今回は平成25年度 法規科目 B問題12、太陽電池発電所を設置したショッピングセンターの電力需給を日負荷曲線から求める問題です。実はこの問題、令和7年度上期 B問題13とまったく同一——数値まで完全に同じ再出題です。
ポイントは「発電が消費を上回った分だけ送電」。グラフを時間帯ごとに区切り、発電>消費の三角形・台形の面積を足せば送電電力量。自給率は(総発電−送電)÷総消費で求まります。
平成25年度 法規科目 B問題12:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成25年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 B問題12
電験3種 法規科目 【電気施設管理】 平成25年度 B問題12
出力600kWの太陽電池発電所を設置したショッピングセンターがある。発電(6→12時0→600kW、12→18時600→0kW)と消費(0-10時100・10-17時300・17-21時400・21-24時100kW)の推移から、余剰を系統へ送電する。次の(a)及び(b)に答えよ。
(図は上の画像を参照してください。本問は令和7年度上期 B問題13と同一問題です。)
出力600kWの太陽電池発電所を設置したショッピングセンターがある。ある日の発電の状況と電力消費は図のとおり。発電所の出力は6時から12時まで直線的に増大し、その後18時まで直線的に下降した。消費電力は0時から10時100kW、10時から17時300kW、17時から21時400kW、21時から24時100kW。発電電力は自家消費し、余剰分は電力系統に送電する。次の(a)及び(b)に答えよ。
(a) この日、太陽電池発電所から電力系統に送電した電力量[kW·h]の値として、最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。
(1)900 (2)1300 (3)1500 (4)2200 (5)3600 kW·h
(b) この日、ショッピングセンターで消費した電力量に対して太陽電池発電所が発電した電力量により自給した比率[%]として、最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。
(1)35 (2)38 (3)46 (4)52 (5)58 %



答えは(a)1300kW·h・(b)46%
この問題は令和7年度上期B問題13に、数値まで完全に同一で再出題されました。
★★発電の推移を式にする
★傾き100kW/h
傾き−100kW/h
正午に600kWのピークを迎える三角形の形です——太陽光の典型的な出力。
傾きは100kW/h——6時間で600kW変化するからです。
式にすると交点が計算で求まります。
★★発電が消費を上回る時刻を求める
★7時から余剰が出始める
10時時点の発電は400kW
★15時で余剰が終わる
余剰が出るのは7時から15時までです——その間の面積を求めます。
消費が10時に100→300kWと変わるので、そこでも区切る——段差があるのです。
時間帯を丁寧に分けるのが正解への道です。
★送電電力量を面積で求める
| 時間帯 | 発電 | 消費 | 余剰の面積 |
| ★7〜10時 | ★★100→400kW | ★★100kW | ★★½×3×300=450 |
| ★10〜12時 | ★★400→600kW | ★★300kW | ★★(100+300)/2×2=400 |
| ★12〜15時 | ★★600→300kW | ★★300kW | ★★½×3×300=450 |
| ★合計 | ★★— | ★★— | ★★1300kW·h |
三角形と台形に分けて足すだけです——積分は不要。
450+400+450=1300kW·h——(a)の答えです。
★★(b)自給率の定義に注意
自分で使った分
(b)の答え
分子は「総発電」ではなく「自家消費した分」です——送電した分は自給に寄与しない。
3600/5000=72%としてしまうのが典型的な誤り——定義を確認します。
送電した1300kW·hは他所で使われた——自分の消費を賄っていないのです。
★総消費電力量の計算
| 時間帯 | 消費 | 時間 | 電力量 |
| ★0〜10時 | ★★100kW | ★★10h | ★★1000 |
| ★10〜17時 | ★★300kW | ★★7h | ★★2100 |
| ★17〜21時 | ★★400kW | ★★4h | ★★1600 |
| ★21〜24時 | ★★100kW | ★★3h | ★★300 |
| ★合計 | ★★— | ★★24h | ★★5000kW·h |
階段状なので、各時間帯を掛けて足すだけです。
17〜21時が400kWと最も多い——夕方の来客ピークでしょう。
その時間帯には太陽光の発電がほぼゼロ——これが太陽光の課題です。
★★太陽光と消費のずれ
| 時間帯 | 発電 | 消費 | 状況 |
| ★昼(12時前後) | ★★最大600kW | ★★300kW | ★★大きく余る |
| ★夕方(17〜21時) | ★★ほぼ0 | ★★最大400kW | ★★★全量を系統から受電 |
発電のピークと消費のピークが一致しません——これが自給率が上がらない理由。
蓄電池があれば、昼の余剰を夕方に回せます——自給率が上がるのです。
ダックカーブと呼ばれる系統全体の課題でもあります。
面積の求め方
直線のグラフなら、必ず三角形か台形に分けられます。
交点と段差で区切るのがコツ——そこで形が変わるからです。
計算の手順をまとめる
| 手順 | やること |
| ★① | ★★発電の推移を式にする(傾きを求める) |
| ★② | ★★発電=消費となる時刻を求める |
| ★③ | ★★余剰の面積を三角形・台形で足す |
| ★④ | ★★総発電−送電=自家消費 |
| ★⑤ | ★★自家消費÷総消費=自給率 |
④が最大の急所——総発電をそのまま使わないことです。
蓄電池を入れるとどうなるか
| 蓄電池なし(本問) | 蓄電池あり | |
| ★昼の余剰 | ★★系統へ送電(1300kW·h) | ★★蓄電池に充電 |
| ★夕方の不足 | ★★系統から受電 | ★★蓄電池から放電 |
| ★自給率 | ★★46% | ★★大きく向上する |
発電と消費の時間のずれを、蓄電池が埋めます——自給率が上がるのです。
災害時の非常用電源にもなります——近年導入が進む理由です。
⏱️ 本番での進め方
① 送電電力量=(発電−消費)の面積。
② 交点と段差で時間帯を区切る。
③ 自給率の分子は自家消費分(総発電−送電)。
④ 総発電をそのまま分子にしない。
💡 覚え方
太陽光の余剰と自給率=①発電が消費を上回る時間帯を求める ②その差の面積が送電電力量 ③自家消費電力量=総発電電力量−送電電力量 ④自給率=自家消費電力量÷総消費電力量。分子は総発電ではなく自家消費した分であることに注意。
⚠️ よくある間違い
自給率の分子に総発電電力量を使わない——送電した分を引いた自家消費分が正しい。交点と段差で必ず区切る。
まとめ
| 送電 7-10時 | ½×3×300=450 |
| 送電 10-12時 | (100+300)/2×2=400 |
| 送電 12-15時 | ½×3×300=450 |
| (a)送電合計 | 1300 kW·h →(2) |
| 総発電/自家消費 | 3600/2300 kW·h |
| (b)自給率 | 2300/5000=46% →(3) |
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