原子力18【電験3種 電力】ウラン0.01kgのエネルギーを重油リットルに換算!E=mc²の型を固める 平成24年度 A問題4 完全解説

電験3種 電力科目 原子力 平成24年度 A問題4 ウラン10gは重油何L分?E=mc²の型を固める

今回は平成24年度 電力科目 A問題4を解説します。0.01kgのウラン235が核分裂して0.09%の質量欠損が生じたとき、同じ熱を得るのに必要な重油の量[L]を求める問題です。重油発熱量は43000kJ/Lとします。

E=mc²シリーズの平成24年版。今回はウランが0.01kg(10g)で、発熱量がkJ/L(体積あたり)。手順はいつもの質量欠損→×9×10¹⁶→kJ→発熱量で割るで変わりません。

目次

平成24年度 電力科目 A問題4:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 原子力 平成24年度 A問題4 問題文
平成24年度 電力科目 A問題4 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成24年度 第三種電気主任技術者試験」電力科目 A問題4

電験3種 電力科目 【原子力】 平成24年度 A問題4

 0.01[kg]のウラン235が核分裂するときに0.09[%]の質量欠損が生じるとする。これにより発生するエネルギーと同じだけの熱を得るのに必要な重油の量[l]の値として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

 ただし、重油発熱量を43000[kJ/l]とする。

(1)950 (2)1 900 (3)9 500 (4)19 000 (5)38 000 L

質量が kg で与えられている

本問は最初から kg——単位換算の手間がありません

質量とエネルギーの等価性
\( E=mc^2 \)

m:質量欠損[kg] c²=9×10¹⁶

\( m=0.01\times 0.0009=9\times 10^{-6}\ [\mathrm{kg}] \)
0.01 kg の0.09 %
★そのまま kg
\( E=9\times 10^{-6}\times 9\times 10^{16}=8.1\times 10^{11}\ [\mathrm{J}] \)
E=mc²
★8.1×10¹¹ J

0.01 kg=10 g のウランから、8.1×1011 J——1 g なら8.1×1010 Jですから、その10倍です。

重油の発熱量は体積あたり

本問の43,000 kJ/L は、1リットルあたりの発熱量——質量あたりではありません

表し方単位求まるもの
★質量あたり★kJ/kg★燃料の重さ[kg]
★体積あたり★kJ/L★燃料の体積[L]

問題文が「重油の量[L]」と問うているので体積あたり——単位を見れば、何が求まるか分かります

\( E=8.1\times 10^{11}\ \mathrm{J}=8.1\times 10^8\ [\mathrm{kJ}] \)
kJ に直す
★÷10³
\( V=\dfrac{8.1\times 10^8}{43\,000}=18\,837\ [\mathrm{L}] \)
発熱量で割る
★約19,000 L

ドラム缶(200 L)で約94本——それが10 g のウランに相当します。

答え正解は (4)——約19,000 L です。

この型の出題パターン

E=mc² の問題は、繰り返し形を変えて出題されています

年度与えられる質量換算先答え
★平成23年度 A4★燃料1 kg(濃縮度3 %)★エネルギーそのもの★2.43×1012 J
★平成24年度 A4★ウラン0.01 kg★重油[L]★19,000 L
★令和元年度 A4★ウラン1 g★石炭[kg](2.51×104★3,200 kg
★令和6年度上期 A4★ウラン1 g★石炭[kg](25,000)★3,200 kg

与えられる質量と、換算先の燃料が変わるだけ——骨格はいつも同じです。

やること注意
核分裂する質量を求める★濃縮度が与えられたら掛ける
質量欠損=質量×0.09 %★0.0009 を掛ける
kg に直す★g のままだと1000倍ずれる
E=mc²(c²=9×1016★答えは J
燃料の発熱量で割る★J を kJ に直してから

