配電41【電験3種 電力】LRTで送出電圧・柱上変圧器タップ・SVR・太線化!配電の電圧調整 平成20年度 A問題13 完全解説

電験3種 電力科目 配電 平成20年度 A問題13 送出電圧からタップまで!電圧調整の総まとめ

今回は平成20年度 電力科目 A問題13配電線路の電圧調整の空欄補充問題です。配電用変電所から高圧配電線路の末端まで、電圧を適正範囲に維持する調整手段が段階的に問われます。

4つの空欄:変電所では負荷時タップ切換変圧器(LRT)で送出電圧を調整、柱上変圧器のタップ調整で二次側を調整、長距離では配電用自動電圧調整器(SVR)を途中に施設、さらに電線の太線化で電圧降下を軽減——電圧調整の全手段が整理できます。

目次

答えは(4):LRT・タップ調整・SVR・太線化

変電所から末端へ、上流から順に手を打っています

空欄正解どこで働くか
★(ア)★★負荷時タップ切換変圧器(LRT)★★配電用変電所
★(イ)★★タップ調整★★柱上変圧器
★(ウ)★★配電用自動電圧調整器(SVR)★★高圧配電線の途中
★(エ)★★太線化★★電線そのもの

平成20年度 電力科目 A問題13:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 配電 平成20年度 A問題13 問題文
平成20年度 電力科目 A問題13 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成20年度 第三種電気主任技術者試験」電力科目 A問題13

電験3種 電力科目 【配電】 平成20年度 A問題13

 次の文章は、配電線路の電圧調整に関する記述である。

 配電線路より電力供給している需要家への供給電圧を適正範囲に維持するため、配電用変電所では、一般に(ア)によって、負荷変動に応じて高圧配電線路への送出電圧を調整している。

 高圧配電線路においては、一般的に線路の末端になるほど電圧が低くなるため、高圧配電線路の電圧降下に応じ、柱上変圧器の(イ)によって二次側の電圧調整を行っていることが多い。

 また、高圧配電線路の距離が長い場合など、(イ)によっても電圧降下を許容範囲に抑えることができない場合は、(ウ)や、開閉器付電力用コンデンサ等を高圧配電線路の途中に施設することがある。

 さらに、電線の(エ)によって電圧降下を軽減する対策をとることもある。

 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)配電用自動電圧調整器タップ調整負荷時タップ切換変圧器太線化
(2)配電用自動電圧調整器取替負荷時タップ切換変圧器細線化
(3)負荷時タップ切換変圧器タップ調整配電用自動電圧調整器細線化
(4)負荷時タップ切換変圧器タップ調整配電用自動電圧調整器太線化
(5)負荷時タップ切換変圧器取替配電用自動電圧調整器太線化
答え答えは(4)です。

電圧調整の手段を上流から並べる

場所手段調整のしかた
★配電用変電所★★LRT(負荷時タップ切換変圧器)★★無停電で自動的にタップを切り換える
★高圧配電線の途中★★SVR(配電用自動電圧調整器)★★通過点で電圧を持ち上げる
★高圧配電線の途中★★開閉器付電力用コンデンサ★★無効電力を減らして降下を抑える
★柱上変圧器★★タップ調整★★設置時に固定して合わせる
★電線★★太線化★★抵抗を下げて降下そのものを減らす

LRT は負荷の変動に合わせて自動で動きます——時々刻々変わるのです。

柱上変圧器のタップは、設置のときに合わせて固定します——末端ほど高いタップにするのです。

それでも足りない長距離線路にはSVRを途中に置きます——そこからまた電圧が持ち上がるのです。

太線化は根本的な対策ですが、費用がかかります——最後の手段になります。

なぜ末端ほど電圧が下がるのか

位置その先の負荷流れる電流電圧
★変電所に近い★★全部の負荷★★最も大きい★★ほぼ送出電圧
★中間★半分ほど★中くらい★少し下がる
★末端★★ほぼゼロ★★ほぼゼロ★★最も低い

電圧降下は、そこまでの区間の降下の積み重ねです——末端ほど積み重なるのです。

末端の電流は小さくても、手前の区間では大きい——だから降下が生じるのです。

だから電圧調整は、末端を基準に考えます——そこが最も厳しいから。

低圧の需要家に101±6 V を届けるのが目標です——電気事業法で定められているのです。

⚠️ よくある間違い
(ア)と(ウ)を入れ替える——変電所がLRT、線路の途中がSVRです。
(イ)を取替とする——タップ調整で足ります
(エ)を細線化とする——抵抗が増えて逆効果です。
柱上変圧器のタップが自動だと考える——設置時に固定します。
電圧調整を1つの手段だけと考える——組み合わせて使います

