自動制御19【電験3種 機械】シーケンス制御とフィードバック制御の区別!平成26年度 A問題13 完全解説

電験3種 機械科目 自動制御 平成26年度 A問題13 順序で動かすか誤差で直すか!2つの制御

今回は平成26年度 機械科目 A問題13を解説します。あらかじめ定められた手順で各段階を進めるシーケンス制御に関する5つの記述のうち、誤っているものを選ぶ問題です。

電気炉の温度制御のように、測定値と設定値を比較してヒータの発熱量を調節する仕組みは、あらかじめ定めた手順通りに進めるシーケンス制御ではなく、目標値との差を検出して修正するフィードバック制御に分類される点がポイントです。

目次

平成26年度 機械科目 A問題13:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 機械科目 自動制御 平成26年度 A問題13 問題文
平成26年度 機械科目 A問題13 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成26年度 第三種電気主任技術者試験」機械科目 A問題13

電験3種 機械科目 【自動制御】 平成26年度 A問題13

 シーケンス制御に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)前もって定められた工程や手順の各段階を,スイッチ,リレー,タイマなどで構成する制御はシーケンス制御である。

(2)荷物の上げ下げをする装置において,扉の開閉から希望階への移動を行う制御では,シーケンス制御が用いられる。

(3)測定した電気炉内の温度と設定温度とを比較し,ヒータの発熱量を電力制御回路で調節して,電気炉内の温度を一定に保つ制御はシーケンス制御である。

(4)水位の上限を検出するレベルスイッチと下限を検出するレベルスイッチを取り付けた水のタンクがある。水位の上限から下限に至る容積の水を次段のプラントに自動的に送り出す装置はシーケンス制御で実現できる。

(5)プログラマブルコントローラでは,スイッチ,リレー,タイマなどをソフトウェアで書くことで,変更が容易なシーケンス制御を実現できる。

(1)前もって定められた工程や手順の各段階を,スイッチ,リレー,タイマなどで構成する制御はシーケンス制御である。
(2)荷物の上げ下げをする装置において,扉の開閉から希望階への移動を行う制御では,シーケンス制御が用いられる。
(3)測定した電気炉内の温度と設定温度とを比較し,ヒータの発熱量を電力制御回路で調節して,電気炉内の温度を一定に保つ制御はシーケンス制御である。
(4)水位の上限を検出するレベルスイッチと下限を検出するレベルスイッチを取り付けた水のタンクがある。水位の上限から下限に至る容積の水を次段のプラントに自動的に送り出す装置はシーケンス制御で実現できる。
(5)プログラマブルコントローラでは,スイッチ,リレー,タイマなどをソフトウェアで書くことで,変更が容易なシーケンス制御を実現できる。

出題のポイント:温度制御はフィードバック制御

誤りは(3)です。「測定した温度と設定温度とを比較し、発熱量を調節する」——これは結果を見て修正しているのだからフィードバック制御です。

シーケンス制御フィードバック制御
進み方あらかじめ定めた順序で段階を進める★結果を測って目標との差を修正する
扱う量オン/オフの状態連続量(温度・流量・速度)
比較の有無条件が揃ったかを判定★目標値と測定値を比較
装置リレー、タイマ、PLC調節計、PIDコントローラ

判別の決め手は「目標値と測定値を比較しているか」——比較して差を埋めているならフィードバックです。(3)には「比較し」という語がはっきり書かれています

ただし電気炉の設備全体を見れば、シーケンス制御も使われています扉を閉めてから加熱を始める、規定時間が経ったら次の工程へ——そうした手順の管理がシーケンス制御温度そのものの調節はフィードバック制御という役割分担です。

エレベータの順序動作をシーケンス制御、電気炉の温度閉ループをフィードバック制御として比較する図
設定値との比較と偏差修正があれば、フィードバック制御です。

(1)(2)(4)(5) が正しい理由

(1) スイッチ・リレー・タイマによる制御

シーケンス制御の定義そのものです。「前もって定められた工程や手順の各段階を」——JIS の定義でも「あらかじめ定められた順序に従って制御の各段階を逐次進めていく制御」とされています。

(2) エレベータの扉の開閉と移動

正しい記述です。「扉が閉まったことを確認してから動き出す」「希望階に着いたら停止して扉を開く」——条件が揃ったら次へ進む典型的なシーケンス制御です。

ただしエレベータの速度制御はフィードバック制御——1台の装置の中に両方が入っている好例になります。

(4) レベルスイッチによる水の送り出し

正しい記述です。上限スイッチが働いたらポンプを起動、下限スイッチが働いたら停止——オン/オフの条件で動作が決まるのでシーケンス制御です。

「水位を一定に保つ」のではなく「上限まで溜まったら下限まで送る」——連続的に調節しているわけではないところが、フィードバック制御との違いです。

(5) プログラマブルコントローラ(PLC)

