電気事業法29【電験3種 法規】兼任には別に承認が必要!選任・許可選任・兼任・外部委託を整理 平成23年度 A問題1 完全解説

電験3種 法規科目【電気事業法】平成23年度 A問題1 a適切・b不適切・c適切=(2)

今回は平成23年度 法規科目 A問題1電気主任技術者の選任等を4つの事業場の具体例で問う問題です。選任のバリエーションを一気に整理できる良問です。

覚えるべきは4形態。①通常の選任(免状保有者・届出)②許可選任(免状がない者・許可)③兼任(承認)④外部委託(承認)許可選任を受けていても、兼任させるには別に承認が要る——ここが本問の急所です。

出題のポイント

目次

平成23年度 法規科目 A問題1:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成23年度 A問題1 問題文
平成23年度 法規科目 A問題1 問題文

電験3種 法規科目 【電気事業法】 平成23年度 A問題1

 次のaからcの文章は、自家用電気工作物を設置するX社が、需要設備又は変電所のみを直接統括する同社のA、B、C及びD事業場ごとに行う電気主任技術者の選任等に関する記述である。ただし、A〜Dの各事業場は、すべてY産業保安監督部の管轄区域内のみにある。「電気事業法」及び「電気事業法施行規則」に基づき、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

a.受電電圧33kV、最大電力12000kWの需要設備を直接統括するA事業場に、X社の従業員で第三種電気主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、電気主任技術者を選任し、遅滞なく、その旨をY産業保安監督部長に届け出た。

b.最大電力400kWの需要設備を直接統括するB事業場には、X社の従業員で第一種電気工事士試験に合格している者をあてることとして、保安上支障がないと認められたため、Y産業保安監督部長の許可を受けてその者を電気主任技術者に選任した。その後、その電気主任技術者を電圧6600Vの変電所を直接統括するC事業場の電気主任技術者として兼任させた。その際、B事業場への選任の許可を受けているので、Y産業保安監督部長の承認は求めなかった。

c.受電電圧6600Vの需要設備を直接統括するD事業場については、その需要設備の工事、維持及び運用に関する保安の監督に係る業務を委託する契約をZ法人(電気保安法人)と締結し、保安上支障がないものとしてY産業保安監督部長の承認を受けたので、電気主任技術者を選任しないこととした。

abc
(1)不適切適切適切
(2)適切不適切適切
(3)適切適切不適切
(4)不適切適切不適切
(5)適切不適切不適切

ポイント解説:許可選任と兼任承認は別の手続

b 不適切(正解の決め手):第一種電気工事士試験合格者は主任技術者免状を持っていないため、通常なら選任できません。しかし保安上支障がないと認められれば産業保安監督部長の許可を受けて選任できます(許可選任)。ここまではB事業場について適法。問題はその後で、1人の主任技術者が複数の事業場を兼ねる(兼任)には別途、兼任の承認が必要です。「B事業場への選任の許可を受けているから承認は不要」という理屈は成り立たず、不適切

a 適切受電電圧33kVは第三種電気主任技術者の範囲(5万V未満)に収まります。「出力5000kW以上の発電所を除く」という制限は発電所についてのもので、需要設備には最大電力12000kWでもかかりません。選任したら遅滞なく届出(法第43条第2項)。事業場が一の産業保安監督部の管轄区域内のみにあるので届出先は産業保安監督部長——ここも条文どおりで適切です。

c 適切受電電圧6600V(7000V以下)の需要設備は外部委託承認の対象です。電気保安法人や電気管理技術者と保安管理業務の委託契約を結び、産業保安監督部長の承認を受ければ電気主任技術者を選任しないことができます。中小規模の高圧需要家で広く使われている実務そのもの。よってa適切・b不適切・c適切=(2)

問題の解説

STEP1 a

33kVは第三種の範囲・需要設備に出力制限なし・届出先は監督部長→適切。

STEP2 b

許可選任はOKだが兼任には別に承認が必要→不適切。

STEP3 c

6600V需要設備は外部委託承認の対象→適切→(2)。

答え:(2)

💡 覚え方
主任技術者の4形態:①選任(免状保有者/遅滞なく届出)②許可選任(免状なしでも保安上支障なければ許可)③兼任(承認が必要)④外部委託(7000V以下等・承認で選任不要)。手続の名前が届出/許可/承認で違う点に注意。

⚠️ よくある間違い
許可選任と兼任承認は別手続——片方があるからもう片方が不要にはならない。第三種の範囲は5万V未満、出力5000kWの制限は発電所のみで需要設備には無関係。

まとめ

a適切(33kV=5万V未満・届出先は監督部長)
b不適切(兼任には別途承認が必要)
c適切(6600V需要設備は外部委託承認の対象)
答え(2)

▼あわせて解きたい関連問題
・外部委託承認の対象(電気事業法19):【法規】平成28年度 A問題1
・主任技術者の範囲(電気事業法12):【法規】令和2年度 A問題1

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