今回は令和7年度上期 法規科目 B問題13、太陽電池発電所を設置したショッピングセンターの電力需給を、日負荷曲線(グラフ)の面積から求める問題です。図の読み取りと面積計算がすべてです。
ポイントは「発電が消費を上回った分だけ送電」。グラフを時間帯ごとに区切り、発電>消費の三角形・台形の面積を足せば送電電力量。自給率は(総発電−送電)÷総消費で求まります。
令和7年度上期 法規科目 B問題13:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験」法規科目 B問題13
電験3種 法規科目 【電気施設管理】 令和7年度上期 B問題13
出力600kWの太陽電池発電所を設置したショッピングセンターがある。ある日の太陽電池発電所の発電の状況とこのショッピングセンターにおける電力消費は図に示すとおりであった。
(問題文と日負荷曲線は上の画像を参照してください。発電は6→12時に0→600kW、12→18時に600→0kW。消費は0-10時100、10-17時300、17-21時400、21-24時100kW。)
出力600kWの太陽電池発電所を設置したショッピングセンターがある。ある日の太陽電池発電所の発電の状況とこのショッピングセンターにおける電力消費は図に示すとおりであった。すなわち、発電所の出力は朝の6時から12時まで直線的に増大し、その後は夕方18時まで直線的に下降した。また、消費電力は深夜0時から朝の10時までは100kW、10時から17時までは300kW、17時から21時までは400kW、21時から24時は100kWであった。太陽電池発電所の発電電力は自家消費しているが、その発電電力が消費電力を上回って余剰を生じたときは電力系統に送電している。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a) この日、太陽電池発電所から電力系統に送電した電力量の値[kW·h]として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(1)900 (2)1300 (3)1500 (4)2200 (5)3600 kW·h
(b) この日、ショッピングセンターで消費した電力量に対して太陽電池発電所が発電した電力量により自給した比率[%]として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(1)35 (2)38 (3)46 (4)52 (5)58 %



答えは(a)1300kW·h・(b)46%
平成25年度 B問題12が同一問題です。そちらは面積の求め方を扱っています。
この記事は、読み取りの手順化と誤答の解剖を主軸にします。
★★グラフ問題を手順化する
| 手順 | やること |
| ★① | ★★発電の式を作る(傾きを読む) |
| ★② | ★★消費が変わる時刻を書き出す |
| ★③ | ★★発電=消費となる時刻を計算する |
| ★④ | ★★①〜③の点で区間を分ける |
| ★⑤ | ★★各区間で面積を求めて足す |
「区切る点」を先に全部出してしまうのがコツです——あとは機械的な計算。
本問の区切りは7時・10時・12時・15時——4点です。
図に縦線を引いておくと間違えません。
★①発電の式を作る
★傾き=600/6=100kW/h
傾き−100kW/h
傾きは「変化量÷時間」で読み取ります——600kW÷6h=100kW/h。
式にしておくと、交点が計算で求まります——目分量に頼らない。
★③交点を計算する
★余剰の開始
★余剰の終了
余剰が出るのは7時から15時までです——8時間。
17時以降は消費400kWですが、発電は既にゼロ——交点にならないのです。
10時の段差(100→300kW)でも区切ります。
★⑤各区間の面積
| 区間 | 形 | 計算 | 面積 |
| ★7〜10時 | ★★三角形 | ★★½×3×300 | ★★450 |
| ★10〜12時 | ★★台形 | ★★(100+300)/2×2 | ★★400 |
| ★12〜15時 | ★★三角形 | ★★½×3×300 | ★★450 |
合計1300kW·h——(a)の答えです。
10時の段差で余剰が一度減ります——消費が100→300kWに増えるから。
だから10〜12時は台形になるのです。
★★(a)の誤答を解剖する
| 選択肢 | 値 | どこから来たか |
| ★(1)900 | ★★450+450 | ★★台形部分を忘れた |
| ★(2)1300 | ★★450+400+450 | ★★正しい |
| ★(3)1500 | ★★— | ★★撹乱用 |
| ★(4)2200 | ★★— | ★★区切りを誤った場合 |
| ★(5)3600 | ★★½×12×600 | ★★★総発電電力量そのもの |
(5)3600は総発電電力量です——消費を引くのを忘れた。
(1)900は台形部分を見落とした場合——10時の段差を無視。
誤答が「どの手順を飛ばしたか」を示しています。
★★(b)自給率の分子に注意
(b)の答え
3600/5000=72%としてしまうのが典型的な誤りです——送電分は自給に寄与しない。
「自給」とは自分の消費を自分の発電で賄うこと——他所に送った分は含まれない。
定義に忠実に——ここが問題の核心です。
★総消費電力量の内訳
| 時間帯 | 消費 | 時間 | 電力量 |
| ★0〜10時 | ★★100kW | ★★10h | ★★1000 |
| ★10〜17時 | ★★300kW | ★★7h | ★★2100 |
| ★17〜21時 | ★★400kW | ★★4h | ★★1600 |
| ★21〜24時 | ★★100kW | ★★3h | ★★300 |
階段状なので、掛けて足すだけです。
時間の合計が24hになるか確認——10+7+4+3=24。検算になります。
発電と消費のピークがずれる
発電のピークは12時、消費のピークは17〜21時です——5時間以上ずれている。
だから昼に余り、夕方に足りない——自給率が上がらない理由。
蓄電池があればこのずれを埋められます——近年の導入が進む背景です。
太陽光発電の出力の形
| 時間帯 | 出力の特徴 |
| ★日の出〜正午 | ★★直線的に増大(本問は100kW/h) |
| ★正午 | ★★ピーク(本問600kW) |
| ★正午〜日没 | ★★直線的に減少 |
実際は雲の影響で凸凹しますが、試験では直線で近似されます。
だから三角形の面積で総発電量が求まる——½×12×600=3600kW·h。
出力600kWの設備が1日に3600kW·h——設備利用率25%相当です。
自給率を上げるには
| 方法 | 効果 |
| ★蓄電池の設置 | ★★昼の余剰を夕方に回せる |
| ★負荷のシフト | ★★消費を昼にずらす |
| ★発電設備の増設 | ★★余剰が増えるだけで自給率は上がりにくい |
発電を増やしても、昼の余剰が増えるだけです——自給率はあまり上がらない。
時間のずれを埋めることが本質——蓄電池かシフトです。
⏱️ 本番での進め方
① 区切る点(交点と段差)を先に全部出す。
② 各区間で三角形か台形の面積を求める。
③ 自給率の分子は総発電−送電=自家消費。
④ 選択肢(5)3600は総発電電力量——引き忘れの誤答。
💡 覚え方
日負荷曲線の面積計算=①発電の式を作る(傾きを読む)②消費の段差の時刻を書き出す ③発電=消費となる交点を計算する ④これらの点で区間を分け、各区間の面積(三角形・台形)を足す ⑤自給率=(総発電−送電)÷総消費。分子は自家消費した分。
⚠️ よくある間違い
自給率の分子に総発電電力量を使わない——送電分を引いた自家消費分が正しい。消費の段差でも区切る——見落とすと台形部分が抜ける。
まとめ
| 送電 7-10時 | ½×3×300=450 |
| 送電 10-12時 | (100+300)/2×2=400 |
| 送電 12-15時 | ½×3×300=450 |
| (a)送電合計 | 1300 kW·h →(2) |
| 総発電/自家消費 | 3600/2300 kW·h |
| (b)自給率 | 2300/5000=46% →(3) |
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