電気事業法36【電験3種 法規】保安規程は使用開始前に届出・変更は遅滞なく届出!平成20年度 A問題4 完全解説

電験3種 法規科目 電気事業法 平成20年度 A問題4 保安規程は使用開始前に届出!変更は遅滞なく

今回は平成20年度 法規科目 A問題4保安規程の届出手続の空欄補充問題です。保安規程は「何を書くか」(記載事項)と「いつどうやって出すか」(手続)の2方向から出題されますが、本問は手続のほうです。

覚える形はひとつ。保安を確保するため保安規程を定め、使用の開始前に経済産業大臣に届け出る。変更したときは遅滞なく変更事項を届け出る。手続は認可ではなく届出、タイミングは使用開始前です。

目次

答えは(2):保安・開始前・届け出・遅滞なく

電気事業法 第42条(保安規程)

事業用電気工作物を設置する者は、工事、維持及び運用に関する保安を確保するため、保安規程を定め、事業用電気工作物の使用の開始前に、経済産業大臣に届け出なければならない。/保安規程を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を経済産業大臣に届け出なければならない。

「保安・開始前・届出・遅滞なく」の4語がそのまま答えになります。

(ア)は「保安」——電気事業法の条文用語は、日常語の「安全」ではなく保安で統一されています。

(イ)(ウ)は「開始前に」「届け出」——動かす前に出す、そして認可ではなく届出です。

(エ)は「遅滞なく」——「30日以内」のような具体的な日数は書かれていません

平成20年度 法規科目 A問題4:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成20年度 A問題4 問題文
平成20年度 法規科目 A問題4 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成20年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題4

電験3種 法規科目 【電気事業法】 平成20年度 A問題4

 次の文章は、「電気事業法」に基づく、自家用電気工作物を設置する場合の保安規程に関する記述である。

 自家用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する(ア)を確保するため、経済産業省令で定めるところにより、保安規程を定め、当該組織における事業用電気工作物の使用の(イ)に、経済産業大臣(ウ)なければならない。

 また、保安規程を変更したときは、(エ)、変更した事項を経済産業大臣に届け出なければならない。

 上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

(注)平成20年度は公式問題PDFが公表されていないため、条文と過去問データに基づいて問題文を再構成しています。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)安全直後の認可を受け30日以内に
(2)保安開始前に届け出遅滞なく
(3)保安開始前の認可を受け遅滞なく
(4)保安直後に届け出30日以内に
(5)安全直後に届け出30日以内に
答え(ア)保安・(イ)開始前・(ウ)に届け出・(エ)遅滞なく = (2)

届出と認可はどう違うのか

意味効果
★届出★★出せばよい★★出した時点で手続は完了
★認可★★行政の同意が要る★★同意がなければ効力が出ない

保安規程は、事業者が自分で決めて自分で守るルールです——だから行政のお墨付きを得る仕組みにはなっていません

中身が不適切なら、大臣は変更を命じることができます(法42条3項)——事前に止めるのではなく、後から直させる形です。

この「まず届け出させて、必要なら後から介入する」という設計は、電気事業法のあちこちに出てきます

なぜ「使用の開始前」なのか

設備を動かし始めてから規程を作ったのでは、保安体制がないまま運転する期間が生まれます

電気事故は、動かした初日にも起こり得ます——だから最初の1秒から体制が要るのです。

主任技術者の選任も同じ考え方で、使用開始前に済ませます——人と規程がそろって、はじめて電気を入れられる

条文の言葉ダミー語違い
保安★★保安★安全★★条文用語は保安で一貫している
届け出★★届け出★認可を受け★★自分で定めて守るルールなので届出
遅滞なく★★遅滞なく★30日以内に★★具体的な日数は定められていない

「遅滞なく」は電気事業法の定番表現

場面期限根拠
★保安規程の変更★★遅滞なく★★法42条2項
★主任技術者の選任・解任★★遅滞なく★★法43条2項
★事故報告★★速報は24時間以内・詳報は30日以内★★報告規則3条

