今回は令和6年度上期 機械科目 A問題13を解説します。自動制御の分類(シーケンス制御とフィードバック制御)、リレーシーケンス、インタロック、タイムチャートという基礎用語をまとめて問う空所補充問題です。★自動制御22(平成23年度A問題13)と設問文が一言一句同一で、選択肢の並び順のみが異なる類題です。答えの組合せ自体(フィードバック・有接点・インタロック・タイムチャート)は共通ですが、選択肢の番号位置が違うため、答えを取り違えないよう注意が必要です。
自動制御はシーケンス制御とフィードバック制御に大別されること、電磁リレーを用いた有接点シーケンスをリレーシーケンスと呼ぶこと、相手のb接点を直列に入れて同時動作を防ぐ仕組みがインタロックであること、時間と動作状態の関係を表す図がタイムチャートであることを順に当てはめます。
ほぼ同じ問題が 【機械】平成23年度A問題13 でも出題されています。出題パターンが固定なので、セットで解けば確実な得点源になります。
令和6年度上期 機械科目 A問題13:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験」機械科目 A問題13
電験3種 機械科目 【自動制御】 令和6年度上期 A問題13
次の文章は,自動制御に関する記述である。
機械,装置及び製造ラインの運転や調整などを制御装置によって行うことを自動制御という。自動制御は,シーケンス制御と(ア)制御とに大別される。
シーケンス制御は,あらかじめ定められた手順や判断によって制御の各段階を順に進めていく制御である。この制御を行うための機器として電磁リレーがある。電磁リレーを用いた(イ)シーケンス制御をリレーシーケンスという。
リレーシーケンスにおいて,2個の電磁リレーのそれぞれのコイルに,相手のb接点を直列に接続して,両者が決して同時に働かないようにすることを(ウ)という。
シーケンス制御の動作内容の確認や,制御回路設計の手助けのために,横軸に時間を表し,縦軸にコイルや接点の動作状態を表したものを(エ)という。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (1) フィードフォワード 無接点 ブロック フローチャート (2) フィードバック 有接点 インタロック タイムチャート (3) フィードバック 有接点 ブロック フローチャート (4) フィードフォワード 有接点 インタロック タイムチャート (5) フィードバック 無接点 ブロック タイムチャート
出題のポイント:シーケンス制御の基本用語
4つの空欄はすべて基本用語です。言葉の意味を知っていれば即答できる——取りこぼしたくない設問になります。
| 空欄 | 答え | 決め手 |
| (ア) | フィードバック | 自動制御はシーケンスとFBに大別 |
| (イ) | 有接点 | ★電磁リレーは物理的な接点をもつ |
| (ウ) | インタロック | 相手のb接点で同時動作を防ぐ |
| (エ) | タイムチャート | 横軸が時間の図 |
(イ)は「有接点」です。電磁リレーは機械的な接点を開閉する——だから有接点。半導体で置き換えたものが無接点シーケンスになります。
(エ)の選択肢にある「フローチャート」も紛らわしい——こちらは処理の流れを表す図で、横軸に時間を取りません。問題文の「横軸に時間を表し」がタイムチャートを指定しています。


(ウ)インタロックの仕組み
インタロックは「両者が決して同時に働かないようにする」仕組みです。相手のb接点を自分のコイル回路に直列に入れる——これだけで実現できます。
b接点は「相手が働いていないときだけ閉じている」接点です。相手が動けば開く——だから自分のコイルには電流が流れなくなるのです。
| リレーA の状態 | A の b接点 | リレーB は |
| 動作していない | 閉 | 動作できる |
| 動作している | ★開 | ★動作できない |
互いに相手のb接点を入れ合うので、先に動いたほうが勝つ——後から来たほうは締め出されます。
実際の用途は電動機の正転・逆転が代表例です。正転用と逆転用の電磁接触器が同時に入ると、電源が短絡——大事故になります。
だから電気的インタロックだけでなく、機械的インタロック(金具で物理的に押さえる)も併用されます。二重の安全策——「絶対に同時に入ってはいけない」ものには、それだけの手当てをするのが原則です。

