配電18【電験3種 電力】スポットネットワークの順序!断路器→ネットワーク変圧器→プロテクタヒューズ→プロテクタ遮断器→母線 令和2年度 A問題13 完全解説

電験3種 電力科目 配電 令和2年度 A問題13 断路器から母線まで!スポットNWの並び順

今回は令和2年度 電力科目 A問題13、大口需要家向けのスポットネットワーク方式の空欄補充問題です。22kV・33kVの特別高圧地中配電系統から2回線以上で受電する高信頼度方式の、機器の並び順が問われます。

特別高圧側から順に並べると「断路器→ネットワーク変圧器→プロテクタヒューズ→プロテクタ遮断器→ネットワーク母線」。受電→変圧→保護(ヒューズ+遮断器で逆電力を遮断)→母線、という電力の流れをたどれば順序が決まります。

目次

令和2年度 電力科目 A問題13:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 配電 令和2年度 A問題13 問題文
令和2年度 電力科目 A問題13 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和2年度 第三種電気主任技術者試験」電力科目 A問題13

電験3種 電力科目 【配電】 令和2年度 A問題13

 次の文章は、スポットネットワーク方式に関する記述である。

 スポットネットワーク方式は、22kV又は33kVの特別高圧地中配電系統から2回線以上で受電する方式の一つであり、負荷密度が極めて高い都心部の高層ビルや大規模工場などの大口需要家の受電設備に適用される信頼度の高い方式である。

 スポットネットワーク方式の一般的な受電系統構成を特別高圧地中配電系統側から順に並べると、(ア)・(イ)・(ウ)・(エ)・(オ)となる。

 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)
(1)断路器ネットワーク母線プロテクタ遮断器プロテクタヒューズネットワーク変圧器
(2)ネットワーク母線ネットワーク変圧器プロテクタヒューズプロテクタ遮断器断路器
(3)プロテクタ遮断器プロテクタヒューズネットワーク変圧器ネットワーク母線断路器
(4)断路器プロテクタ遮断器プロテクタヒューズネットワーク変圧器ネットワーク母線
(5)断路器ネットワーク変圧器プロテクタヒューズプロテクタ遮断器ネットワーク母線
答え答えは(5)です。

答えは(5):電力の流れる順に並べる

特別高圧側から負荷側へ、5つの機器をたどります

機器そこで何をするか
★(ア)★★断路器★★各回線を受け入れる(保守時に切り離す)
★(イ)★★ネットワーク変圧器★★特別高圧を低圧に落とす
★(ウ)★★プロテクタヒューズ★★短絡保護(後備)
★(エ)★★プロテクタ遮断器★★逆電力を検出して開く
★(オ)★★ネットワーク母線★★各回線を並列につなぐ

順序を覚えなくても決められる考え方

手がかりそこから分かること
★「特別高圧地中配電系統側から」★★先頭は受電する機器=断路器
★変圧器を通る前と後★★保護装置は変圧器の後(低圧側)
★母線は並列につなぐ場所★★いちばん最後
★ヒューズと遮断器の関係★★ヒューズが電源側、遮断器が母線側

先頭と最後が決まれば、選択肢はかなり絞れます——断路器で始まり母線で終わるのです。

変圧器で電圧を落としてから保護装置を置きます——低圧側のほうが装置が安いから。

ヒューズと遮断器は、ヒューズが電源側です——遮断器が働かないときの後備だから。

この順に電流が通ると考えれば、暗記に頼らずに済みます

2回線以上という条件の意味

回線数1回線が停止したとき実際の採用
★2回線★★残り1回線で全負荷をまかなう★★容量に余裕が要る
★★3回線★★残り2回線で全負荷をまかなう★★一般的な構成

問題文は「2回線以上で受電する」と書いています——3回線が一般的ですが。

回線が多いほど、1台あたりの余裕は小さくて済みます——そのかわり設備が増えるのです。

22 kV または33 kV の特別高圧地中配電系統から受電します——都心部なので地中なのです。

だから高層ビルや大規模工場に適しています

⚠️ よくある間違い
(ア)を母線とする——母線は最後です。
変圧器の前に保護装置を置く——保護は二次側です。
ヒューズと遮断器の順を逆にする——ヒューズが電源側です。
断路器を遮断器と混同する——断路器は無電流で操作します。
低圧ネットワーク方式と混同する——こちらは1需要家向けです。

⏱️ 本番での進め方
①★断路器→変圧器→ヒューズ→遮断器→母線。
②★先頭は受電、最後は母線と決まっている。
③★保護装置は変圧器の二次側に置く。
④★ヒューズが電源側、遮断器が母線側。

