電気設備技術基準の解釈25【電験3種 法規】低高圧併架は低圧を下・別個の腕金類・0.5m(ケーブル0.3m)=(4) 令和4年度下期 A問題5 完全解説

電験3種 法規科目 電気設備技術基準の解釈 令和4年度下期 A問題5 低圧は下・離隔0.5m!併架のルールを確認

今回は令和4年度下期 法規科目 A問題5低高圧架空電線等の併架(電気設備技術基準の解釈第80条)に関する空欄補充問題です。低圧と高圧の架空電線を同一支持物に施設する(併架する)ときの位置関係・離隔距離が問われます。

覚える骨格は「低圧は下・別個の腕金類・離隔0.5m(高圧ケーブルなら0.3m)」。危険な高圧を上に、低圧を下に配置し、それぞれ別の腕金に載せ、一定の離隔を確保するのが原則です。

目次

令和4年度下期 法規科目 A問題5:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和4年度下期 A問題5 問題文
令和4年度下期 法規科目 A問題5 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題5

電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 令和4年度下期 A問題5

 次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく低高圧架空電線等の併架に関する記述の一部である。上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく低高圧架空電線等の併架に関する記述の一部である。低圧架空電線と高圧架空電線とを同一支持物に施設する場合は、次のいずれかによること。

a)次により施設すること。①低圧架空電線を高圧架空電線の(ア)に施設すること。②低圧架空電線と高圧架空電線は、別個の(イ)に施設すること。③低圧架空電線と高圧架空電線との離隔距離は、(ウ)m以上であること。ただし、かど柱、分岐柱等で混触のおそれがないように施設する場合は、この限りでない。

b)高圧架空電線にケーブルを使用するとともに、高圧架空電線と低圧架空電線との離隔距離を(エ)m以上とすること。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)支持物0.50.5
(2)支持物0.50.3
(3)支持物0.50.5
(4)腕金類0.50.3
(5)腕金類0.30.5
答え(ア)下・(イ)腕金類・(ウ)0.5・(エ)0.3 = (4)

答えは(4):下・腕金類・0.5m・0.3m

電気設備技術基準の解釈 第80条(低高圧架空電線等の併架)

低圧架空電線と高圧架空電線とを同一支持物に施設する場合は、次のいずれかによること。/a ①低圧架空電線を高圧架空電線のに施設すること。②低圧架空電線と高圧架空電線は、別個の腕金類に施設すること。③低圧架空電線と高圧架空電線との離隔距離は、0.5m以上であること。ただし、かど柱、分岐柱等で混触のおそれがないように施設する場合は、この限りでない。/b 高圧架空電線にケーブルを使用するとともに、高圧架空電線と低圧架空電線との離隔距離を0.3m以上とすること。

「低圧は下・別個の腕金類・0.5m/ケーブルなら0.3m」の4点。

電柱を見上げると、高いところに高圧、低いところに低圧が張られています——この条文が形になった景色です。

★なぜ低圧を下にするのか

高圧線が切れて落ちたとき、下に低圧線があれば受け止められます——地面まで届くより、はるかにましです。

逆に低圧を上にすると、高圧線が切れたとき地面に落ちます——通行人が触れる危険が生じるのです。

作業の面でも、低圧の工事で高圧に近づかずに済みます——2つの理由で「低圧は下」なのです。

★「腕金類」と「支持物」の違い

条文の言葉ダミー語違い
別個の腕金類★★別個の腕金類★別個の支持物★★同じ柱でよいが、腕金は分ける
腕金=電線を載せる横木★★腕金=電線を載せる横木★支持物=柱そのもの★★併架は同一支持物が前提

