今回は令和5年度上期 電力科目 A問題6、配電線路の開閉器類の誤り選択問題です。配電線路用開閉器・柱上開閉器・高圧配電方式・高圧カットアウト・パッドマウント変圧器と、配電機材が総登場します。
決め手は高圧ヒューズの溶断特性。高圧カットアウト内蔵の高圧ヒューズは、変圧器の過負荷や内部短絡では溶断しますが、雷サージのような短時間の大電流では溶断しないように限時特性を持たせています——雷のたびに溶断していては停電が頻発するからです。「直ちに溶断する」は誤りです。
出題のポイント

令和5年度上期 電力科目 A問題6:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 【配電】 令和5年度上期 A問題6
配電線路の開閉器類に関する記述として、誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(1) 配電線路用の開閉器は、主に配電線路の事故時又は作業時に、その部分だけを切り離すために使用される。
(2) 柱上開閉器には気中形、真空形、ガス形がある。操作方法は、手動操作による手動式と制御器による自動式がある。
(3) 高圧配電方式には、放射状方式(樹枝状方式)、ループ方式(環状方式)などがある。ループ方式は結合開閉器を設置して線路を構成するので、放射状方式よりも建設費は高くなるものの、高い信頼度が得られるため負荷密度の高い地域に用いられる。
(4) 高圧カットアウトは、柱上変圧器の一次側の開閉器として使用される。その内蔵の高圧ヒューズは変圧器の過負荷時や内部短絡故障時、雷サージなどの短時間大電流の通過時に直ちに溶断する。
(5) 地中配電系統で使用するパッドマウント変圧器には、変圧器と共に開閉器などの機器が収納されている。
ポイント解説:高圧ヒューズは雷サージでは溶断しない(限時特性)
(4)が誤り:高圧カットアウト内蔵の高圧ヒューズは、変圧器の過負荷や内部短絡故障では溶断して変圧器を保護する。しかし雷サージのような短時間の大電流では溶断しないように限時特性(時間遅れ)を持たせている——雷は瞬間的で、これで毎回溶断していては停電が頻発し供給支障になるから。「雷サージ…の通過時に直ちに溶断する」は誤り。
開閉器の基本((1)(2)は正しい):(1)配電線路用開閉器=事故時・作業時にその区間だけを切り離す(区分開閉器)。(2)柱上開閉器=気中形・真空形・ガス形、手動式と(制御器による)自動式がある。
高圧配電方式とパッドマウント((3)(5)は正しい):(3)放射状方式(樹枝状)は安価・簡単、ループ方式(環状)は結合開閉器で建設費は高いが信頼度が高く負荷密度の高い地域向き。(5)地中配電のパッドマウント変圧器=変圧器+開閉器等を一体収納した地上設置形。
問題の解説
STEP1 開閉器・方式の確認
区分開閉器(1)・柱上開閉器3形式(2)・放射状/ループ(3)・パッドマウント(5)——正しい。
STEP2 (4)を判定
高圧ヒューズは過負荷・内部短絡では溶断・雷サージでは溶断しない→「直ちに溶断」は誤り。
STEP3 理由
雷サージで毎回溶断すると停電頻発→限時特性で見送る。
答え:(4)
💡 覚え方
高圧ヒューズは過負荷・内部短絡で溶断/雷サージ(短時間大電流)では溶断しない(限時特性)。配電方式:放射状=安価・ループ=高信頼で負荷密度の高い地域。地中はパッドマウント変圧器(変圧器+開閉器一体)。
⚠️ よくある間違い
高圧ヒューズが「雷サージで直ちに溶断」としない——雷サージは見送る設計(限時特性)。ループ方式は放射状より建設費が高い(信頼度と引き換え)。高圧カットアウトは一次側の開閉器。
まとめ
| 誤り | (4) 高圧ヒューズは雷サージでは溶断しない |
| 配電線路用開閉器 | 事故時・作業時に区間切り離し(1) |
| 柱上開閉器 | 気中/真空/ガス形・手動/自動(2) |
| 配電方式 | 放射状=安価/ループ=高信頼(3) |
| パッドマウント | 変圧器+開閉器一体(5) |
| 答え | (4) |
▼あわせて解きたい関連問題
・高圧受電設備の機器(配電5):【電力】令和6年度下期 A問題11
・避雷器の役割(変電2):【電力】令和7年度下期 A問題6

コメント