電気設備技術基準の解釈74【電験3種 法規】過電流遮断器は短絡・開閉表示・包装1.3倍120分・非包装1.25倍=(3) 平成25年度 A問題6 完全解説

電験3種 法規科目 電気設備技術基準の解釈 平成25年度 A問題6 包装と非包装で数字が違う!1.3倍と1.25倍

今回は平成25年度 法規科目 A問題6高圧又は特別高圧の電路に施設する過電流遮断器(電気設備技術基準の解釈第34条)に関する空欄補充問題です。遮断能力・開閉表示と、ヒューズの溶断特性の数値が問われます。

覚える数値は「包装ヒューズ=定格1.3倍に耐え・2倍で120分以内に溶断」「非包装ヒューズ=定格1.25倍に耐え・2倍で2分以内に溶断」。包装と非包装で数値が違う点がカギです。

目次

平成25年度 法規科目 A問題6:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成25年度 A問題6 問題文
平成25年度 法規科目 A問題6 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成25年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題6

電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 平成25年度 A問題6

 次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく、高圧又は特別高圧の電路に施設する過電流遮断器に関する記述の一部である。上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

a.電路に(ア)を生じたときに作動するものにあっては、これを施設する箇所を通過する(ア)電流を遮断する能力を有すること。

b.その作動に伴いその(イ)状態を表示する装置を有すること。ただし、その(イ)状態を容易に確認できるものは、この限りでない。

c.過電流遮断器として高圧電路に施設する包装ヒューズ(ヒューズ以外の過電流遮断器と組み合わせて1の過電流遮断器として使用するものを除く。)は、定格電流の(ウ)倍の電流に耐え、かつ、2倍の電流で(エ)分以内に溶断するものであること。

d.過電流遮断器として高圧電路に施設する非包装ヒューズは、定格電流の(オ)倍の電流に耐え、かつ、2倍の電流で2分以内に溶断するものであること。

(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)
(1)短絡異常1.5901.5
(2)過負荷開閉1.31501.5
(3)短絡開閉1.31201.25
(4)過負荷異常1.51501.25
(5)過負荷開閉1.31201.5
答え(ア)短絡・(イ)開閉・(ウ)1.3・(エ)120・(オ)1.25 = (3)

答えは(3):短絡・開閉・1.3倍・120分・1.25倍

電気設備技術基準の解釈 第34条(高圧又は特別高圧の電路に施設する過電流遮断器の性能等)

a 電路に短絡を生じたときに作動するものにあっては、これを施設する箇所を通過する短絡電流を遮断する能力を有すること。/b その作動に伴いその開閉状態を表示する装置を有すること。ただし、その開閉状態を容易に確認できるものは、この限りでない。/c 高圧電路に施設する包装ヒューズは、定格電流の1.3倍の電流に耐え、かつ、2倍の電流で120分以内に溶断するものであること。/d 高圧電路に施設する非包装ヒューズは、定格電流の1.25倍の電流に耐え、かつ、2倍の電流で2分以内に溶断するものであること。

包装1.3倍120分/非包装1.25倍2分——2組の数値が核心です。

平成21年度 A問題5は低圧の配線用遮断器(33条)を扱っています。本記事は高圧側(34条)が主題です。

★包装と非包装で数値が違う理由

包装ヒューズ非包装ヒューズ
★構造★★筒(管)に収められている★★エレメントがむき出し
★放熱★★悪い★★よい
★耐える倍率★★1.3倍★★1.25倍
★2倍での溶断★★120分以内★★2分以内

包装は熱がこもるので、溶断しないぎりぎりの電流が高くなります——だから1.3倍です。

一方で、溶断までの時間は長くかかる——120分と2分で60倍も違うのです。

構造の違いが、そのまま数値の違いになっています

★低圧の数値と並べて覚える

種別耐える倍率2倍での動作・溶断
★低圧 配線用遮断器(30A以下)★★1倍で動作しない★★2分以内
★低圧 ヒューズ(30A以下)★★1.1倍で溶断しない★★2分以内
★高圧 包装ヒューズ★★1.3倍に耐える★★120分以内
★高圧 非包装ヒューズ★★1.25倍に耐える★★2分以内

4つの系統があり、それぞれ数値が違います——混同を狙った選択肢が作られる場所です。

「2倍で2分」は3つで共通——例外は包装ヒューズの120分だけです。

★開閉状態の表示が求められる理由

高圧の遮断器は、外から見て開いているか閉じているかわからないことがあります

閉じていると思って作業すれば、感電します——逆に開いていると思って通電すれば、事故です。

だから開閉状態を表示する装置が必要——「容易に確認できるもの」は除かれます

★「短絡」であって「過負荷」ではない

条文の言葉ダミー語違い
短絡電流を遮断する能力★★短絡電流を遮断する能力★過負荷電流を遮断する能力★★遮断能力が問われるのは短絡
遮断容量(定格遮断電流)★★遮断容量(定格遮断電流)★定格電流★★切れる最大の電流/流せる電流

