電気事業法34【電験3種 法規】保安規程は「職務及び組織」「保安教育」「記録」!平成21年度 A問題3 完全解説

電験3種 法規科目 電気事業法 平成21年度 A問題3 職務・保安教育・記録!保安規程の空欄を埋める

今回は平成21年度 法規科目 A問題3保安規程に定めるべき事項の空欄補充問題です。平成28年度・令和5年度にも同じ7項目が問われており、法規で最も出題頻度の高い暗記事項です。

7項目は①職務及び組織 ②保安教育 ③巡視・点検・検査 ④運転又は操作 ⑤長期停止時の保全 ⑥非常時に採るべき措置 ⑦保安についての記録。本問はこのうち職務・保安教育・記録の3つが抜かれています。

目次

平成21年度 法規科目 A問題3:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成21年度 A問題3 問題文
平成21年度 法規科目 A問題3 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成21年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題3

電験3種 法規科目 【電気事業法】 平成21年度 A問題3

 次の文章は、「電気事業法施行規則」における、保安規程において定めるべき事項の記述の一部である。

 a. 事業用電気工作物の工事、維持又は運用に関する業務を管理する者の(ア)及び組織に関すること。

 b. 事業用電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者に対する(イ)に関すること。

 c. 事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安のための巡視、点検及び検査に関すること。

 d. 事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安についての(ウ)に関すること。

 e. 災害その他非常の場合に採るべき措置に関すること。

 上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

(ア)(イ)(ウ)
(1)職務保安教育記録
(2)職務指導監視
(3)資格訓練記録
(4)資格保安教育監視
(5)職務訓練記録
答え(ア)職務・(イ)保安教育・(ウ)記録 = (1)

答えは(1):職務・保安教育・記録

電気事業法施行規則 第50条(保安規程に定めるべき事項)

a 業務を管理する者の職務及び組織に関すること。/b 従事する者に対する保安教育に関すること。/c 保安のための巡視、点検及び検査に関すること。/d 保安についての記録に関すること。/e 災害その他非常の場合に採るべき措置に関すること。

本問で抜かれたのは、7項目のうち第1号・第2号・第7号です。

(ア)は「職務」——職務及び組織でひとかたまりの言葉です。

(イ)は「保安教育」——「訓練」でも「指導」でもなく、保安教育という条文用語を選びます。

(ウ)は「記録」——「監視」は行為の名前であって、定めるべき事項の名前ではありません

7項目は「人・行為・記録」の順に並んでいる

項目何の話か
★①★★職務及び組織★★誰がやるか
★②★★保安教育★★その人を育てる
★③★★巡視・点検及び検査★★ふだんの行為
★④★★運転又は操作★★動かすときの行為
★⑤★★長期停止時の保全★★止めるときの行為
★⑥★★非常の場合に採るべき措置★★事故のときの行為
★⑦★★保安についての記録★★やったことを残す

①②が人の話、③〜⑥が行為の話、⑦が記録の話です——この3ブロックで覚えると順番ごと再現できます

行為の4つは「ふだん・動かす・止める・事故」という時間軸で並んでいます——設備の一生をなぞった順番なのです。

ダミー語はいつも同じところに置かれる

条文の言葉ダミー語違い
職務及び組織★★職務及び組織★資格★★資格要件は主任技術者免状の制度で別に定める
保安教育★★保安教育★訓練・指導★★人を育てる規定なので条文語は保安教育
記録★★記録★監視★★監視は行為。記載事項の名前ではない

「資格」が入りそうに見えるのは、保安規程が人の話から始まるからです——しかし資格は法第44条の免状制度の話で、規程には書きません。

作問者は、意味が近くて条文にない語を選んで置きます——意味で選ばず、条文の語そのものを選ぶのが法規の鉄則です。

保安規程は「自分で決めて自分で守る」ルール

保安規程は、設置者が自ら作って大臣に届け出る社内ルールです——大臣が中身を認可するわけではありません

だから施行規則は「何を書くか」だけを決めています——どう書くかは、設備の規模や種類に応じて事業者が決めるのです。

この「枠だけ法律が決め、中身は事業者が埋める」という形が、電気事業法の保安規制の基本設計です

⏱️ 本番での進め方
① 保安規程の問題を見たら、まず7項目を頭の中で唱える
② 空欄の位置が①②⑦なら本問の型。職務・保安教育・記録で即決。
③ 迷ったら「資格」「訓練」「監視」「届出」が入った肢を捨てる——全部ダミー。
④ 記載事項の問題か、手続(届出)の問題かを最初に見分ける。

