電気設備技術基準の解釈39【電験3種 法規】低圧屋内配線の工事種類は金属線ぴ・金属ダクト・バスダクト=(1) 令和2年度 A問題6 完全解説

電験3種 法規科目 電気設備技術基準の解釈 令和2年度 A問題6 300V以下だけの工事はどれ?金属線ぴが該当

今回は令和2年度 法規科目 A問題6低圧屋内配線の施設場所による工事の種類(電気設備技術基準の解釈第156条)に関する空欄補充問題です。工事の種類の表の空欄(工事名)を、施設場所と使用電圧の条件から判別します。

ポイントは「金属線ぴ工事は使用電圧300V以下に限られる」こと。表の(ア)は300V超過で使えないので金属線ぴ。残る(イ)(ウ)は300V超でも使える金属ダクト・バスダクトで、表の並び順から(イ)金属ダクト・(ウ)バスダクトです。

目次

令和2年度 法規科目 A問題6:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和2年度 A問題6 問題文
令和2年度 法規科目 A問題6 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和2年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題6

電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 令和2年度 A問題6

 次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧屋内配線の施設場所による工事の種類に関する記述である。表の空白箇所(ア)〜(ウ)(工事の種類)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧屋内配線の施設場所による工事の種類に関する記述である。低圧屋内配線は、次の表に規定する工事のいずれかにより施設すること(ショウウィンドー又はショウケース内、粉じんの多い場所、可燃性ガス等の存在する場所、危険物等の存在する場所及び火薬庫内を除く。)。

【工事の種類(表の列の並び)】がいし引き工事/合成樹脂管工事/金属管工事/金属可とう電線管工事/(ア)工事(イ)工事(ウ)工事/ケーブル工事/フロアダクト工事/セルラダクト工事/ライティングダクト工事/平形保護層工事

(表では、展開した場所・乾燥した場所で使用電圧300V以下なら(ア)(イ)(ウ)とも使用可だが、300V超過では(ア)が使用不可、(イ)(ウ)は使用可、という違いがある。)

(ア)(イ)(ウ)
(1)金属線ぴ金属ダクトバスダクト
(2)金属線ぴバスダクト金属ダクト
(3)金属ダクト金属線ぴバスダクト
(4)金属ダクトバスダクト金属線ぴ
(5)バスダクト金属線ぴ金属ダクト
答え(ア)金属線ぴ・(イ)金属ダクト・(ウ)バスダクト = (1)

答えは(1):金属線ぴ・金属ダクト・バスダクト

電気設備技術基準の解釈 第156条(低圧屋内配線の施設場所による工事の種類)

低圧屋内配線は、次の表に規定する工事のいずれかにより施設すること(ショウウィンドー又はショウケース内、粉じんの多い場所、可燃性ガス等の存在する場所、危険物等の存在する場所及び火薬庫内を除く。)。/工事の種類は、がいし引き工事、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、金属線ぴ工事、金属ダクト工事、バスダクト工事、ケーブル工事、フロアダクト工事、セルラダクト工事、ライティングダクト工事、平形保護層工事の12種類。

★金属線ぴ工事だけが使用電圧300V以下に限られます。

12種類の工事を、施設場所と使用電圧で振り分けた表です——低圧屋内配線の全体像を示しています。

★300V超で使えない工事

工事使用電圧300V超
★金属線ぴ工事★★使用不可
★ライティングダクト工事★★使用不可
★平形保護層工事★★使用不可
★フロアダクト・セルラダクト工事★★使用不可
★金属ダクト・バスダクト工事★★使用可

設問の(ア)は300V超で使えない列です——選択肢のうち金属線ぴが該当します。

金属ダクト・バスダクトは300V超でも使えます——だから(イ)(ウ)です。

あとは表の並び順で(イ)金属ダクト・(ウ)バスダクトと決まります

★金属線ぴ工事とは

項目内容
★構造★★幅5cm以下の金属製のとい(1種・2種)
★使用電圧★★300V以下
★施設場所★★乾燥した展開した場所・点検できる乾燥した隠ぺい場所
★接地★★D種接地工事(対地電圧150V以下で長さ4m以下等は省略可)

「線ぴ(せんぴ)」は金属製の細い樋のことです——壁面に露出して配線を通します

後から配線を追加するときによく使われます——モールと呼ばれることもあります

★施設場所の3区分

区分意味
★展開した場所★★電線が外から見える場所
★点検できる隠蔽場所★★天井裏など、点検口から入れる場所
★点検できない隠蔽場所★★壁の中・コンクリート内など

