電気事業法6【電験3種 法規】主任技術者の3条文はすべて適切!選任・誠実義務・指示に従う義務 令和5年度上期 A問題1 完全解説

電験3種 法規科目 電気事業法 令和5年度上期 A問題1 主任技術者の義務3か条!今回は全部正しい

今回は令和5年度上期 法規科目 A問題1主任技術者に関する3つの記述が適切か不適切かを判定する問題です。すべて電気事業法第43条から出ています。

結論から言うとa)b)c)すべて適切で答えは(4)。ただ「全部正しい」を選ぶには条文を正確に覚えている必要があります。選任義務(1項)・誠実職務義務(4項)・従事者の指示遵守義務(5項)の3点セットで押さえましょう。

目次

令和5年度上期 法規科目 A問題1:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和5年度上期 A問題1 問題文
令和5年度上期 法規科目 A問題1 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題1

電験3種 法規科目 【電気事業法】 令和5年度上期 A問題1

 次のa)〜c)の文章は、主任技術者に関する記述である。その記述内容として、「電気事業法」に基づき、適切なものと不適切なものの組合せについて、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

a) 事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く。以下同じ。)を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、主務省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならない。

b) 主任技術者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行わなければならない。

c) 事業用電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者は、主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。

a)b)c)
(1)不適切適切適切
(2)不適切不適切適切
(3)適切不適切不適切
(4)適切適切適切
(5)適切適切不適切
答えa)適切・b)適切・c)適切 = (4)

答えは(4):a)b)c)すべて適切

電気事業法 第43条(主任技術者)

第1項 事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く。)を設置する者は、保安の監督をさせるため、主務省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならない。/第4項 主任技術者は、工事、維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行わなければならない。/第5項 工事、維持又は運用に従事する者は、主任技術者がその保安のためにするに指示に従わなければならない。

3つとも条文そのまま。「全部適切」を選べるかが問われています。

a)は第1項の選任義務そのままです——小規模事業用を除く、という括弧書きも条文どおりです。

b)は第4項の誠実職務義務、c)は第5項の指示遵守義務——どちらも一字一句そのままです。

疑いすぎて外さないことが、本問の最大のポイントです

★「全部適切」を選ぶ勇気

心理起きること
★どこかに誤りがあるはず★★正しい記述を無理に誤りだと考えてしまう
★全部正しいのは不自然★★自信のある肢を捨ててしまう

正誤問題では「全部適切」という選択肢も必ず用意されています——それが正解になる年もあるのです。

条文と照らして誤りが見つからなければ、堂々と全部適切を選びましょう——探して見つからないなら、ないのです

★43条の三者の義務

誰の義務内容
★1項★★設置者★★免状所持者から主任技術者を選任する
★2項★★設置者★★選任・解任したら遅滞なく届け出る
★4項★★主任技術者★★職務を誠実に行う
★5項★★従事する者★★指示に従う

