照明18【電験3種 機械】光束・照度・光度・光束発散度・輝度の定義とSI単位の穴埋め問題!令和5年度上期 A問題12 完全解説

電験3種 機械科目 照明 令和5年度上期 A問題12 lm・lx・cd・輝度!光の単位を整理する

今回は令和5年度上期 機械科目 A問題12を解説します。光束・照度・光度・光束発散度・輝度という測光量の基本量の定義とSI単位に関する空所補充問題です。

光束の単位はルーメン〔lm〕、照度はルクス〔lx〕、光度はカンデラ〔cd〕(I=F/ω)、光束発散度はルーメン毎平方メートル〔lm/m2〕(M=F/A)、輝度はカンデラ毎平方メートル〔cd/m2〕です。それぞれの定義式と単位の対応を整理して覚えることがポイントです。

目次

令和5年度上期 機械科目 A問題12:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 機械科目 照明 令和5年度上期 A問題12 問題文
令和5年度上期 機械科目 A問題12 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験」機械科目 A問題12

電験3種 機械科目 【照明】 令和5年度上期 A問題12

 次の文章は,光の基本量に関する記述である.

 光源の放射束のうち人の目に光として感じるエネルギーを光束といい単位には(ア)を用いる.

 照度は,光を受ける面の明るさの程度を示し,1(イ)とは被照射面積1m2に光束1(ア)が入射しているときの,その面の照度である.

 光源の各方向に出ている光の強さを示すものが光度である.光度I(ウ)は,立体角ω〔sr〕から出る光束をF(ア)とするとI=F/ωで示される.

 物体の単位面積から発散する光束の大きさを光束発散度Mといい,(エ)という.ある面から発散する光束をF,その面積をA〔m2〕とするとM=F/Aで示される.

 光源の発光面及び反射面の輝きの程度を示すのが輝度であり,単位には(オ)を用いる.

 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ.

上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)
(1)〔lx〕〔lm〕〔cd〕〔lx/m2〔lx/sr〕
(2)〔lm〕〔lx〕〔lm/sr〕〔lm/m2〔cd〕
(3)〔lm〕〔lx〕〔cd〕〔lm/m2〔cd/m2
(4)〔cd〕〔lx〕〔lm〕〔cd/m2〔lm/m2
(5)〔cd〕〔lm〕〔cd/sr〕〔lm/m2〔lx〕

5つの測光量を1枚の表に

本問は用語と単位の対応を問う問題——定義式とセットで覚えれば混同しません

記号単位定義
光束Flm(ルーメン)★光の総量
光度Icd(カンデラ)I=F/ω(方向ごとの強さ)
照度Elx(ルクス)★E=F/A(面が受ける)
光束発散度Mlm/m2★M=F/A(面から出る)
輝度Lcd/m2L=I/A(見た目の明るさ)

単位は定義式から自動的に決まります——I=F/ω なので lm/sr、これをcd と呼ぶE=F/A なので lm/m2、これをlx と呼ぶ名前が付いているだけで、中身は組立単位です。

だから「単位を暗記する」のではなく「定義式から導く」——そのほうがはるかに確実です。

光源から受照面と観察者へ進む光を用いて光束、光度、照度、光束発散度、輝度を区別する図
測光量は、どの光をどの方向・面積で評価するかに注目して整理します。
答え正解は (3)——(ア)lm (イ)lx (ウ)cd (エ)lm/m2 (オ)cd/m2 です。

紛らわしい2組を区別する

照度と光束発散度:入る光か、出る光か

照度E光束発散度M
光の向き★面に入る★面から出る
E=F/AM=F/A
単位lxlm/m2
次元同じ(lm/m2同じ

式も次元も同じ——違うのは光の向きだけです。だから区別のために名前と単位表記を分けているのです。

両者は反射率でつながります——照度E の面が反射率ρ なら、M=ρE入った光のうち、跳ね返る分だけが出ていくという関係です。

光度と輝度:点として見るか、面として見るか

光度I輝度L
見方光源を点とみなす★広がりのある面とみなす
I=F/ωL=I/A
感じるもの照らす力★まぶしさ

同じ光度でも、発光面が小さいほど輝度は高くなります——だからLED は小さくてもまぶしいのです。まぶしさ(グレア)を抑えるには、発光面を広げる——乳白色のカバーを付けるのはそのためです。

完全拡散面では M=πL という関係があります——π が出てくるのは、斜め方向へ出る光まで積分した結果です。4π ではなくπ という点に注意してください。

放射量と測光量

問題文の冒頭「放射束のうち人の目に光として感じるエネルギー」——ここに測光量の本質があります。

放射量(物理量)測光量(本問)
基準エネルギーそのもの★人間の目の感度
単位W(ワット)lm(ルーメン)