⏱️ 本番での進め方
①★変電所=LRT、線路の途中=SVR。
②★柱上変圧器はタップ調整(設置時に固定)。
③★太線化は抵抗を下げる根本対策。
④★細線化は逆効果なので必ず誤り。

💡 覚え方
「変電所LRT→途中SVR→柱上タップ→太線化」——上流から下流へ順に並べますLRTとSVRの場所を取り違えない——選択肢はそこを入れ替えてくるのです。

電圧調整と調相設備は送電の計算の単元送電の計算:電圧降下率と調相設備)でも扱っています。

SVRはどう働くか

配電線の途中に置く、自動の変圧器です

項目内容
★正式名称★★配電用自動電圧調整器(Step Voltage Regulator)
★置く場所★★高圧配電線の途中(電圧が下がりきる手前)
★しくみ★★単巻変圧器のタップを自動で切り換える
★動作★★通過する電流を見て、必要なだけ昇圧する

SVRを通ると、そこから先の電圧が持ち上がります——段差ができるイメージです。

負荷が増えて電圧が下がれば、自動でタップが上がります——だから自動電圧調整器なのです。

長い配電線では、途中に何台も置くことがあります——末端まで電圧を保つため。

変電所のLRTだけでは、末端まで面倒を見きれません——だから途中で補うのです。

柱上変圧器のタップをどう決めるか

設置する場所によって選びます

設置場所高圧側の電圧選ぶタップねらい
★変電所に近い★★6600 V に近い★★6600 V タップ★★二次側を105 V にする
★線路の中間★★少し下がっている★★6450 V タップ★同上
★線路の末端★★さらに下がっている★★6300 V タップ★同上

末端では高圧側の電圧が下がっています——だから低いタップを選ぶのです。

低いタップとは、一次巻数が少ないという意味です——同じ二次電圧を得られるのです。

こうして、どこでも二次側がほぼ同じ電圧になります——それが(イ)のタップ調整です。

設置時に決めるので、負荷変動には追従しません——そこがLRTとの違いです。

開閉器付電力用コンデンサの働き

(ウ)にSVRと並んで挙げられている機器です

SVR開閉器付電力用コンデンサ
★働き方★★電圧そのものを昇圧する★★無効電力を減らして降下を抑える
★効く範囲★★そこから先すべて★★設置点より手前の区間
★副次的な効果★特になし★★力率が改善し損失も減る

電圧降下は PR+QX で決まります——Q を減らせば降下も減るのです。

コンデンサを置くと、そこから先のQ が線路を流れません——手前の区間の降下が減るのです。

開閉器付なので、軽負荷時には切り離せます——入れっぱなしだと電圧が上がりすぎるから。

SVRとは効き方が違うので、使い分けます——両方を挙げているのはそのためです。

電圧を保つ目標値

何のために調整するのかを押さえます

電圧維持すべき範囲根拠
★★標準電圧100 V★★101 V の上下6 V を超えない(95〜107 V)★★電気事業法施行規則
★★標準電圧200 V★★202 V の上下20 V を超えない(182〜222 V)★★同上

この範囲を外れると、機器が正しく働きません——だから法令で決められているのです。

電圧が低すぎると、電動機が回りきらず加熱します——電流が増えるから。

電圧が高すぎると、電球や電子機器の寿命が縮みます——どちらも困るのです。

だから変電所から末端まで、何段階も手を打ちます——本問の4つの手段です。

目標が決まっているから、手段が要る——そこを意識すると覚えやすいのです。

LRTとSVRはどこが違うか

名前が似ていますが、置き場所も規模も違います

LRTSVR
★正式名称★★負荷時タップ切換変圧器★★配電用自動電圧調整器
★置く場所★★配電用変電所★★高圧配電線の途中
★何を調整するか★★配電線への送出電圧★★その地点から先の電圧
★構造★★主変圧器にタップ切換装置を付けたもの★★単巻変圧器+タップ切換装置

LRTは変電所の主変圧器そのものです——大きな設備になります。

SVRは配電線の途中に吊るす、小さな装置です——電柱に載る大きさです。

選択肢はこの2つを入れ替えて誤りを作ります——(1)と(2)がそれです。

「変電所ならLRT」と覚えておけば間違えません

まとめ

(ア)負荷時タップ切換変圧器(変電所)
(イ)タップ調整(柱上変圧器)
(ウ)配電用自動電圧調整器(SVR・線路途中)
(エ)太線化(電圧降下軽減)
答え(4)

▼あわせて解きたい関連問題
・配電線路の電圧調整(配電21):【電力】平成29年度 A問題13
・配電線路の電圧調整(配電34):【電力】平成23年度 A問題13

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