さらに「乾燥した場所」と「湿気の多い場所・水気のある場所」で分かれます——3×2の6区分です。

156条の表は、この6区分×使用電圧2区分で工事を振り分けます

★どこでも使える「万能3工事」

工事施設できる場所
★ケーブル工事★★すべての場所
★合成樹脂管工事★★すべての場所
★金属管工事★★すべての場所

この3つは場所も電圧も選びません——迷ったらこの3つ、と覚えられます

金属可とう電線管工事(2種)も同様に広く使えます——合わせて4つです。

除かれる特殊な場所

場所適用される条文
★ショウウィンドー・ショウケース内★★解釈172条
★粉じんの多い場所★★解釈175条
★可燃性ガス等の存在する場所★★解釈176条
★危険物等の存在する場所★★解釈177条
★火薬庫内★★解釈178条

これらは156条の表ではなく、専用の条文が適用されます——危険度が特別に高い場所だからです。

括弧書きの除外を読むと、条文の適用範囲がわかります

ダクト系の工事を整理する

工事用途300V超
★金属ダクト★★多数の電線をまとめて収める★★可
★バスダクト★★大電流を導体板で送る★★可
★ライティングダクト★★照明器具を任意の位置に接続★★不可
★フロアダクト・セルラダクト★★床下から電源を取り出す★★不可

大容量を扱う金属ダクト・バスダクトだけが300V超に対応します——用途と使用電圧が対応しているのです。

照明用・床下用は小電力なので300V以下です。

平形保護層工事

床面に平たいケーブルを敷き、保護層で覆う工事です——タイルカーペットの下などに使います

使用電圧は300V以下、点検できる隠ぺい場所に限られます——床の上なので条件が厳しいのです。

12種類の中では最も特殊な工事です。

工事を選ぶ手順

①場所を確認——展開/点検できる隠蔽/点検できない隠蔽、乾燥/湿気・水気

②使用電圧を確認——300V以下か、300V超か

③表で使える工事を絞る——この3ステップで決まります

がいし引き工事の要件(低圧)

項目基準(300V以下)
★電線★★絶縁電線(OW・DVを除く)
★造営材との離隔★★0.025m以上
★電線相互の間隔★★0.06m以上
★支持点間★★造営材の上面・側面に沿う場合2m以下

がいし引きは充電部が露出するので、離隔が細かく決まっています——0.025mと0.06m

300V超になると、離隔がさらに大きくなります——電圧で基準が変わるのです。

フロアダクト・セルラダクト工事

工事内容
★フロアダクト工事★★コンクリート床内に埋め込んだダクトに配線する
★セルラダクト工事★★デッキプレートの溝を配線路として使う
★共通の要件★★使用電圧300V以下・点検できる隠ぺい場所・D種接地

オフィスの床下配線に使われます——机の位置に合わせて電源を取り出せるのです。

床の中なので、点検できる隠ぺい場所に限られます

ショウウィンドー内の配線(172条)

項目基準
★使用電圧★★300V以下
★電線★★断面積0.75mm²以上のコード又はキャブタイヤケーブル
★支持点間★★1m以下
★施設場所★★乾燥した場所に限る

ショウウィンドーは156条の表から除かれています——専用の172条が適用されるのです。

展示のために配線を頻繁に変えるので、コードの使用が認められています

⏱️ 本番での進め方
金属線ぴ工事は300V以下に限られる。
金属ダクト・バスダクトは300V超でも使える
ケーブル・合成樹脂管・金属管は場所も電圧も選ばない。
④ 特殊な場所(粉じん・可燃性ガス等)は156条の対象外

💡 覚え方
解釈156条=低圧屋内配線の工事は12種類(がいし引き・合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・金属線ぴ・金属ダクト・バスダクト・ケーブル・フロアダクト・セルラダクト・ライティングダクト・平形保護層)。使用電圧300V超で使えるのは、がいし引き・合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・金属ダクト・バスダクト・ケーブルの7種類。金属線ぴ・ライティングダクト・フロアダクト・セルラダクト・平形保護層は300V以下に限られる。

⚠️ よくある間違い
金属線ぴは300V超では使えない——だから(ア)が金属線ぴ。金属ダクト・バスダクトは300V超でも使えるので(イ)(ウ)。

まとめ

(ア)金属線ぴ(300V以下限定)
(イ)金属ダクト(300V超も可)
(ウ)バスダクト(300V超も可)
金属線ぴの制限乾燥した展開/点検できる乾燥隠ぺい・300V以下
表の並び金属線ぴ→金属ダクト→バスダクト
答え(1)

▼あわせて解きたい関連問題
・ライティングダクト工事(電気設備技術基準の解釈20):【法規】令和5年度下期 A問題9
・地中電線路の施設(電気設備技術基準の解釈38):【法規】令和2年度 A問題5

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