事後の届出はおおむね「遅滞なく」です——具体的な日数が出てくるのは、事故報告のような特別な場面だけ

だから「30日以内」を見たら、まず事故報告を疑いましょう——保安規程や主任技術者の話なら、遅滞なくが正解です。

⏱️ 本番での進め方
「安全」を含む肢はまず疑う——条文用語は保安。
認可か届出かで肢を切る。保安規程は届出。
③ タイミングは使用の開始前——「直後」は動かしてからになるので誤り。
④ 変更は遅滞なく。日数が書いてある肢は落とす。

出題履歴と関連問題

年度問われ方
★平成20年度 問4★★手続の4語(本問)
★平成21年度 問3★★記載事項のほう
★令和5年度下期 問1★★記載事項7項目

記載事項は平成21年度 A問題3で問われています。「何を書くか」と「いつ出すか」をセットにして覚えると、どちらが来ても対応できます。

保安規程は法規で最頻出のテーマです——記載事項7項目と手続4語だけは、必ず暗記しておきましょう

使用開始前に済ませることを並べてみる

いつすること根拠
★使用開始前★★保安規程を定めて届出★★法42条1項
★使用開始前★★主任技術者を選任★★法43条1項
★工事の前★★工事計画の届出(一定規模以上)★★法48条
★使用の前★★使用前自主検査★★法51条

電気を入れる前に、体制と手続がひととおりそろっている必要があります——動かしてから整えるのでは間に合わないからです。

この「開始前」というキーワードは、法規全体を貫いています——迷ったら、動かす前か後かで考えると当たります。

変更命令という後ろ盾がある

届出制だからといって、何を書いても通るわけではありません——大臣は保安規程の変更を命じることができます(法42条3項)

つまり入口は自由にしておいて、問題があれば後から直させる形です——認可にすると手続が重くなりすぎるので、この設計になっています。

「届出だから行政は関与しない」と考えると誤ります——関与のタイミングが後ろにずれているだけです。

認可・許可・登録・届出を強い順に並べる

手続強さ法規での例
★許可★★最も重い★★一般送配電事業・主任技術者の許可選任
★認可★★重い★★託送供給等約款・供給約款
★登録★★中くらい★★小売電気事業・電気工事業(一般用も扱う場合)
★届出★★最も軽い★★保安規程・主任技術者の選任・工事計画

法規の空欄補充では、この4語のどれが入るかが繰り返し問われます——強さの順に並べて覚えておくと迷いません。

保安に関する手続は、ほとんどが届出です——事業者が自ら守る仕組みだからです。

保安規程を守る義務は誰にあるか

法第42条第4項は、設置する者とその従業者に保安規程を守る義務を課しています

作って届け出て終わりではない、ということです——守られてはじめて意味があるから、わざわざ条文にしてあります。

届出(1項)→変更の届出(2項)→変更命令(3項)→遵守義務(4項)——42条は4項でひとつの流れになっています。

工事計画の届出と混同しない

保安規程工事計画
★何を出すか★★保安の体制を書いた規程★★これから行う工事の内容
★いつ★★使用の開始前★★工事の開始前(30日前まで)
★手続★★届出★★届出

どちらも届出ですが、出すタイミングも中身も違います——工事計画は工事の前、保安規程は使用の前です。

工事計画の届出は一定規模以上の設備だけが対象です——需要設備なら受電電圧1万V以上が目安になります。

つまり高圧受電の小さな事業場なら、工事計画の届出は要りません——それでも保安規程と主任技術者は必要です。

どの手続がどこから必要になるか、規模で線引きされている——ここを混ぜないことが法規の得点源になります。

💡 覚え方
保安規程(法42条)=保安を確保するため定め、使用の開始前に経済産業大臣へ届出/変更したときは遅滞なく届出。届出であって認可ではない。主任技術者の選任・解任も遅滞なく届出(法43条2項)。

⚠️ よくある間違い
「認可」としないこと——届出タイミングを「直後」「30日以内」としないこと——使用の開始前/遅滞なく。条文用語は「安全」ではなく保安

まとめ

(ア)保安
(イ)開始前(使用の)
(ウ)に届け出
(エ)遅滞なく
根拠電気事業法 第42条
答え(2)

▼あわせて解きたい関連問題
・保安規程7項目(電気事業法5):【法規】令和5年度下期 A問題1
・保安規程7項目(電気事業法34):【法規】平成21年度 A問題3

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次