今回は平成29年度 法規科目 B問題13、自家用水力発電所をもつ工場の系統への送電(逆潮流)・受電電力量と、発電量の自家消費率を求める問題です。消費と発電の日変化グラフを読み解きます。
ポイントは「発電−消費の正負で送電・受電を分ける」こと。発電が消費を上回れば余剰を逆潮流(送電)、下回れば系統から受電。ランプ(直線変化)部分は交点を求めて三角形・台形で面積を出します。
答えは(a)送電12.5MW·h・受電38.5MW·h・(b)93.2%
平成20年度 B問題13が同系統です。そちらは受電と比率を求める型でした。
この記事は、送電と受電を両方求める点を主軸にします。
平成29年度 法規科目 B問題13:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成29年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 B問題13
電験3種 法規科目 【電気施設管理】 平成29年度 B問題13
自家用水力発電所をもつ工場が電力系統と常時系統連系している。発電電力の余剰分は電力系統へ逆潮流(送電)する。消費電力(図1)と発電電力(図2)の推移から、次の(a)及び(b)に答えよ。
(図1・図2は上の画像を参照してください。)
自家用水力発電所をもつ工場があり、電力系統と常時系統連系している。自家用水力発電所の発電電力は工場内で消費させ、発電電力が消費電力より大きく余剰が発生した場合、その余剰分は電力系統に逆潮流(送電)させる。ある日(0〜24時)の消費電力(図1)と発電電力(図2)の推移から、次の(a)及び(b)に答えよ。なお、自家用水力発電所の所内電力は無視する。(消費:0-4時5000・4-10時5000→12500・10-16時12500・16-22時12500→5000・22-24時5000kW。発電:0-6時3000・6-22時10000・22-24時3000kW。)
(a) この日の電力系統への送電電力量[MW·h]と電力系統からの受電電力量[MW·h]の組合せとして、最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。
送電[MW·h] 受電[MW·h] (1) 12.5 26.0 (2) 12.5 38.5 (3) 26.0 38.5 (4) 38.5 26.0 (5) 26.0 12.5 (b) この日、自家用水力発電所で発電した電力量のうち、工場内で消費された電力量の比率[%]として、最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。
(1)18.3 (2)32.5 (3)81.7 (4)87.6 (5)93.2 %





★★消費と発電の推移を整理する
| 時間帯 | 消費 | 発電 | 差(発電−消費) |
| ★0〜4時 | ★★5000kW | ★★3000kW | ★★−2000(受電) |
| ★4〜6時 | ★★5000→上昇 | ★★3000kW | ★★受電 |
| ★6〜10時 | ★★上昇→12500 | ★★10000kW | ★★★交点あり |
| ★10〜16時 | ★★12500kW | ★★10000kW | ★★−2500(受電) |
| ★16〜22時 | ★★12500→5000 | ★★10000kW | ★★★交点あり |
| ★22〜24時 | ★★5000kW | ★★3000kW | ★★−2000(受電) |
発電が6時に3000→10000kWに切り替わります——階段状。
消費はランプ(直線)で変化する部分があります——4〜10時と16〜22時。
だから交点の時刻を計算する必要があるのです。
★★交点を求める
6〜8時は送電、8時以降は受電
6時に発電が10000kWに上がると、一時的に発電>消費になります——そこで送電。
8時に消費が追いつき、以降は受電——交点が切替点です。
16〜22時のランプでも同様に交点を求めます。
★送電電力量を求める
(a)の答え
発電が消費を上回る三角形の面積を足します。
朝と夕方の2か所で送電が発生——消費が低い時間帯。
合計12.5MW·hです。
★受電電力量を求める
(a)の答え
10〜16時は差が2500kWで6時間なので15MW·h——最も大きい部分。
深夜も2000kW×6時間程度の受電があります。
受電のほうが送電の3倍以上——発電だけでは足りないのです。
★★(b)自家消費率の分母に注意
「発電した電力量のうち工場内で消費された比率」——分母は総発電です。
自給率(分母が総消費)とは違います——設問の文言を確認。
選択肢に合わせて計算方法を確かめます。
★★自家消費率と自給率の違い
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 自家消費率 | ★★自家消費率 | ★自給率 | ★★分母は総発電電力量/分母は総消費電力量 |
| 発電した分をどれだけ自分で使ったか | ★★発電した分をどれだけ自分で使ったか | ★消費した分をどれだけ自分で賄ったか | ★★見る向きが逆 |
分子はどちらも「自家消費した電力量」です——総発電−送電。
違うのは分母だけ——問題文をよく読む。
平成25年度B問題12は自給率(分母が総消費)でした。
★逆潮流の制度上の扱い
| 区分 | 内容 |
| ★逆潮流あり | ★★解釈229条の表で追加の保護継電器が必要 |
| ★逆電力継電器 | ★★逆潮流なしの場合に設置する |
| ★単独運転防止 | ★★系統停電時に速やかに解列する |
本問は「常時系統連系」「逆潮流させる」設定です。
だから解釈229条の逆潮流ありの保護が必要になります。
計算問題と条文がつながっています。
計算の手順をまとめる
| 手順 | やること | 落とし穴 |
| ★① | ★★消費と発電のグラフを重ねる | ★★— |
| ★② | ★★ランプ部分の交点を計算する | ★★★目分量にしない |
| ★③ | ★★発電>消費の面積=送電 | ★★— |
| ★④ | ★★消費>発電の面積=受電 | ★★— |
| ★⑤ | ★★自家消費率=(総発電−送電)/総発電 | ★★★分母を確認 |
②の交点計算が精度を決めます——式を立てて解く。
⏱️ 本番での進め方
① 発電>消費なら送電、発電<消費なら受電。
② ランプ部分は交点を計算して区切る。
③ 自家消費率の分母は総発電電力量。
④ 自給率とは分母が違う——問題文を確認する。
💡 覚え方
逆潮流の計算=①消費と発電のグラフを重ね、発電>消費の面積が送電電力量、消費>発電の面積が受電電力量 ②ランプ(直線変化)部分は交点を計算して区切る ③自家消費率=(総発電−送電)÷総発電。自給率(分母が総消費)と混同しないこと。
⚠️ よくある間違い
自家消費率と自給率で分母が違う——自家消費率は総発電、自給率は総消費。ランプ部分の交点は計算で求める。
まとめ
| 送電(発電>消費) | 6-8時2500+18-22時10000=12.5 MW·h |
| 受電(消費>発電) | 計38.5 MW·h |
| (a) | 送電12.5/受電38.5 →(2) |
| 総発電量 | 3000×6+10000×16+3000×2=184 MW·h |
| 自家消費 | 184−12.5=171.5 MW·h |
| (b)自家消費率 | 171.5/184≒93.2% →(5) |
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