設置者・主任技術者・従事者の三者すべてに義務がかかっています——誰か一人が担うのではなく、全員で保安を支える建て付けです。

この三者構造を覚えておくと、どの項が問われても対応できます

★「及び」と「又は」の使い分け

接続詞意味
★4項(主任技術者)★★工事、維持及び運用★★3つすべてを監督する
★5項(従事者)★★工事、維持又は運用★★どれかに従事していればよい

主任技術者は3つすべてを見る立場なので「及び」です——一部だけ監督するのでは足りません

従事者は、どれか1つに関わっていれば義務がかかります——だから「又は」なのです。

接続詞の1文字にも意味があります——ここを書き換える引っかけが過去に出ています

小規模事業用が除かれている理由

設備選任代わりの義務
★太陽光10kW以上50kW未満★★不要★★基礎情報の届出・使用前自己確認
★風力20kW未満★★不要★★同上

数が多く小規模なので、一つひとつに主任技術者は置けません——そのぶん設備の基準と届出で保安を担保します

令和5年3月からの新しい区分です——この括弧書きがある問題は、それ以降の出題だと分かります。

「免状の交付を受けている者のうちから」

誰でも主任技術者になれるわけではありません——免状を持っている人の中から選ぶのが原則です。

例外が許可選任で、免状がない者を選ぶには大臣の許可が要ります——本条の但し書きにあたる制度です。

「誰でもよい」と書き換えたら、当然に誤りになります

誠実義務が置かれている意味

免状を持っているだけでは足りない、ということです——実際に職務を果たさなければなりません

名前だけ貸すような選任は、この条文に反します——いわゆる名義貸しの禁止にもつながります。

「努める」ではなく「行わなければならない」と書かれている点も確認しておきましょう

指示遵守義務が実効性を支える

主任技術者に監督権限を与えても、現場が従わなければ意味がありません——だから第5項が置かれています

実務では、この条文が主任技術者の後ろ盾になります——「法律で決まっている」と言えるのは強いのです。

監督する側とされる側の両方に義務を課す——この双方向がなければ制度は動きません

正誤問題での読み方

条文の言葉ダミー語違い
事業用電気工作物を設置する者★★事業用電気工作物を設置する者★電気事業の用に供する〜を設置する者★★後者は自家用が抜けるので誤り
免状の交付を受けている者のうちから★★免状の交付を受けている者のうちから★誰でも選任できる★★免状が前提
行わなければならない★★行わなければならない★行うよう努める★★努力義務にすり替える定番

主語・対象・語尾の3か所を見れば、たいていの正誤問題は片付きます

本問はそのどれも書き換えられていません——だから全部適切なのです。

選任したあとの手続

場面手続根拠
★選任したとき★★遅滞なく届出★★法43条2項
★解任したとき★★遅滞なく届出★★法43条2項
★免状がない者を選ぶとき★★大臣の許可★★法43条3項

選任も解任も、どちらも遅滞なく届け出ます——主任技術者が不在にならないよう、国が把握しておくためです。

届出であって承認ではない点も押さえておきましょう——誰を選ぶかは事業者が決めます

⏱️ 本番での進め方
主語・対象・語尾の3か所だけを見る。全文を読み込まない。
② 書き換えが見つからなければ堂々と「全部適切」を選ぶ。
括弧書きも条文の一部——「小規模事業用を除く」は正しい。
「及び」と「又は」の違いまで条文どおりか確かめる。

出題履歴——同じ43条が形を変えて出る

年度問われ方答え
★平成25年度 問1★★aの主語をすり替えた正誤★★a不適切
★令和2年度 問1★★職務と免状の範囲★★空欄補充
★令和5年度上期 問1★★書き換えなし(本問)★★全部適切

平成25年度 A問題1は、本問とほぼ同じ形式でaの主語だけが書き換えられています。2本を並べて読むと、どこが狙われるかが一目で分かります

令和2年度 A問題1では免状の範囲まで問われました。43条は全項を暗記する価値があります

💡 覚え方
主任技術者3点セット(法43条)=①設置者は免状交付者のうちから選任(小規模事業用は除く)②主任技術者は保安監督の職務を誠実に行う③従事者は主任技術者の指示に従う。選任・解任したときは遅滞なく経済産業大臣に届出(2項)。

⚠️ よくある間違い
「全部適切」を疑いすぎて外さない。選任は免状の交付を受けている者のうちから(誰でもよいわけではない)。義務は設置者・主任技術者・従事者の三者すべてにかかる。

まとめ

a)適切(法43条1項・選任義務)
b)適切(法43条4項・誠実に職務)
c)適切(法43条5項・指示に従う)
除外小規模事業用電気工作物は選任不要
答え(4)

▼あわせて解きたい関連問題
・主任技術者(電気事業法24):【法規】平成25年度 A問題1
・電気主任技術者の選任(電気事業法29):【法規】平成23年度 A問題1

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