過負荷電流は定格の数倍程度——遮断そのものは難しくありません

短絡電流は数千〜数万A——これを安全に切れるかが機器の能力です。

だから条文は「短絡」と書きます

高圧限流ヒューズ(PF)

特徴内容
★限流効果★★短絡電流が波高値に達する前に切る
★遮断時間★★半サイクル以内
★用途★★LBS(高圧交流負荷開閉器)と組み合わせて使う
★注意点★★1相のみ溶断すると欠相運転になる

高圧受電設備では、PF・S形(限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器)が広く使われます

遮断器より安価で、限流効果が高い——小規模な需要家に適しています

遮断器とヒューズの使い分け

条文の言葉ダミー語違い
遮断器(CB)★★遮断器(CB)★ヒューズ(PF)★★再投入できる/溶断したら交換
保護継電器と組み合わせる★★保護継電器と組み合わせる★単体で動作する★★整定の自由度が違う
受電容量が大きい設備★★受電容量が大きい設備★受電容量が小さい設備★★コストと保護性能の兼ね合い

受電設備の主遮断装置は、CB形とPF・S形に大別されます——おおむね300kVAが選択の目安です。

施設管理の分野でも問われるテーマです。

遮断容量の考え方

$$I_s = \dfrac{100}{\%Z} I_n$$
短絡電流(%インピーダンス法)
%Zが小さいほど短絡電流は大きくなる
$$P_s = \sqrt{3} V I_s$$
短絡容量
遮断器はこれを上回る遮断容量を持つ必要がある

受電点に近いほど%Zが小さく、短絡電流は大きくなります——だから上位ほど大きな遮断容量が要るのです。

電力科目の短絡計算とそのままつながります

34条が定める他の事項

事項内容
★施設箇所★★高圧・特別高圧の電路の必要な箇所
★遮断能力★★通過する短絡電流を遮断できること
★開閉表示★★作動に伴い開閉状態を表示する装置
★ヒューズの特性★★包装1.3倍120分/非包装1.25倍2分

能力・表示・特性の3本立て——空欄になるのはこの4か所です

高圧受電設備の主遮断装置

形式構成適用の目安
★CB形★★遮断器(VCB)+保護継電器★★受電容量が大きい設備
★PF・S形★★高圧限流ヒューズ+高圧交流負荷開閉器★★300kVA以下程度

PF・S形は安価で場所を取らない反面、溶断すればヒューズ交換が必要です。

CB形は保護継電器で整定を細かく調整できます——保護協調をとりやすいのです。

保護協調——上位と下位の関係

需要家で事故が起きたとき、配電用変電所の遮断器が先に落ちてはいけません

その地域一帯が停電してしまう——波及事故と呼ばれます

だから需要家側の遮断器が先に動作するよう整定します——34条の動作特性は、その共通の物差しです。

⏱️ 本番での進め方
① (ア)は短絡——「過負荷」ではない。遮断能力の話。
② (イ)は開閉状態——「異常」ではない。
③ 包装ヒューズは1.3倍・120分
④ 非包装ヒューズは1.25倍・2分

💡 覚え方
解釈34条=高圧・特別高圧の過電流遮断器は①短絡電流を遮断する能力を有する ②作動に伴い開閉状態を表示する装置を有する(容易に確認できるものを除く)③包装ヒューズは定格電流の1.3倍に耐え2倍で120分以内に溶断 ④非包装ヒューズは1.25倍に耐え2倍で2分以内に溶断。

⚠️ よくある間違い
(ア)は「過負荷」ではなく短絡(イ)は「異常」ではなく開閉包装1.3倍120分/非包装1.25倍2分——包装のほうが耐える倍率は高く、溶断は遅い。

まとめ

(ア)短絡電流を遮断
(イ)開閉状態を表示
(ウ)(エ)包装ヒューズ1.3倍に耐え・2倍で120分以内溶断
(オ)非包装ヒューズ1.25倍に耐え・2倍で2分以内溶断
包装vs非包装包装は120分と長い
答え(3)

▼あわせて解きたい関連問題
・アークを生じる器具の施設(電気設備技術基準の解釈73):【法規】平成25年度 A問題5
・住宅の屋内電路の対地電圧の制限(電気設備技術基準の解釈75):【法規】平成25年度 A問題8

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