出題履歴——法規で最も繰り返される暗記事項

年度抜かれた場所
★平成21年度 問3★★①②⑦(本問)
★平成28年度 問10★★①②③⑥⑦の5か所
★令和5年度下期 問1★★平成28年度と同一問題

7項目を順番ごと覚えていれば、どこが抜かれても対応できます——部分暗記では歯が立たないのがこのテーマです。

手続のほうは平成20年度 A問題4で問われています。記載事項と手続はセットで押さえましょう。

誰が保安規程を作るのか

設備保安規程主任技術者
★電気事業用★★必要★★必要
★自家用★★必要★★必要
★小規模事業用★★不要★★不要
★一般用★★不要★★不要

保安規程が要るのは事業用電気工作物です——電気事業用と自家用の両方が含まれます

令和5年3月からは、小規模事業用電気工作物が外れました——太陽光10kW以上50kW未満・風力20kW未満がこれに当たります。

保安規程と主任技術者は、必要になる範囲がぴったり同じです——片方を覚えれば、もう片方も分かるのです。

7項目が「関すること」で終わる理由

条文はどの号も「〜に関すること」で終わっています——中身までは法律が決めていないという意味です。

火力発電所と町工場では、必要な巡視の頻度も体制もまるで違います——だから枠だけ示して、中身は事業者に委ねているのです。

この書き方を知っていると、選択肢の見分けが速くなります——具体的すぎる語が入っている肢は、たいていダミーです。

保安規程を守る義務は従業者にもある

法第42条第4項は、設置する者だけでなく「その従業者」も保安規程を守らなければならない、と定めています

会社が作ったルールを、現場の一人ひとりが守る——そこまで法律が念を押しているのです。

主任技術者の指示に従う義務(法43条5項)と同じ発想です——保安は組織全員で担うもの、という考え方が貫かれています。

巡視・点検・検査はどう違うのか

行為中身イメージ
★巡視★★見回って異常がないか見る★★歩きながら全体を見る
★点検★★機器ごとに状態を確かめる★★立ち止まって1台ずつ見る
★検査★★測定して基準に合うか判定する★★計器を当てて数値で判断する

3つとも「設備を見る行為」ですが、深さが違います——巡視→点検→検査の順に細かくなると覚えましょう。

だからこの3語は必ずこの順で並びます——順番が入れ替わっている肢は疑ってよいのです。

保安規程は事故が起きたときに読まれる

電気事故が起きると、まず保安規程どおりに動いていたかが検証されます——巡視の頻度は守られていたか、記録は残っているかです。

だから⑦の記録が7項目に入っています——やったことを残していなければ、やっていないのと同じ扱いになるからです。

7項目は、事故を防ぐためだけでなく、事故のあとに検証できるようにするための構成でもあります——そう考えると、記録が最後に置かれている意味が見えてきます

記録の保存期間は、規程のなかで事業者自身が決めます——法律が年数を指定しているわけではありません

ここでも「枠は法律、中身は事業者」という形が守られています

💡 覚え方
保安規程7項目=①職務及び組織 ②保安教育 ③巡視・点検・検査 ④運転又は操作 ⑤長期停止時の保全 ⑥非常時の措置 ⑦保安についての記録。使用開始前に経済産業大臣へ届出、変更したときは遅滞なく届出。

⚠️ よくある間違い
「職務」を「資格」、「保安教育」を「訓練」「指導」、「記録」を「監視」としないこと——いずれも意味は近いが条文にない語。条文の言葉そのままを選ぶのが鉄則。

まとめ

(ア)職務(及び組織)
(イ)保安教育
(ウ)記録
他の項目巡視点検検査・運転操作・長期停止時の保全・非常時の措置
答え(1)

▼あわせて解きたい関連問題
・保安規程7項目(電気事業法5):【法規】令和5年度下期 A問題1
・保安規程7項目(電気事業法20):【法規】平成28年度 A問題10

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