | 0 | 0 |
1 のマスを、できるだけ大きな長方形で囲んでいきます。2の累乗(1・2・4・8)のマス数でしか囲めない——大きく囲むほど式が簡単になります。

3つのグループで囲む
| グループ | 囲む場所 | マス数 | 残る変数 |
| ① | AB=00 の行すべて | 4 | Ā·B̄ |
| ② | AB=00と01、CD=00と10 の4マス | 4 | ★Ā·D̄ |
| ③ | AB=11、CD=11と10 の2マス | 2 | A·B·C |
グループ②が分かりにくいかもしれません。CD=00 と CD=10 は、表の左端と右端——カルノー図では左右端が隣り合っているので囲めます。
この4マスはどれも A=0、D=0——B と C は0 も1 も含むので消えます。だから Ā·D̄ になるわけです。
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代数的に確かめる
カルノー図を使わずに、真理値表から直接整理することもできます。A と B の値で3つに場合分けすると見通しがよくなります。
| A、B | X=1 になる条件 | 項 |
| A=0、B=0 | 常に1 | Ā·B̄ |
| A=0、B=1 | D=0 のとき | Ā·B·D̄ |
| A=1、B=0 | なし | — |
| A=1、B=1 | C=1 のとき | A·B·C |
—
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A+Ā·B=A+B
選択肢(3)と一致
B̄+B·D̄=B̄+D̄ という変形が鍵です。「B でないとき」または「B かつ D でないとき」=「B でないか、D でないか」——A+Ā·B=A+B という公式の形になっています。
⚠️ よくある間違い
(1)は第3項が B·C·D——A=0、B=1、C=1、D=1 の行で1 になってしまいますが、真理値表ではX=0。1行で落とせます。
(4)(5)は第2項が Ā·C̄——A=0、B=1、C=0、D=1 の行で1 になるはずですが、真理値表では0です。
16行すべてを検証する必要はありません——X=0 の行を1つ選んで、選択肢が1 にならないかを見るのが効率的です。
⏱️ 本番での進め方
① 4変数ならカルノー図(AB×CD の4×4)を描く。
② 1 のマスを2の累乗のサイズで大きく囲む。
③★左右端・上下端は隣り合っている。環状に考える。
④ 4マスなら変数2つ、2マスなら1つが消える。
💡 覚え方
「カルノー図は環状、左右端も隣り合う」——これを見落とすと Ā·D̄ のグループが見つかりません。そして「X=0 の行で選択肢を落とす」——全行検証より速い方法です。

カルノー図を正しく使うための約束事
カルノー図は便利ですが、いくつか守るべき約束があります。それを外すと簡単化しきれません。
| 約束 | 内容 | 理由 |
| 2の累乗で囲む | 1・2・4・8・16マス | 変数がきれいに消えない |
| 長方形で囲む | L字やT字はだめ | 1つの項にならない |
| できるだけ大きく囲む | 4マス囲めるなら2マスで止めない | ★式が簡単にならない |
| 重なってよい | 同じマスが複数のグループに入ってよい | A+A=A だから |
| 端は環状 | ★左右端・上下端は隣り合う | グレイコードだから |
重なってよいのは同一則 A+A=A のおかげです。同じ1 を何度数えても、論理和では結果が変わらない——足し算とは違うところです。
最も見落とされるのが「端は環状」——4×4のカルノー図なら、四隅の4マスも1つのグループになります。上下も左右もつながっていると考えるのがポイントです。
なぜ大きく囲むほど簡単になるのか
2マス囲むと1変数、4マスで2変数、8マスで3変数が消えます——囲むマス数が2倍になるごとに、変数が1つずつ減るのです。
理由は補元則 A+Ā=1。隣り合う2マスは1変数だけが違うので、その変数について A+Ā=1 となって消える——それが繰り返されるだけです。
16マス全部が1 なら X=1——変数が4つとも消えて定数になる。極端な場合を考えると、規則が腑に落ちます。
論理式から回路へ、回路から論理式へ
簡単化した式は、そのまま回路になります。本問の X=Ā·B̄+Ā·D̄+A·B·C なら——ANDゲート3個とORゲート1個、NOTゲート3個で作れます。
もし簡単化せずに主加法標準形のまま作ると——X=1 の行は8つあるので、4入力ANDが8個も必要になります。部品が3倍近くに増えるわけです。
カルノー図で簡単化する目的は、まさにこの節約——ゲートが減れば回路は小さく安く、しかも速くなるのです。
まとめ
| グループ1 | Ā・B̄ |
| グループ2 | Ā・D̄ |
| グループ3 | A・B・C |
| 答え | (3) |
▼あわせて解きたい関連問題
・3変数の真理値表から論理式を選ぶ基本問題:【機械】令和5年度下期A問題14
・3変数の真理値表からカルノー図で論理式を求める:【機械】令和2年度A問題14

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