💡 覚え方
「受けて・落として・守って・つなぐ」——電力の流れをたどるだけです。母線は必ず最後——そこで全回線が集まるのです。

ネットワーク方式の特徴は平成27年度 A問題12配電:ネットワーク方式の特徴)にあります。

プロテクタヒューズが電源側にある意味

プロテクタ遮断器プロテクタヒューズ
★位置★★母線側★★変圧器側(電源側)
★動作の順★★先に動く★★遮断器が動かないときに溶ける
★守る対象★★逆電力から系統を守る★★遮断器の故障に備える

後備保護は、主保護より電源側に置きます——主保護が働かなくても電流が通るから。

だからヒューズが変圧器側にあります——順序が(ウ)(エ)で決まるのです。

ヒューズが溶けたら交換が必要なので、めったに働きません——最後の砦です。

断路器を先頭に置く理由

場面断路器の役目
★ネットワーク変圧器の点検★★その回線を配電系統から切り離す
★作業の安全確認★★目に見える形で開放されていることを示す
★操作の順序★★プロテクタ遮断器を開いた後に操作する

点検のときは、特別高圧側から確実に切り離します——だから先頭に置くのです。

電流が流れたまま操作してはいけません——消弧装置がないから。

ネットワーク変圧器の二次電圧

項目内容
★一次電圧★★22 kV または33 kV
★二次電圧★★420 V 前後(三相)
★なぜ420 V か★★母線での電圧降下を見込んで少し高めにする
★負荷側★★400 V 級で受け、必要に応じて200 V に落とす

大規模ビルでは400 V 級で配電するのがふつうです——電流が半分で済むから。

だからネットワーク変圧器の二次側も400 V 級になります——そこから母線へ送るのです。

照明やコンセントには、さらに変圧器で200/100 V に落とします

回線が並列になっているということ

正常時1回線が故障
★母線への供給★★3回線すべてから★★残り2回線から
★故障回線の電流★★母線へ向かう★★母線から逆向きに流れ込む
★プロテクタの動作★★閉じたまま★★逆電力を検出して開く

母線で並列になっているから、逆向きの電流が生じます——ほかの回線から回り込むのです。

それを捉えて切り離すのがプロテクタ遮断器です——(エ)の役目になります。

受電方式を選ぶときの判断

需要家選ぶ方式理由
★中小のビル★★1回線受電★★費用を優先する
★工場★★本線・予備線★★短時間の停電なら許容できる
★★都心の高層ビル★★スポットネットワーク★★瞬時の停電も許されない

停電したときの損害の大きさで決まります——費用とのつり合いです。

高層ビルではエレベータや空調が止まると大ごとです——だから最上位の方式を選ぶのです。

問題文が「大口需要家の受電設備に適用される」と書いているのはそのことです

スポットネットワークの5つの機器をまとめる

機器電圧の段ひとことで言うと
★断路器★★特別高圧★★保守のために切り離す
★ネットワーク変圧器★★特別高圧→低圧★★電圧を落とす
★プロテクタヒューズ★★低圧★★遮断器が働かないときの備え
★プロテクタ遮断器★★低圧★★逆電力で開く
★ネットワーク母線★★低圧★★全回線を並列にする

電圧の段で分けると、変圧器を境に2つに分かれます——前が1つ、後が3つです。

だから断路器だけが特別高圧側にあります——順序を思い出す手がかりになります。

この5つが並ぶ順が、そのまま答えになります

母線に集めるという構成の意味

母線がない構成ネットワーク母線あり
★負荷の見え方★★回線ごとに分かれる★★すべての負荷が1つの母線から
★1回線停止時★★その系統が停電★★残りが支えて無停電

母線で並列にするから、無停電が成り立ちます——だから最後に置くのです。

そのかわり母線自体が故障すると全停電になります——唯一の弱点です。

高信頼度方式が求められる背景

変化内容
★情報機器の普及★★瞬時の停電でも業務が止まる
★建物の高層化★★エレベータや給水ポンプが必須になる
★負荷密度の上昇★★1棟で数千キロワットを使う

昔なら短時間の停電は許容されていました——いまはそうはいかないのです。

だから常時複数回線から受電する方式が選ばれます——切替そのものが要らないから。

まとめ

(ア)断路器(受電)
(イ)ネットワーク変圧器(変換)
(ウ)プロテクタヒューズ(短絡保護)
(エ)プロテクタ遮断器(逆電力遮断)
(オ)ネットワーク母線(並列接続)
答え(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・低圧ネットワーク方式(配電12):【電力】令和4年度下期 A問題13
・スポットネットワーク(配電34):【電力】平成23年度 A問題12

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