今回は平成21年度 機械科目 A問題9を解説します。パワーエレクトロニクス回路で使われるリアクトルとコンデンサ、バルブデバイスの働きに関する記述の誤りを見つける問題です。
交流電源の内部インピーダンスは通常インダクタンス成分を含むため、バルブデバイスで電流を遮断すると、遮断装置にかかわらずインダクタンスによる逆起電力が発生し、交流電源の端子電圧が上昇することが頻繁にあります(「上昇することはない」は誤り)。
平成21年度 機械科目 A問題9:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 機械科目 【パワーエレクトロニクス】 平成21年度 A問題9
パワーエレクトロニクス回路で使われる部品としてのリアクトルとコンデンサ,あるいは回路成分としてのインダクタンス成分,キャパシタンス成分と,バルブデバイスの働きに関する記述として,誤っているのは次のうちどれか。
(1)リアクトルは電流でエネルギーを蓄積し,コンデンサは電圧でエネルギーを蓄積する部品である。
(2)交流電源の内部インピーダンスは,通常,インダクタンス成分を含むので,交流電源に流れている電流をバルブデバイスで遮断しても,遮断時に交流電源の端子電圧が上昇することはない。
(3)交流電源を整流した直流回路に使われる平滑用コンデンサが交流電源電圧のピーク値近くまで充電されていないと,整流回路のバルブデバイスがオンしたときに,電源及び整流回路の低いインピーダンスによって平滑用コンデンサに大きな充電電流が流れる。
(4)リアクトルに直列に接続されるバルブデバイスの電流を遮断したとき,リアクトルの電流が環流する電流路ができるように,ダイオードを接続して使用することがある。その場合,リアクトルの電流は,リアクトルのインダクタンス値〔H〕とダイオードを通した回路内の抵抗値〔Ω〕とで決まる時定数で減少する。
(5)リアクトルとコンデンサは,バルブデバイスがオン,オフすることによって断続する瞬時電力を平滑化する部品である。
出題のポイント:インダクタンスと遮断時の過渡電圧

交流電源の内部インピーダンスには通常インダクタンス成分があります。インダクタンスは電流の急変を妨げるため、電流を遮断すると過渡電圧が生じ、回路条件によって端子電圧が上昇することがあります。したがって選択肢(2)が誤りです。
ポイント解説:電流遮断で端子電圧が上昇し得る理由

交流電源の内部インピーダンスは通常インダクタンス成分を含むため、バルブデバイスで電流を遮断すると、遮断装置にかかわらずインダクタンスによる逆起電力が発生し、交流電源の端子電圧が上昇することが頻繁にあります。
問題の解説:『上昇することはない』が誤り

STEP1 各記述の正誤を確認する
(1)リアクトル・コンデンサのエネルギー蓄積方式、(3)平滑コンデンサの突入電流、(4)還流ダイオードとL/R時定数、(5)瞬時電力の平滑化はいずれも正しい記述です。
STEP2 誤りの記述を特定する
交流電源の内部インピーダンスはインダクタンス成分を含むため、電流を遮断すると逆起電力により端子電圧が上昇することがあるのが実際の挙動です。「上昇することはない」とする(2)が誤りです。
答え:(2)
💡 覚え方
交流電源の内部インピーダンスはインダクタンス性→電流遮断時に逆起電力で端子電圧が上昇し得る。
⚠️ よくある間違い
「電圧は上昇しない」という断定的な記述はインダクタンス性回路では基本的に誤りになりやすい、と覚えておく。
まとめ
| 誤りの記述 | (2) 電流遮断時に端子電圧は上昇しないとする記述 |
| 正しくは | 上昇することが頻繁にある |
| 答え | (2) |
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