電気事業法19【電験3種 法規】外部委託承認は7000V以下が大原則!出力の上限にも注意 平成28年度 A問題1 完全解説

電験3種 法規科目 電気事業法 平成28年度 A問題1 外部委託できるのは7000V以下!出力にも上限

今回は平成28年度 法規科目 A問題1電気主任技術者を選任しないことができる事業場——いわゆる外部委託承認制度の対象を問う問題です。実務でも頻繁に使われる制度です。

判定の物差しはただ2つ。①電圧7000V以下であること ②発電所なら出力が上限未満であること。この2つで4つの記述をふるいにかければ、迷わず正解にたどり着けます。

目次

平成28年度 法規科目 A問題1:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成28年度 A問題1 問題文
平成28年度 法規科目 A問題1 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成28年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題1

電験3種 法規科目 【電気事業法】 平成28年度 A問題1

 次の文章は、「電気事業法」及び「電気事業法施行規則」に基づく主任技術者の選任等に関する記述である。

 自家用電気工作物を設置する者は、自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため主任技術者を選任しなければならない。ただし、一定の条件を満たす自家用電気工作物に係る事業場のうち、保安の監督に係る業務を委託する契約が施行規則で規定した要件に該当する者と締結されているものであって、保安上支障のないものとして経済産業大臣(事業場が一の産業保安監督部の管轄区域内のみにある場合は、その所在地を管轄する産業保安監督部長)の承認を受けたものについては、電気主任技術者を選任しないことができる。

 下記a〜dのうち、上記の記述中の下線部の「一定の条件を満たす自家用電気工作物に係る事業場」として、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

ただし、一定の条件を満たす自家用電気工作物に係る事業場のうち、当該自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督に係る業務を委託する契約が、電気事業法施行規則で規定した要件に該当する者と締結されているものであって、保安上支障のないものとして経済産業大臣(事業場が一の産業保安監督部の管轄区域内のみにある場合は、その所在地を管轄する産業保安監督部長)の承認を受けたものについては、電気主任技術者を選任しないことができる。

a 電圧22000Vで送電線路と連系をする出力2000kWの内燃力発電所

b 電圧6600Vで送電する出力3000kWの水力発電所

c 電圧6600Vで配電線路と連系をする出力500kWの太陽電池発電所

d 電圧6600Vで受電する需要設備

abcd
(1)適切不適切適切適切
(2)不適切不適切適切適切
(3)適切不適切不適切適切
(4)不適切適切適切不適切
(5)適切適切不適切不適切
答えa不適切・b不適切・c適切・d適切 = (2)

答えは(2):a不適切・b不適切・c適切・d適切

電気事業法施行規則 第52条第2項(外部委託承認)

自家用電気工作物を設置する者は、主任技術者を選任しなければならない。ただし、一定の条件を満たす事業場のうち、保安の監督に係る業務を委託する契約が施行規則で規定した要件に該当する者と締結され、保安上支障のないものとして経済産業大臣(事業場が一の産業保安監督部の管轄区域内のみにある場合は産業保安監督部長)の承認を受けたものについては、電気主任技術者を選任しないことができる。

実務でもっとも使われている制度です。判定の物差しは2つだけ。

物差しは①電圧7000V以下 ②発電所なら出力が上限未満——この2つで4つの記述をふるいにかけます

aは22000Vなので電圧でアウト——出力が2000kWと小さくても関係ありません

bは6600Vですが出力3000kWの水力発電所でアウト——電圧だけ見て飛びつかないのがポイントです。

2つの物差しで機械的に切る

記述電圧出力判定
★a 内燃力発電所★22000V★★2000kW★不適切(電圧)
★b 水力発電所★★6600V★3000kW★不適切(出力)
★c 太陽電池発電所★★6600V★★500kW★★適切
★d 需要設備★★6600V★★—★★適切

aは電圧で、bは出力で落ちます——2つの物差しがそれぞれ1つずつ仕事をしている作りです。

両方を確かめないと、必ずどちらかを取りこぼします——この構成が本問の狙いです。

外部委託承認の対象になる事業場

区分要件
★発電所★★7000V以下で連系等をし、出力が一定未満のもの
★需要設備★★7000V以下で受電するもの
★配電線路★★600V以下の配電線路を管理する事業場

いずれも「7000V以下」が共通しています——高圧までなら委託でよい、という線引きです。

特別高圧になると、常駐の主任技術者が必要になります——危険度が一段上がるからです。

誰に委託するのか

委託先中身
★電気管理技術者★★個人で保安管理業務を請け負う有資格者
★電気保安協会★★地域ごとにある法人。多数の事業場を受託
★保安管理業務を行う法人★★要件を満たす民間事業者

