電気施設管理-計算24【電験3種 法規】%Zは基準容量を統一!F点短絡14.2kA・OCR入力30A=(a)(5)(b)(4) 平成29年度 B問題12 完全解説

電験3種 法規科目 電気施設管理 平成29年度 B問題12 基準容量を統一して短絡計算!F点は14.2kA

今回は平成29年度 法規科目 B問題12百分率インピーダンス(%Z)を使って変圧器二次側F点の三相短絡電流と、一次側CTを介したOCR入力電流を求める問題です。%Z計算の王道です。

核心は「%Zの基準容量を必ず統一する」こと。変圧器は300kV·A基準、配電線は10MV·A基準——バラバラなので、共通の基準容量に換算してから合成します。%Zは基準容量に比例して換算します。

目次

平成29年度 法規科目 B問題12:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成29年度 B問題12 問題文
平成29年度 法規科目 B問題12 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成29年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 B問題12

電験3種 法規科目 【電気施設管理】 平成29年度 B問題12

 図に示す自家用電気設備で変圧器二次側(210V側)F点において三相短絡事故が発生した。次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(図・表は上の画像を参照してください。送り出し6.6kV、変圧器300kV·A・%R2%・%X4%(300kV·A基準)、配電線%R20%・%X40%(10MV·A基準)。)

図に示す自家用電気設備で変圧器二次側(210V側)F点において三相短絡事故が発生した。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし、高圧配電線路の送り出し電圧は6.6kVとし、変圧器の仕様及び高圧配電線路のインピーダンスは表のとおり(変圧器:300kV·A、6.6kV/210V、%R=2%・%X=4%(基準300kV·A)、高圧配電線路:%R=20%・%X=40%(基準10MV·A))。変圧器二次側からF点までのインピーダンス等は無視する。

(a) F点における三相短絡電流の値[kA]として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)1.2 (2)1.7 (3)5.2 (4)11.7 (5)14.2 kA

(b) 変圧器一次側(6.6kV側)に変流器CTが接続され、CT二次電流が過電流継電器OCRに入力される。三相短絡事故発生時のOCR入力電流の値[A]として、最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。ただし、CTの変流比は75A/5Aとする。

(1)12 (2)18 (3)26 (4)30 (5)42 A

平成29年度 B問題12 自家用電気設備
平成29年度 B問題12 自家用電気設備
変圧器と高圧配電線路の仕様(%インピーダンス)
変圧器と高圧配電線路の仕様(%インピーダンス)
平成29年度 B問題12 自家用電気設備
平成29年度 B問題12 自家用電気設備
変圧器と高圧配電線路の仕様(%インピーダンス)
変圧器と高圧配電線路の仕様(%インピーダンス)
答え(a)F点の三相短絡電流≒14.2kA = (5)/(b)OCR入力電流≒30A = (4)

答えは(a)14.2kA・(b)30A

%インピーダンスの基準容量統一と短絡電流

%Zは基準容量に比例する——基準が違うものは必ず換算してから合成する。/★%Z(新) = %Z(旧) × (新基準容量 / 旧基準容量)/★三相短絡電流 I_s = 基準電流 × 100/%Z/★一次側の電流は電圧比で換算し、CTで二次電流にする。

★基準容量がバラバラ——これに気づけるかが本問の勝負です。

平成21年度 B問題13が同系統です。そちらは短絡点までの合成範囲が主題でした。

この記事は、基準容量の統一を主軸にします

★★基準容量がバラバラであることに気づく

機器%R%X基準容量
★変圧器★★2%★★4%★★300kV·A
★高圧配電線路★★20%★★40%★★★10MV·A

基準容量が300kV·Aと10MV·Aで33倍も違います——このまま足せない

気づかずに2+20=22%としてしまうのが典型的な誤りです。

まず基準をそろえるのが第一歩です。

★★基準容量を統一する

$$\%Z_{\text{新}} = \%Z_{\text{旧}} \times \dfrac{S_{\text{新}}}{S_{\text{旧}}}$$
★%Zは基準容量に比例
換算の公式
$$\%R_{\text{配電線},300} = 20 \times \dfrac{300\times10^3}{10\times10^6} = 20 \times 0.03 = 0.6\,[\%]$$
配電線を300kV·A基準に換算
$$\%X_{\text{配電線},300} = 40 \times 0.03 = 1.2\,[\%]$$
同様に

