電気設備技術基準の解釈38【電験3種 法規】地中電線路で誤りは許容電流表示=(2) 令和2年度 A問題5 完全解説

電験3種 法規科目 電気設備技術基準の解釈 令和2年度 A問題5 管路に表示するのは電圧!許容電流は誤り

今回は令和2年度 法規科目 A問題5地中電線路の施設(電気設備技術基準の解釈第120条)に関する問題です。管路式・暗きょ式・直接埋設式の施設方法から、誤っているものを選びます。

要点は表示項目「物件の名称・管理者名・電圧」。高圧地中電線路を公道の下に管路式で施設する際、おおむね2mの間隔で表示するのはこの3つ。「許容電流」は表示項目ではありません

目次

答えは(2):表示するのは電圧であって許容電流ではない

電気設備技術基準の解釈 第120条(地中電線路の施設)

管路式により施設する場合は、高圧又は特別高圧の地中電線路であって需要場所に施設するものを除き、おおむね2mの間隔で物件の名称、管理者名及び電圧(需要場所に施設する場合にあっては、物件の名称及び管理者名)を表示すること。/暗きょ式による場合は、暗きょは車両その他の重量物の圧力に耐えるものとし、地中電線に耐燃措置を施し、又は暗きょ内に自動消火設備を施設すること。/直接埋設式による場合は、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所においては1.2m以上、その他の場所においては0.6m以上の土冠で施設すること。

★表示するのは3項目——名称・管理者名・電圧です。

平成25年度 A問題7は表示の間隔(2m)、平成22年度 A問題7は暗きょの防火と土冠を扱っています。

この記事は、表示項目そのものを主軸にします

令和2年度 法規科目 A問題5:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和2年度 A問題5 問題文
令和2年度 法規科目 A問題5 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和2年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題5

電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 令和2年度 A問題5

 次の記述は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく地中電線路の施設に関するものである。誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)地中電線路を管路式により施設する際、電線を収める管は、これに加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるものとした。
(2)高圧地中電線路を公道の下に管路式により施設する際、地中電線路の物件の名称、管理者名及び許容電流を2mの間隔で表示した。
(3)地中電線路を暗きょ式により施設する際、暗きょは、車両その他の重量物の圧力に耐えるものとした。
(4)地中電線路を暗きょ式により施設する際、地中電線に耐燃措置を施した。
(5)地中電線路を直接埋設式により施設する際、車両の圧力を受けるおそれがある場所であるため、地中電線の埋設深さを1.5mとし、堅ろうなトラフに収めた。

答え誤りは(2)——「許容電流」ではなく「電圧」 = (2)

★なぜ電圧を表示するのか

表示項目掘削者が知りたいこと
★物件の名称★★何が埋まっているか(電力ケーブルか通信線か)
★管理者名★★誰に連絡すればよいか
★電圧★★どれくらい危険か(低圧か高圧か特別高圧か)

表示は、掘削する他の工事業者に向けたものです——知りたいのは「何が」「誰の」「どれだけ危険か」

許容電流は設備の設計値であって、危険度を示しません——掘削者には意味のない情報です。

表示の目的から考えれば、答えが決まります

★需要場所では電圧の表示が不要

条文の言葉ダミー語違い
公道等に施設するもの★★公道等に施設するもの★需要場所に施設するもの★★他人が掘る/自分の敷地内
名称・管理者名・電圧★★名称・管理者名・電圧★名称・管理者名★★需要場所では電圧が省ける

自分の敷地内なら、図面で電圧を管理できます——だから表示を省けるのです。

公道の下は、知らない業者が掘る可能性があります——だから電圧まで表示するのです。

設問(2)は「公道の下に」とあるので、電圧の表示が必要です。

★埋設深さ1.2mと0.6m

場所土冠
★車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所★★1.2m以上
★その他の場所★★0.6m以上

設問(5)は1.5m——1.2m以上を満たすので正しいです。

基準を上回っていれば適切——「ちょうど」である必要はありません

堅ろうなトラフに収めている点も条文どおりです。

★3方式それぞれの「圧力に耐える」

方式何が圧力を受け止めるか
★管路式★★管(車両等の重量物の圧力に耐えるもの)
★暗きょ式★★暗きょ(同上)
★直接埋設式★★土(土冠1.2m/0.6m)+トラフ等

