今回は平成28年度 法規科目 A問題10、保安規程に定めるべき事項の空欄補充問題です。令和5年度下期 A問題1でそのまま再出題された、法規で最も繰り返される暗記事項です。
7項目の並びは①職務及び組織 ②保安教育 ③巡視・点検・検査 ④運転又は操作 ⑤長期停止時の保全 ⑥非常時に採るべき措置 ⑦保安についての記録。順番ごと覚えれば、どこが空欄でも即答できます。
平成28年度 法規科目 A問題10:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成28年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題10
電験3種 法規科目 【電気事業法】 平成28年度 A問題10
次の文章は、「電気事業法施行規則」に基づく自家用電気工作物を設置する者が保安規程に定めるべき事項の一部に関しての記述である。
a 自家用電気工作物の工事、維持又は運用に関する業務を管理する者の(ア)に関すること。
b 自家用電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者に対する(イ)に関すること。
c 自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安のための(ウ)及び検査に関すること。
d 自家用電気工作物の運転又は操作に関すること。
e 発電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること。
f 災害その他非常の場合に採るべき(エ)に関すること。
g 自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安についての(オ)に関すること。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ) (1) 権限及び義務 勤務体制 巡視,点検 指揮命令 記録 (2) 職務及び組織 勤務体制 整備,補修 措置 届出 (3) 権限及び義務 保安教育 整備,補修 指揮命令 届出 (4) 職務及び組織 保安教育 巡視,点検 措置 記録 (5) 権限及び義務 勤務体制 整備,補修 指揮命令 記録

答えは(4):職務及び組織・保安教育・巡視,点検・措置・記録
5つ抜かれても、7項目を順番で覚えていれば一瞬で埋まります——むしろ空欄が多いほうが、順番を知っている人には易しいのです。
(ア)職務及び組織・(イ)保安教育・(ウ)巡視,点検・(エ)措置・(オ)記録で(4)。
ダミー語は5つとも「対」で作られている
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 職務及び組織 | ★★職務及び組織 | ★権限及び義務 | ★★組織図を書かせる規定。権利義務の話ではない |
| 保安教育 | ★★保安教育 | ★勤務体制 | ★★人を育てる規定。シフト表の話ではない |
| 巡視,点検 | ★★巡視,点検 | ★整備,補修 | ★★見る行為であって直す行為ではない |
| 措置 | ★★措置 | ★指揮命令 | ★★非常時は組織内部に限らず広く措置 |
| 記録 | ★★記録 | ★届出 | ★★届出は規程を出す手続。記載事項ではない |
5つのダミーは、どれも「それらしいが条文にない語」です——意味が近いからこそ引っかかるのです。
対で覚えてしまえば、ダミーを見た瞬間に違和感が出ます——正解を思い出すより、誤りを弾くほうが速い。
「整備,補修」がダミーである理由
第3号は「保安のための巡視、点検及び検査」です——3つとも設備を見る行為で統一されています。
整備や補修は、見た結果として行う別の行為です——見る行為の列に混ぜると、性質が揃わなくなるのです。
条文は同じ性質の言葉を並べる、という感覚を持っておくと、ダミーが浮いて見えます。
「届出」は記載事項ではなく手続
| 中身 | 根拠 | |
| ★記載事項 | ★★7項目(本問) | ★★施行規則50条 |
| ★手続 | ★★使用開始前に届出・変更は遅滞なく届出 | ★★法42条 |
(オ)に「届出」を入れてしまうのは、この2つを混同しているからです——規程の中に「届出のこと」を書くわけではありません。
何を書くか(規則50条)と、いつ出すか(法42条)は別の条文です——問題文の冒頭で、どちらを聞かれているか見分けましょう。
⏱️ 本番での進め方