正しい記述です。かつてはリレーを配線してシーケンスを組んでいましたが、いまはPLC のプログラム(ラダー図)で記述するのが標準です。

リレー回路PLC
変更配線をやり直す★プログラムを書き換えるだけ
規模大きくなると盤が巨大化小さな筐体に収まる
保守接点の摩耗がある可動部がない
記録できない動作履歴を残せる
平成26年度機械A問題13の各選択肢を分類し、電気炉をシーケンス制御とする選択肢3が誤りと示す表
電気炉の温度一定制御はフィードバック制御なので、誤りは(3)です。
答え誤っているのは (3)です。「比較して調節する」=フィードバック制御——シーケンス制御ではありません

⚠️ よくある間違い
「電気炉」「ヒータ」という言葉から工場設備を連想し、シーケンス制御だと早合点するのが典型的な失敗です。設備の種類ではなく、制御の方式で判断してください。
「比較」「調節」「一定に保つ」という語が出てきたらフィードバック——「順序」「段階」「条件が揃ったら」ならシーケンスです。

シーケンス制御の3つの分類

シーケンス制御にも、進み方による分類があります。選択肢の内容がどれに当たるかを見てみましょう。

分類次へ進む条件本問での例
時限制御決められた時間が経過タイマによる制御
条件制御ある条件が成立★(4) レベルスイッチによる制御
順序制御前の段階が完了したことを確認★(2) 扉が閉まってから移動

実際の設備では3つが組み合わさります「扉が閉まったら(順序)、3秒待って(時限)、行先階の呼びがあれば(条件)動き出す」——そうやって複雑な動作が組み立てられているのです。

⏱️ 本番での進め方
① 誤りは(3)。「比較して調節」はフィードバック制御。
② 判別語:「比較」「一定に保つ」→FB、「順序」「条件」→シーケンス。
③ 設備の種類ではなく制御の方式で判断する。
④ 1台の装置に両方が入っていることも多い(エレベータ)。

💡 覚え方
「測って比べたらフィードバック、順序どおりならシーケンス」——比較の有無が決め手連続量を調節するのはフィードバック、オン・オフを進めるのがシーケンスです。

測定値と設定値の比較の有無からフィードバック制御とシーケンス制御を判定するフローチャート
センサがあるだけではなく、偏差に応じた修正動作の有無で判定します。

ラダー図とPLCの基礎

(5)に出てきたプログラマブルコントローラ(PLC)——そのプログラムはラダー図で書かれます。リレー回路の図面をそのままプログラムにしたような表記です。

記号意味リレー回路での対応
a接点条件が成立したら導通メーク接点(常時開)
b接点条件が成立したら遮断ブレーク接点(常時閉)
コイル出力リレーコイル
タイマ時間経過で動作タイマリレー

直列につなげばAND、並列につなげばOR——論理回路そのものです。電気技術者がそのまま読める表記になっているのが、ラダー図が長く使われてきた理由だと言えます。

自己保持回路——シーケンス制御の基本形

シーケンス制御で最も基本的な回路が自己保持回路です。押しボタンを離しても動作を続ける——「記憶」を作る仕組みになります。

起動ボタン(a接点)と自分自身の接点を並列にし、停止ボタン(b接点)を直列に入れる——これだけで、押している間だけでなく押した後も動作が続きます

停止ボタンをb接点にするのは安全のためです。配線が断線したら停止側に働く——フェイルセーフの考え方a接点にすると、断線したとき止められなくなってしまいます

本問の(4)のような「上限で起動、下限で停止」もこの応用です。レベルスイッチが押しボタンの代わりをしている——自己保持があるから、水位が上限を離れてもポンプが回り続けるのです。

まとめ

(1)(2)(4)(5)正しい記述(シーケンス制御の例)
(3)誤り(実際はフィードバック制御)
答え(3)

▼あわせて解きたい関連問題
・K・T付きフィードバック制御系のボード線図:【機械】令和5年度下期A問題13
・シーケンス制御の基礎用語(インタロック・タイムチャート):【機械】令和6年度上期A問題13

📚 次に解くべき関連問題
【機械】平成30年度B問題18(自動制御17)
【機械】令和6年度上期A問題13(自動制御21)
【機械】令和7年度上期A問題13(自動制御20)
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