10MV·A基準の20%は、300kV·A基準では0.6%——33分の1

基準容量が小さいほど、%Zも小さくなります——比例するから

変圧器の300kV·A基準にそろえるのが計算しやすいのです。

★合成して%Zを求める

\%R = 2 + 0.6 = 2.6\,[\%]
抵抗分の合計
\%X = 4 + 1.2 = 5.2\,[\%]
リアクタンス分の合計
$$\%Z = \sqrt{2.6^2 + 5.2^2} = \sqrt{6.76 + 27.04} = \sqrt{33.8} \approx 5.81\,[\%]$$
★合成してから二乗和の平方根

%Rどうし・%Xどうしは足せます——直列だから

最後に二乗和の平方根——順序が大切です。

配電線の寄与は小さい——変圧器が支配的です。

★★(a)三相短絡電流

$$I_{base} = \dfrac{300\times10^3}{\sqrt{3} \times 210} \approx 824.8\,\mathrm{[A]}$$
★210V側の基準電流
F点は変圧器二次側
$$I_s = 824.8 \times \dfrac{100}{5.81} \approx 14196\,\mathrm{[A]}$$
三相短絡電流
$$I_s \approx 14.2\,\mathrm{[kA]}$$
計算結果
(a)の答え

F点は210V側なので、基準電流も210Vで計算します。

低圧側は電圧が低いので電流が大きい——14.2kA

基準容量は300kV·Aで統一済みです。

★★(b)一次側に換算してCTへ

$$I_1 = I_s \times \dfrac{210}{6600} = 14196 \times \dfrac{210}{6600}$$
★電圧比で一次側に換算
変圧器を挟むと電流が変わる
$$I_1 \approx 451.7\,\mathrm{[A]}$$
6.6kV側の電流
$$I_{OCR} = 451.7 \times \dfrac{5}{75} \approx 30.1\,\mathrm{[A]}$$
CT変流比75A/5Aで二次電流に
(b)の答え

低圧側14.2kAが、高圧側では約452A——約1/31

さらにCTで1/15にして30A——OCRに入力される電流

CT二次定格5Aの6倍——OCRが確実に動作するレベルです。

★%Zが基準容量に比例する理由

$$\%Z = \dfrac{Z I_{base}}{V_{base}} \times 100$$
定義
$$I_{base} = \dfrac{S_{base}}{\sqrt{3} V_{base}}$$
基準電流は基準容量に比例
$$\Rightarrow \%Z \propto S_{base}$$
★だから%Zも基準容量に比例

基準容量が大きいほど、基準電流も大きい——だから電圧降下の割合も大きくなる

同じインピーダンスでも、基準が違えば%Zが違うのです。

定義から導けば、換算の向きを間違えません

★換算の向きを確かめる

換算%Zの変化確認
★10MV·A→300kV·A★★小さくなる(×0.03)★★基準容量が小さいから
★300kV·A→10MV·A★★大きくなる(×33.3)★★基準容量が大きいから

「基準容量が小さくなれば%Zも小さくなる」——これで向きを確認できます。

逆にすると答えが桁違いになるので気づけます

短絡電流の大きさの感覚

位置短絡電流備考
★低圧側(210V)★★14.2kA★★電圧が低いので大きい
★高圧側(6.6kV)★★452A★★電圧比で換算

低圧側の短絡電流は非常に大きくなります——だから配線用遮断器の遮断容量が重要

平成21年度B問題13がその選定問題でした。

⏱️ 本番での進め方
%Zは基準容量に比例——必ず統一してから合成。
%Z(新)=%Z(旧)×(新基準/旧基準)
③ 基準電流は短絡点の電圧で計算する。
④ 一次側の電流は電圧比で換算してCTへ。

💡 覚え方
%Zの基準容量統一=①%Zは基準容量に比例するので %Z(新)=%Z(旧)×(新基準容量/旧基準容量) で換算してから合成する ②%Rどうし%Xどうしを足して%Z=√(%R²+%X²) ③I_s=基準電流×100/%Z(基準電流は短絡点の電圧で計算)④一次側電流は電圧比で換算し、CT変流比で二次電流にする。

⚠️ よくある間違い
基準容量が違う%Zをそのまま足さない——必ず換算する(本問では33倍違う)。基準電流は短絡点の電圧で計算する。

まとめ

変圧器%Z(10MVA換算)%R66.7%、%X133.3%
配電線%Z%R20%、%X40%
合成%Z√(86.7²+173.3²)≒193.8%
(a)F点短絡27493×100/193.8≒14.2kA →(5)
一次短絡874.8×100/193.8≒451A
(b)OCR入力451×5/75≒30A →(4)

▼あわせて解きたい関連問題
・百分率インピーダンス(電気施設管理-計算32):【法規】平成26年度 B問題13
・OCR-VCB連動試験(電気施設管理-計算15):【法規】令和4年度上期 A問題10

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