今回は平成25年度 法規科目 A問題7、地中電線路の施設(電気設備技術基準の解釈第120条)に関する問題です。管路式・暗きょ式・直接埋設式の工事例から、不適切なものを選びます。
ポイントは「高圧・特別高圧の管路式の埋設表示は、物件の名称・管理者名・電圧をおおむね2mの間隔で表示」。この2mという間隔がよく数値を変えて出題されます。
平成25年度 法規科目 A問題7:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成25年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題7
電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 平成25年度 A問題7
次の文章は、地中電線路の施設に関する工事例である。「電気設備技術基準の解釈」に基づき、不適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(1)電線にケーブルを使用し、かつ、暗きょ式により地中電線路を施設した。
(2)地中電線路を管路式により施設し、電線を収める管には、これに加わる車両その他の重量物の圧力に耐える管を使用した。
(3)地中電線路を暗きょ式により施設し、地中電線に耐燃措置を施した。
(4)地中電線路を直接埋設式により施設し、衝撃から防護するため、地中電線を堅ろうなトラフ内に収めた。
(5)高圧地中電線路を公道の下に管路式により埋設し、埋設表示は、物件の名称、管理者名及び電圧を、10mの間隔で表示した。

答えは(5):埋設表示は10m間隔ではなく約2m間隔
設問(5)は表示項目は正しく、間隔だけを10mに変えています——いちばん引っかかりやすい作り方です。
★3つの施設方式
| 方式 | 内容 | 主な条件 |
| ★管路式 | ★★管を埋め、その中にケーブルを通す | ★★重量物の圧力に耐える管・約2m間隔で表示 |
| ★暗きょ式 | ★★人が入れる構造物の中に敷設する | ★★耐燃措置又は自動消火設備 |
| ★直接埋設式 | ★★土中に直接埋める | ★★トラフ等で防護・埋設深さ |
どの方式でも共通なのは「電線はケーブル」——地中で絶縁電線を使うことは認められません。
方式ごとに固有の条件がつく——表で整理して覚えるのが近道です。
★直接埋設式の埋設深さ
| 場所 | 埋設深さ |
| ★車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所 | ★★1.2m以上 |
| ★その他の場所 | ★★0.6m以上 |
1.2mと0.6mはそのまま出題されます——「重量物の圧力を受けるか」で切り替わります。
加えて、堅ろうなトラフその他の防護物に収めるのが原則——設問(4)はこれに当たるので適切です。
★なぜ2m間隔でこまめに表示するのか
地中は目に見えません——他の工事業者が掘削するときの唯一の手がかりが表示です。
10m間隔だと、掘る場所によっては表示に当たりません——そのままケーブルを傷つけてしまうのです。
だからおおむね2m——ほぼ確実に目に入る間隔にしています。
★需要場所は表示が要らない理由
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 公道等に施設するもの | ★★公道等に施設するもの | ★需要場所に施設するもの | ★★他人が掘る/自分の敷地内 |
条文は「需要場所に施設するものを除き」と限定しています——自分の敷地内なら図面で管理できるからです。
表示は、知らない人に知らせるための仕組み——目的から考えれば除外の理由がわかります。
暗きょ式に耐燃措置が要る理由
暗きょには大量のケーブルが束ねられます——被覆は可燃物です。
1本が燃えれば次々に燃え移り、密閉空間で煙と熱がこもります——消火も困難です。
だから耐燃措置か自動消火設備のいずれかが必須——設問(3)はこれに当たるので適切です。
管路式に使う管の条件
「車両その他の重量物の圧力に耐えるもの」であることが要件です——設問(2)はそのままなので適切。
ヒューム管・鋼管・波付硬質合成樹脂管(FEP)などが使われます。
管路式ならケーブルの引き替えができる——直接埋設式にはない大きな利点です。
3方式の得失