本問は①が不要(濃縮度が与えられない)で③も不要(最初から kg)——最も手数が少ない形だと言えます。

⚠️ よくある間違い
質量を g に直してしまう——0.01 kg=10 g ですが、E=mc² は kg で計算します。わざわざ直す必要はありません
J を kJ に直し忘れる——8.1×1011/43,000=1.88×107となって桁が3つずれます
0.09 % を0.9 % と読む——答えが10倍の190,000 L になります。選択肢にないので気づけます
c を2乗し忘れる——9×10-6×3×108=2,700桁が大きく外れます
選択肢が2倍刻み(950/1,900/9,500/19,000/38,000)——桁の誤りが素直に現れる作りになっています。

⏱️ 本番での進め方
①★c²=9×1016。この値を覚えておく。
②★kJ/L なら体積[L]、kJ/kg なら質量[kg]が求まる。
③J → kJ は÷10³。発熱量の単位に合わせる。
④質量が kg で与えられていれば、そのまま使える。

💡 覚え方
「単位を見れば答えの単位が分かる」——kJ/L で割れば L が出ますc²=9×1016 と÷10³——この2つで解けます

同じ型の問題が令和元年度 A問題4原子力:E=mc²で石炭換算)、令和6年度上期 A問題4原子力:E=mc²で石炭換算)にあります。

重油の発熱量の表し方

燃料の発熱量は、質量あたりと体積あたりの2通りで表されます

燃料質量あたり体積あたり
★重油約44,000 kJ/kg★約43,000 kJ/L
石炭25,000〜34,000 kJ/kg—(固体なので使わない)
LNG約54,700 kJ/kg

液体燃料は体積で取引されることが多い——だからリットルあたりの値もよく使われます

\( \dfrac{43\,000}{44\,000}=0.98\ [\mathrm{kg/L}] \)
2つの値から密度が出る
★重油の密度

重油の密度は約0.98 kg/L——水よりわずかに軽いのです。

だから kJ/kg と kJ/L の値が近くなります——44,000 と43,000 という数字の関係がそこから来ています。

求める単位から逆算する

問題文が[L]を問うている——だから kJ/L で割るのです。

もし[kg]を問われていたら、44,000 kJ/kg で割る——与えられた発熱量の単位が、そのまま答えの単位を決めます

計算を始める前に、単位を確かめる——それだけで方針が定まります

要点をもう一度

0.01 kg の0.09 % =9×10-6 kg——最初から kg なので換算は不要です。

E=9×10-6×9×1016=8.1×1011 J——kJ に直して43,000 で割ると約19,000 L になります。

発熱量が kJ/L なので答えは L——単位が答えの形を決めています

桁を確かめる習慣

確認すること本問では
★質量の単位★kg か g か
★エネルギーの単位★J か kJ か
★発熱量の単位★kJ/kg か kJ/L か

3か所すべてで単位を確かめる——1つ間違えると1000倍ずれます

選択肢が2倍刻みで並んでいる——桁の誤りが素直に現れる作りです。

計算そのものは掛け算と割り算だけ——確実に得点したい問題でしょう。

ウランと重油を並べて見る

本問の結果から、エネルギー密度の差が読み取れます

燃料本問での量同じエネルギー
★ウラン235★0.01 kg(10 g)★8.1×1011 J
★重油★約19,000 L★同じ
\( 19\,000\times 0.98=18\,600\ [\mathrm{kg}] \)
重油を質量に直すと
★約18.6 t
\( \dfrac{18\,600}{0.01}=1.86\times 10^6 \)
ウランとの質量比
★約186万倍

質量で比べると約186万倍——桁が6つ違います

化学反応は電子のやりとり、核分裂は原子核の変化——結びつきの強さがまったく違うのです。

だから原子力は燃料の輸送も貯蔵も負担が小さい——数年分をまとめて備蓄できます

まとめ

質量欠損Δm=0.01×0.0009=9×10⁻⁶kg
エネルギーE=9×10⁻⁶×9×10¹⁶=8.1×10¹¹J
kJへ8.1×10⁸kJ
重油換算8.1×10⁸/43000≒18837L
答え≒19000L→(4)

▼あわせて解きたい関連問題
・濃縮度つきE=mc²の重油kL換算(原子力6):【電力】令和5年度上期 A問題4

・この年度の問題を通しで解く:電験3種 平成24年度 問題一覧(全4科目)

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