① 冒頭が「保安規程に定めるべき事項」なら記載事項の問題。7項目を唱える。
② 空欄が5つあっても①②③⑥⑦の順に埋まる——順番を知っていれば機械的。
③ 「権限及び義務」「勤務体制」「整備,補修」「指揮命令」「届出」はすべてダミー。
④ ダミーを1つ見つけたら、その肢は全部落とせる——組合せ問題の利点。
出題履歴——そのまま再出題された問題
| 年度 | 問われ方 |
| ★平成28年度 問10 | ★★5空欄(本問) |
| ★令和5年度下期 問1 | ★★本問と同一問題 |
| ★平成21年度 問3 | ★★3空欄の軽い版 |
平成21年度 A問題3は同じ7項目を3空欄で問うています。先にこちらの5空欄版を固めておけば、3空欄版は自動的に解けます。
7項目の暗記は、法規で最も費用対効果が高い投資です——数年に一度は必ず出ます。
組合せ問題は「1つ見つけて全部落とす」
5空欄の組合せ問題では、5つとも判断する必要はありません——確実に分かる1つで、肢の大半が消えます。
本問なら(イ)の「保安教育」だけで、(1)(2)(5)が一度に落ちます——残る(3)(4)を(ア)で切れば終わりです。
組合せ問題は、自信のある空欄から手をつけるのが鉄則です——頭から順に埋めようとすると、時間だけが減っていきます。
| 使う空欄 | 落ちる肢 | 残り |
| ★(イ)=保安教育 | ★★(1)(2)(5)が落ちる | ★★(3)(4) |
| ★(ア)=職務及び組織 | ★★(3)が落ちる | ★★(4)=答え |
自家用電気工作物でも項目は同じ
本問は「自家用電気工作物を設置する者が」と書かれていますが、定めるべき事項は電気事業用と同じ7項目です。
施行規則第50条は、事業用電気工作物全体を対象にしています——自家用だから項目が減る、ということはありません。
問題文の主語が変わっても、答える中身は変わらない——ここで動揺しないことも実力のうちです。
7項目を3ブロックで唱える
| ブロック | 項目 | 言い方 |
| ★人 | ★★①職務及び組織 ②保安教育 | ★★誰がやるか、その人を育てる |
| ★行為 | ★★③巡視・点検・検査 ④運転又は操作 ⑤長期停止時の保全 ⑥非常時の措置 | ★★ふだん・動かす・止める・事故 |
| ★記録 | ★★⑦保安についての記録 | ★★やったことを残す |
7つを平らに覚えようとすると抜けが出ます——人2つ・行為4つ・記録1つと分けると、指を折って数えられるようになります。
行為の4つは時間軸の順です——ふだん見る→動かす→止める→事故が起きるという流れで思い出せます。
d・e・fが空欄になる年もある
本問では④⑤が問題文にそのまま書かれていますが、ここが空欄になる年もあります。
特に⑤の「発電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法」は、言い回しが長いぶん狙われやすいところです。
7項目は、どれが抜かれても書けるようにしておきましょう——「よく出る3つだけ」では足りないのがこのテーマです。
保安規程の実物はどんな文書か
実際の保安規程は、章立てのある社内規程集です——7項目が、そのまま章の見出しになっていることがほとんどです。
そこに巡視の頻度、点検の項目、非常時の連絡系統図などが書き込まれます——施行規則が枠を決め、事業者が中身を埋めるという形です。
電験3種に合格して主任技術者になると、この規程を作り、守る側に回ります——試験のための暗記が、そのまま実務の目次になっているのです。
だから7項目は、合格したあとも使い続ける知識です——試験のためだけの暗記ではありません。
意味を分かって覚えれば、5空欄でも怖くなくなります。
💡 覚え方
保安規程7項目=①職務及び組織 ②保安教育 ③巡視・点検・検査 ④運転又は操作 ⑤長期停止時の保全 ⑥非常時の措置 ⑦保安についての記録。順番ごと覚えれば、5空欄でも3空欄でも同じ暗記で対応できる。
⚠️ よくある間違い
「職務及び組織」↔「権限及び義務」、「保安教育」↔「勤務体制」、「巡視,点検」↔「整備,補修」、「措置」↔「指揮命令」、「記録」↔「届出」——5つとも対で覚えておけば、ダミーを見た瞬間に弾ける。
まとめ
| (ア) | 職務及び組織 |
| (イ) | 保安教育 |
| (ウ) | 巡視,点検(及び検査) |
| (エ) | 措置 |
| (オ) | 記録 |
| 答え | (4) |
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