そもそも併架とは「同一支持物に施設すること」です——別の支持物にしたら併架ではありません

だから(イ)に「支持物」を入れると、条文の前提と矛盾します——意味を考えれば消せる選択肢です。

腕金を分ければ、片方の作業が他方に影響しません

★0.5mと0.3mの使い分け

高圧側の電線離隔距離理由
★裸電線・高圧絶縁電線★★0.5m以上★★表面に電位が現れる
★ケーブル★★0.3m以上★★遮へい層が接地され、外は大地電位

ケーブルなら安全なので、距離を縮めてよい——絶縁の強さが距離に置き換わるという考え方です。

この「ケーブルなら緩和」は解釈の全域で使われます——離隔距離の問題を解く鍵です。

★かど柱・分岐柱の例外

かど柱は電線路が曲がる柱、分岐柱は枝分かれする柱です——電線の向きが変わるので、離隔を保ちにくいのです。

そこで「混触のおそれがないように施設する場合」は離隔距離の規定から外れます

距離が取れないなら、別の方法で混触を防げばよい——技術基準らしい柔軟さです。

併架と共架の違い

条文の言葉ダミー語違い
併架★★併架★共架★★電力線どうし/電力線と弱電流電線
解釈80条★★解釈80条★解釈81条★★条文も別

共架は、電力線と通信線を同じ柱に載せることです——電話線やケーブルテレビの線がこれ

共架では、低圧と弱電流電線の離隔は0.75m以上——高圧なら1.5m以上です。

「併架=仲間どうし、共架=異種どうし」と覚えます

電柱の上から下への並び

位置設備
★最上部★★架空地線(あれば)
★上部★★高圧配電線(6.6kV)
★中部★★柱上変圧器
★下部★★低圧配電線(100/200V)
★最下部★★通信線(共架)

危険なものほど上——これが電柱の設計思想です。

通信線がいちばん下なのは、作業者が最も頻繁に触るからです。

柱上変圧器が間に入る意味

高圧6 600Vを低圧100/200Vに落とすのが柱上変圧器です——だから高圧と低圧の間に置かれます

この変圧器の低圧側中性点にはB種接地工事を施します——混触時に低圧側の電位が上がらないようにするためです。

併架の条文と接地の条文は、同じ危険に別の側から備えています

混触とは何か

混触は、高圧の電線と低圧の電線が触れ合うことです——低圧側に6 600Vが侵入します

家庭の配線に高圧が入れば、火災と感電が同時に起きます——最も避けたい事故です。

0.5mという離隔は、風で揺れても触れない距離——数字に意味がありますです。

特別高圧との併架は認められるか

組合せ可否
★低圧と高圧★★条件を満たせば可(80条)
★低高圧と特別高圧(35kV以下)★★厳しい条件付きで可(104条)
★低高圧と特別高圧(35kV超)★★原則不可

電圧差が大きいほど、同じ柱に載せるのは危険です——35kVが一つの境目になります。

35 000Vという数字は、アークの離隔(23条)でも出てきました——解釈でよく使われる区切りです。

共架のときの離隔距離

組合せ離隔距離
★低圧架空電線と架空弱電流電線★★0.75m以上
★高圧架空電線と架空弱電流電線★★1.5m以上
★低圧にケーブルを使用★★0.3m以上
★高圧にケーブルを使用★★0.5m以上

電力線が上、弱電流電線が下——併架と同じで、危険なものが上です。

ここでもケーブルなら緩和される——解釈を貫く共通の考え方です。

腕金と支持金具

部材役割
★腕金(うでがね)★★がいしを取り付けて電線を支える横木
★アームタイ★★腕金を斜めから支えて曲がりを防ぐ
★がいし★★電線と腕金を電気的に絶縁する
★バインド線★★電線をがいしに縛り付ける

条文の「腕金類」は、腕金と同等の部材をまとめた言い方です——ラック(低圧用の支持金具)なども含みます

実物を知っていると、条文の言葉がすっと入ります

柱上変圧器の接地

接地対象目的
★A種★★変圧器の外箱・高圧側の避雷器★★高圧機器の感電防止
★B種★★低圧側の中性点(又は1端子)★★混触時の低圧側電位上昇の抑制

併架された高圧と低圧が触れ合ったとき、B種接地が低圧側の電位上昇を抑えます

離隔で「触れないようにする」、接地で「触れたときに備える」——二重の守りです。

⏱️ 本番での進め方
① 低圧は——切れて落ちたときを考える。
別個の腕金類——「支持物」だと併架の前提と矛盾する。
③ 離隔は0.5m——ケーブルなら0.3m
④ かど柱・分岐柱は混触のおそれがなければ例外

💡 覚え方
解釈80条 併架=①低圧架空電線を高圧架空電線の下に施設 ②別個の腕金類に施設 ③離隔距離0.5m以上(かど柱・分岐柱等で混触のおそれがない場合を除く)。または高圧にケーブルを使用して離隔0.3m以上。

⚠️ よくある間違い
(ア)は「上」ではなく下(イ)は「支持物」ではなく腕金類——併架は同一支持物が前提。0.5mと0.3mを逆にしない——ケーブルのほうが短い。

まとめ

(ア)低圧の位置高圧の下
(イ)取付別個の腕金類
(ウ)離隔(原則)0.5m以上
(エ)高圧ケーブル使用0.3m以上
例外かど柱・分岐柱で混触なし
答え(4)

▼あわせて解きたい関連問題
・低圧・高圧配線の施設(電気設備技術基準の解釈8):【法規】令和7年度上期 A問題8
・屋内電路の対地電圧の制限(電気設備技術基準の解釈24):【法規】令和5年度上期 A問題9

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