町の高圧受電のビルや工場は、ほとんどがこの形です——自社で主任技術者を雇うより現実的だからです。

電験3種に合格した人の働き方としても、大きな選択肢になります

承認先が2通りある理由

条文の言葉ダミー語違い
経済産業大臣★★経済産業大臣★都道府県知事★★電気事業法の手続は大臣が原則
産業保安監督部長★★産業保安監督部長★経済産業局長★★管轄区域内で完結する場合の窓口
承認★★承認★届出★★外部委託は行政の判断が要る例外扱い

事業場が1つの産業保安監督部の管轄内に収まるなら、部長が窓口です——身近な窓口で処理できるようにしているのです。

複数の管轄にまたがるなら、大臣が受け持ちます——規模に応じて窓口が変わるという仕組みです。

選任・許可選任・外部委託の違い

方法主任技術者手続
★選任★★自社の免状所持者★★遅滞なく届出
★許可選任★★免状のない自社の者★★大臣の許可
★外部委託承認★★選任しない(外部に委託)★★大臣等の承認

3つのうち届出で済むのは通常の選任だけです——例外の2つは、どちらも行政の判断が要ります

「許可」と「承認」で語が違う点も、条文どおりに覚えます

兼任は別の制度

1人の主任技術者が複数の事業場を見るのが兼任です——外部委託とは別の承認が必要になります。

外部委託は「自社では選任しない」、兼任は「選任した人が複数を見る」——出発点が違います

試験でも実務でも混同しやすいところです——誰が主任技術者なのかで区別しましょう。

統括電気主任技術者という仕組み

近年は、太陽光発電所などが各地に点在するようになりました——1か所ごとに主任技術者を置くのは現実的ではありません

そこで複数の発電所をまとめて監督する統括電気主任技術者の制度ができました——補助する者を置くことが条件になっています。

新しい制度は数年遅れで出題されます——名前だけでも押さえておきましょう

なぜ出力に上限があるのか

発電所は、需要設備よりも事故の影響が大きくなりがちです——系統へ電気を送り出す側だからです。

出力が大きいほど、常に人が見ている必要が高まります——だから発電所にだけ出力の上限があるのです。

需要設備に出力の要件がないのは、受ける一方だから——この非対称は理由から理解できます

実務での判断手順

確かめること
★①★★受電・連系の電圧が7000V以下か
★②★★発電所なら出力が上限未満か
★③★★委託先が要件を満たす者か
★④★★承認を受けたか

①②を満たしても、承認を受けなければ選任義務は外れません——手続まで済ませて初めて有効です。

試験では①②までで答えが出ます——そこに絞って読みましょう

この問題の解き方をまとめる

4つの記述を、電圧→出力の順に見るだけです——1分もかかりません

迷うとすれば、bの「6600Vなのに不適切」でしょう——出力の上限を忘れていると、ここで落とします

2つの物差しをセットで覚えることが、本問の教訓です

⏱️ 本番での進め方
① まず全部の電圧を拾う——7000V超は問答無用で不適切。
② 発電所だけ出力の上限を確かめる。需要設備には出力要件がない。
需要設備は電圧さえ満たせば対象——dは典型例。
④ 承認先は経済産業大臣又は産業保安監督部長。知事ではない。

出題履歴——選任まわりは頻出

年度問われ方
★平成23年度 問1★★電気主任技術者の選任
★平成28年度 問1★★外部委託承認の対象(本問)
★令和5年度上期 問1★★選任義務そのもの

令和2年度 A問題1では免状の範囲が問われました。誰を選ぶか(免状)と、選ばなくてよい場合(外部委託)はセットです。

電験3種に受かったあとの働き方にも直結する制度です——実感を持って覚えられるところでしょう。

💡 覚え方
外部委託承認(施行規則52条2項)=電圧7000V以下が大原則。①7000V以下で連系等をする一定出力未満の発電所 ②7000V以下で受電する需要設備 ③600V以下の配電線路を管理する事業場。承認は経済産業大臣(一の産業保安監督部内なら産業保安監督部長)。

⚠️ よくある間違い
電圧要件を忘れて出力だけで判断しない——7000V超は問答無用で対象外。逆に電圧を満たしても出力上限超えの発電所は対象外。承認先は経済産業大臣又は産業保安監督部長

まとめ

a不適切(22000V=7000V超)
b不適切(出力3000kWが上限超)
c適切(6600V・500kW太陽光)
d適切(6600V受電の需要設備)
大原則電圧7000V以下
答え(2)

▼あわせて解きたい関連問題
・主任技術者(電気事業法6):【法規】令和5年度上期 A問題1
・電気主任技術者の選任(電気事業法29):【法規】平成23年度 A問題1

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