| 建設費 | 保守性 | 条数 | |
| ★管路式 | ★★中 | ★★引き替え可 | ★★中 |
| ★暗きょ式 | ★★高 | ★★点検・増設が容易 | ★★多い |
| ★直接埋設式 | ★★安 | ★★掘り返しが必要 | ★★少ない |
都市部の幹線は暗きょ式(洞道)——本数が多く、増設の見込みがあるからです。
需要が少ない区間は直接埋設式——費用で選ばれます。
省令と解釈の役割分担
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 電技47条=枠組み | ★★電技47条=枠組み | ★解釈120条=具体的な数値 | ★★省令は目的、解釈は手段 |
| 「重量物の圧力に耐え」 | ★★「重量物の圧力に耐え」 | ★1.2m以上・2m間隔 | ★★数字は解釈にある |
平成30年度 A問題3などが電技47条そのものを扱っています。本記事は解釈120条の具体的な数値に絞りました。
省令が「何を守るか」、解釈が「どうやって守るか」——この関係は法規科目全体の骨格です。
地中電線と他の埋設物の離隔
| 相手 | 離隔距離 |
| ★低圧・高圧の地中電線どうし | ★★0.15m以上 |
| ★特別高圧の地中電線と低高圧の地中電線 | ★★0.3m以上 |
| ★地中弱電流電線等 | ★★低高圧0.3m以上・特別高圧0.6m以上 |
| ★ガス管等 | ★★1m以上(可燃性・有毒ガス) |
解釈125条の数値で、B問題でも問われます——0.15/0.3/0.6/1という並びで覚えます。
地中箱(マンホール・ハンドホール)の施設
| 要件 | 内容 |
| ★構造 | ★★車両その他の重量物の圧力に耐える構造 |
| ★水の浸入 | ★★水が滞留しないよう排水設備を設ける |
| ★ふた | ★★取扱者以外の者が容易に開けられないこと |
| ★爆発性ガス | ★★滞留するおそれがある場所には換気装置 |
地中箱は、ケーブルの接続や引き入れのために設けます——地中電線路で唯一、人が中を見られる場所です。
だからこそ、ふたを勝手に開けられない構造が求められます。
地中電線路の事故点の探し方
| 方法 | 原理 |
| ★マーレーループ法 | ★★ブリッジの平衡条件から事故点までの距離を求める |
| ★パルスレーダ法 | ★★パルスを送り、反射が戻る時間から距離を出す |
| ★音響法 | ★★放電音を地上から聴いて位置を絞る |
地中は目視できないので、測定で場所を特定します——掘る場所を間違えると費用も時間も大きく損なうからです。
マーレーループ法は理論科目のブリッジ回路そのもの——科目をまたいでつながる知識です。
地中化が進む理由と課題
| 内容 | |
| ★利点 | ★★景観・台風や雪に強い・道路の安全性 |
| ★欠点 | ★★建設費が高い・事故点を探しにくい・復旧に時間 |
事故は起きにくいが、起きると復旧に時間がかかります——だから事故を起こさない施設方法が重要なのです。
解釈120条が細かく条件を並べているのは、そのためです。
⏱️ 本番での進め方
① 埋設表示はおおむね2m間隔——10mは誤り。
② 表示項目は物件の名称・管理者名・電圧の3つ。
③ 暗きょ式=耐燃措置又は自動消火設備。
④ 直接埋設式=重量物1.2m以上/その他0.6m以上。
💡 覚え方
解釈120条=地中電線路はケーブルを使用し、管路式・暗きょ式・直接埋設式のいずれかで施設。管路式(需要場所を除く高圧・特別高圧)はおおむね2m間隔で物件の名称・管理者名・電圧を表示。暗きょ式は耐燃措置又は自動消火設備。直接埋設式は重量物の圧力を受ける場所1.2m以上・その他0.6m以上でトラフ等に収める。
⚠️ よくある間違い
埋設表示は「10m」ではなくおおむね2m間隔。表示項目(名称・管理者名・電圧)は正しくても間隔だけを変える引っかけが定番。埋設深さ1.2m/0.6mも混同しない。
まとめ
| (1)ケーブル暗きょ式 | 適切 |
| (2)管路式の管 | 重量物圧力に耐える→適切 |
| (3)暗きょ式 | 耐燃措置→適切 |
| (4)直接埋設式 | 堅ろうなトラフ→適切 |
| (5)埋設表示 | 10m間隔→約2mが正で不適切 |
| 答え | (5) |
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