有接点と無接点の比較
(イ)で問われた「有接点」——無接点との違いを整理しておきましょう。
| 有接点(電磁リレー) | 無接点(半導体) | |
| 開閉するもの | 機械的な接点 | トランジスタ等 |
| 寿命 | ★接点の摩耗で有限 | 原理的に長い |
| 動作速度 | 遅い(ms オーダ) | 速い(µs オーダ) |
| 入出力の絶縁 | ★完全 | フォトカプラ等が必要 |
| 耐ノイズ性 | 強い | 弱い |
| オフ時の漏れ電流 | ない | わずかにある |
有接点にも利点があります。接点が開けば完全に絶縁される——漏れ電流がゼロ。安全確保のための遮断には、いまも有接点が使われるのはこのためです。
現在はPLC が主流ですが、PLC の出力にリレーを使う「リレー出力形」も一般的——制御はソフトウェア、遮断は接点という組合せです。両者は置き換えではなく、使い分けの関係にあります。
⏱️ 本番での進め方
①(ア)自動制御はシーケンスとフィードバックに大別。
②(イ)電磁リレーは物理的な接点=有接点。
③(ウ)相手のb接点を直列=インタロック。
④(エ)横軸が時間ならタイムチャート。フローチャートではない。
💡 覚え方
「インタロックは相手のb接点」——相手が動いたら自分は動けない。正転・逆転の同時投入防止が代表例です。
出題履歴:平成23年度と設問文が同一(答えの番号は違う)
本問は平成23年度 A問題13と設問文が一言一句同一です(自動制御:シーケンス制御の基本用語)。ところが選択肢の並び順が違い、正解は (2) と (1)で異なります。
入る語「フィードバック・有接点・インタロック・タイムチャート」は完全に同じ——番号で覚えていたら失点します。13年ぶりの再出題で番号だけ変えられた——用語そのものを覚えることの大切さが分かる例です。

シーケンス制御でよく使う基本回路
インタロックのほかにも、シーケンス制御には定番の回路があります。組合せで複雑な動作が作られるので、基本形を押さえておきましょう。
| 回路 | 働き | 作り方 |
| 自己保持回路 | ★押しボタンを離しても動作を続ける | 自分のa接点を起動ボタンと並列 |
| インタロック回路 | 同時動作を防ぐ | 相手のb接点を直列 |
| 優先回路 | 先に押したほうを優先 | インタロック+自己保持 |
| タイマ回路 | 一定時間後に動作 | 限時接点を使う |
自己保持回路は「記憶」を作る仕組みです。押しボタンは押している間しか閉じない——それでは電動機を運転し続けられません。
自分のa接点を起動ボタンと並列に入れると、いったん動いた後は自分の接点で電流を保てる——ボタンを離しても動作が続きます。
停止ボタンはなぜb接点か
停止ボタンにはb接点(常時閉)を使い、コイル回路に直列に入れます。押すと開いて自己保持が切れる——これで停止できます。
a接点でも回路は作れますが、b接点を使うのは安全のため——配線が断線したら停止側に働くからです。
| 停止をb接点にした場合 | a接点にした場合 | |
| 正常時 | 押すと止まる | 押すと止まる |
| 配線が断線したら | ★自動的に停止する(安全) | 止められなくなる(危険) |
「故障したら安全側に倒れる」——フェイルセーフの考え方です。非常停止ボタンは必ずb接点——法規や安全規格でも定められている基本原則になります。
まとめ
| (ア) | フィードバック |
| (イ) | 有接点 |
| (ウ) | インタロック |
| (エ) | タイムチャート |
| 答え | (2) |
▼あわせて解きたい関連問題
・シーケンス制御の基礎用語(平成23年度の類題):【機械】平成23年度A問題13
・プロセス制御におけるPID各動作の効果:【機械】令和6年度下期A問題13

コメント