設問(1)(3)はどちらも「圧力に耐えるもの」——条文どおりで正しいです。

直接埋設式だけが土そのものに頼っています——だから深さの規定が要るのです。

暗きょ式の耐燃措置

設問(4)は「地中電線に耐燃措置を施した」——条文どおりで正しいです。

条文は「耐燃措置を施し、又は暗きょ内に自動消火設備」——どちらか一方でよいのです。

暗きょは人が入れる密閉空間——火災になれば煙と熱が逃げません

表示の実物

形式内容
★埋設標識シート★★ケーブルの上に敷く。掘削時に先に現れる
★埋設標★★地上に立てる標識
★管への直接表示★★管路の表面に印字する

「おおむね2mの間隔」でこれらを設けます——どこを掘っても目に入る間隔です。

10m間隔では、掘る場所によっては見落とします——これが平成25年度で問われた論点です。

掘削事故の実際

地中ケーブルの損傷事故は、他工事の掘削によるものが大半です——バックホウの爪が当たれば一発

作業者が感電し、周辺が停電します——被害は電気だけにとどまりません

だから表示が細かく定められている——条文の背景には実際の事故があります

120条の全体像

項目内容
★電線★★ケーブルを使用する
★方式★★管路式・暗きょ式・直接埋設式
★表示★★管路式はおおむね2m間隔で名称・管理者名・電圧
★防火★★暗きょ式は耐燃措置又は自動消火設備
★深さ★★直接埋設式は1.2m/0.6m以上

120条はこの5点で構成されています——4年度分の出題を通じて、ほぼ全部が問われました

1条文を多角的に問う——だから条文全体を押さえる必要があります

地中電線相互の離隔(125条)

組合せ離隔距離
★低圧地中電線と高圧地中電線★★0.15m以上
★低圧又は高圧と特別高圧★★0.3m以上
★地中弱電流電線等(低高圧)★★0.3m以上
★ガス管等★★1m以上

120条は施設方式、125条は離隔——2つをセットで押さえます

耐火性の隔壁を設ければ離隔は不要——「距離か仕切りか」の選択です。

地中箱(マンホール・ハンドホール)

要件内容
★構造★★車両その他の重量物の圧力に耐える構造
★排水★★水が滞留しないよう排水設備を設ける
★ふた★★取扱者以外の者が容易に開けられないこと
★換気★★爆発性ガスが滞留するおそれがある場所には換気装置

地中電線路で唯一、人が中を見られる場所です——だからこそ点検の要になります。

ふたを勝手に開けられない構造が求められます——第三者の転落や感電を防ぐためです。

地中化の利点と課題

内容
★利点★★景観・台風や雪に強い・道路の安全性
★欠点★★建設費が高い・事故点を探しにくい・復旧に時間

無電柱化の流れで、地中電線路は増えています——災害に強いからです。

そのぶん、施設基準の重要性も増している——120条が4年度にわたって出題される理由です。

⏱️ 本番での進め方
① 表示項目は物件の名称・管理者名・電圧——「許容電流」ではない。
② 表示の間隔はおおむね2m
③ 需要場所では電圧の表示を省ける
④ 直接埋設式は1.2m/0.6m以上——1.5mは基準を満たす。

💡 覚え方
解釈120条=地中電線路はケーブルを使用し、管路式・暗きょ式・直接埋設式のいずれかで施設。管路式(需要場所を除く高圧・特別高圧)はおおむね2m間隔で物件の名称・管理者名・電圧を表示(需要場所では名称と管理者名のみ)。暗きょ式は耐燃措置又は自動消火設備。直接埋設式は重量物の圧力を受ける場所1.2m以上・その他0.6m以上。

⚠️ よくある間違い
表示項目は「許容電流」ではなく電圧——掘削者が知りたいのは危険度。需要場所では電圧の表示を省ける。

まとめ

(1)管路式の管重量物圧力に耐える → 正しい
(2)表示許容電流は誤り(正は電圧)
(3)暗きょ重量物圧力に耐える → 正しい
(4)暗きょ式耐燃措置 → 正しい
(5)直接埋設1.5m(≧1.2m)+トラフ → 正しい/答え(2)

▼あわせて解きたい関連問題
・低高圧架空電線の併架(電気設備技術基準の解釈25):【法規】令和4年度下期 A問題5
・分散型電源の連系施設要件(電気設備技術基準の解釈37):【法規】令和3年度 A問題9

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