同じ1 W の光でも、色によって明るく見えたり暗く見えたりします——人間の目は緑色(555 nm)に最も感度が高いからです。

この感度の分布を視感度といいます——555 nm の1 W が683 lm赤外線や紫外線は、いくらエネルギーがあっても0 lm です。

だから「効率のよい光源」とは、目に見える波長に集中して出す光源——白熱電球が非効率なのは、エネルギーの大半を赤外線(熱)として出しているからです。

空欄アからオをlm、lx、cd、lm毎平方メートル、cd毎平方メートルに対応させ選択肢3と示す図
5つの対応が一致する選択肢(3)が正解です。

⏱️ 本番での進め方
①単位は定義式から導く。I=F/ω→lm/sr=cd。
②照度は「入る」、光束発散度は「出る」。式は同じ。
③輝度は光度を発光面積で割ったもの。まぶしさの指標。
④完全拡散面は M=πL。4π ではない。

💡 覚え方
「lm は総量、cd は方向、lx は受ける面、cd/m2 は見た目」——役割で並べると混同しません照度と光束発散度は向きだけの違いです。

照明用光源の性能評価は平成23年度 A問題11で問われています(照明:ランプ効率・演色性・色温度・保守率)。

5つの測光量について定義式とSI単位を一覧にし、照度と光束発散度の向きを区別した表
名称だけでなく、定義・式・単位を一組にして覚えます。

測光量が「どこで測るか」で決まる

5つの量は、光の道筋のどこを見ているかで整理できます——順に並べてみましょう

段階問い
①光源が出す光束F全部でどれだけ出したか
②ある方向へ光度I★その向きにどれだけ強いか
③空間を進む距離で薄まる(1/r2
④面に届く照度E★面はどれだけ受けたか
⑤面から返る光束発散度M反射してどれだけ出るか
⑥目に入る輝度L★どれだけまぶしく見えるか

この順に並べると、名前を取り違えなくなります——「光源側」がF とI、「面側」がE とM、「目側」がL です。

計算問題での使い分け

出題パターン使う量
点光源から離れた1点の照度I とE(逆二乗則)
部屋全体の平均照度★F とE(光束法)
壁の明るさの見え方E →M →L

点を問われたら光度、面を問われたら光束——この振り分けができれば、どちらの公式を使うか迷いません

本問のような用語問題は暗記に見えますが、計算問題の土台でもあります。定義を押さえておけば、初見の計算問題でも式が立てられるのです。

照度と輝度、実際に見ているのはどちらか

私たちが「明るい」と感じているのは、じつは輝度です——照度は目に見えません

照度は「面が受けた光の量」——受けただけでは見えず、跳ね返って目に届いて初めて見えますその跳ね返り具合が輝度です。

照度反射率見え方
白い紙500 lx0.8★明るく見える
黒い布500 lx0.05★暗く見える

同じ照度でも、白と黒では見え方がまるで違う——反射率が16倍違えば、輝度も16倍違うからです。

だから壁や天井の色は照明設計に大きく影響します——白い部屋のほうが同じ照明でも明るく感じるのは、反射した光がさらに他の面を照らすからでもあります。照明率U が部屋の反射率で変わる理由です。

宇宙空間が暗い理由

太陽の光が届いていても、宇宙空間は真っ暗に見えます——光を跳ね返す物がないからです。

照度は十分にあるのに輝度が0——この2つが別物だという、いちばん極端な例だと言えます。

単位の中身を分解してみる

lm、cd、lx、sr——記号だけ見ると別々のものに見えますが、互いに組み立てられた関係にあります。

単位正式な組立意味
cd★SI基本単位7つの基本単位の1つ
lmcd·sr光度×立体角
lxlm/m2光束÷面積
srm2/m2★無次元

意外にも、基本単位はカンデラのほう——光束lm は cd·sr として組み立てられています問題文が I=F/ω と書いているのは、この関係を逆に見た形です。

ステラジアンは面積÷面積なので無次元——だから lm と cd は次元としては同じになります。それでも区別するのは、意味がまったく違うからです。

メートルやキログラムと並ぶ基本単位

SI基本単位は7つ——m、kg、s、A、K、mol、そして cd です。

光の量だけが「人間の感覚」を基準にした基本単位——他はすべて物理現象で定義されています視感度という人間side の要素が入っている点で、cd は特異な存在なのです。

電気の分野ではアンペアA が基本単位——電圧V や抵抗Ω は組立単位です。照明も同じ構造で、cd が基本、lm やlx が組立だと押さえてください。

まとめ

(ア)光束lm
(イ)照度lx
(ウ)光度cd
(エ)光束発散度lm/m²
(オ)輝度cd/m²
答え(3)

▼あわせて解きたい関連問題
・LEDの発光原理と疑似白色光:【機械】平成25年度A問題11
・照明用光源の性能評価の正誤判定:【機械】平成23年度A問題11

📚 次に解くべき関連問題
【機械】平成25年度A問題11(照明17)
【機械】平成21年度A問題11(照明16)
【機械】令和2年度A問題12(照明12)
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