配電42【電験3種 電力】非接地は地絡電流数〜数十A・地絡方向継電方式・V結線三相4線式・高圧カットアウト!平成19年度 A問題13 完全解説

電験3種 電力科目 配電 平成19年度 A問題13 高圧配電は非接地!地絡電流と保護方式を確認

今回は平成19年度 電力科目 A問題13わが国の高低圧配電系統に採用されている配電方式の空欄補充問題です。高圧の非接地方式・地絡保護・低圧の電灯動力共用・柱上変圧器の保護と、配電方式の基本が総ざらいできます。

4つの空欄:高圧は三相3線式中性点非接地方式で一線地絡電流は数〜数十アンペア、引出口には地絡方向継電方式で地絡保護。低圧の電灯動力共用はV結線三相4線式、柱上変圧器の過電流保護は高圧カットアウト——配電の要点がまるごと問われます。

目次

平成19年度 電力科目 A問題13:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 配電 平成19年度 A問題13 問題文
平成19年度 電力科目 A問題13 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成19年度 第三種電気主任技術者試験」電力科目 A問題13

電験3種 電力科目 【配電】 平成19年度 A問題13

 次の文章は、わが国の高低圧配電系統に採用されている配電方式に関する記述である。

 わが国の高圧配電系統では、主として三相3線式中性点非接地方式が採用されており、一般に一線地絡事故時の地絡電流は(ア)アンペア程度であることから、配電用変電所の高圧配電線引出口には、地絡保護のために(イ)継電方式が採用されている。

 低圧配電系統では、電灯線には単相3線式が採用されており、単相3線式の電灯と三相3線式の動力を共用する方式として(ウ)も採用されている。柱上変圧器には、過電流保護のために(エ)が設けられ、柱上変圧器内部及び低圧配電系統内での短絡事故を高圧配電系統側に波及させないよう施設している。

 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)百〜数百過電流V結線三相4線式高圧カットアウト
(2)百〜数百地絡方向Y結線三相4線式配線用遮断器
(3)数〜数十地絡方向Y結線三相4線式高圧カットアウト
(4)数〜数十過電流V結線三相4線式配線用遮断器
(5)数〜数十地絡方向V結線三相4線式高圧カットアウト
答え答えは(5)です。

答えは(5):数〜数十・地絡方向・V結線三相4線式・高圧カットアウト

高圧から低圧へ、順に降りていく構成です

空欄正解どこの話か
★(ア)★★数〜数十★★高圧の一線地絡電流
★(イ)★★地絡方向★★引出口の保護継電方式
★(ウ)★★V結線三相4線式★★低圧の電灯動力共用
★(エ)★★高圧カットアウト★★柱上変圧器の過電流保護

V結線三相4線式のしくみ

1組の変圧器で、電灯と動力の両方をまかないます

電灯用の変圧器動力用の変圧器
★容量★★大きい(電灯負荷を持つ)★★小さい
★中性線★★二次巻線の中点から出す★★出さない
★取り出す電源★★単相100/200 V★★三相200 V(2台で作る)

2台をV結線すると、三相200 V が得られます——これが動力用

そのうち1台の中点から中性線を出します——これが電灯用の100 V

だから電線は全部で4本になります——三相3本+中性線1本=三相4線式

2台の容量が違うので、異容量V結線とも呼ばれます——電灯側を大きくするのです。

Y結線ではありません——柱上では単相変圧器を組み合わせるのです。

過電流継電方式と地絡方向継電方式

過電流継電方式地絡方向継電方式
★何を検出するか★★線電流の大きさ★★零相電流と零相電圧の位相
★守る事故★★短絡・過負荷★★一線地絡
★なぜ必要か★★短絡電流は大きい★★地絡電流は小さく大きさでは分からない

地絡電流が数〜数十アンペアでは、過電流継電器では検出できません——負荷電流のほうが大きいから。

だから零相電流を取り出して見ます——3線をまとめて通すのです。

さらに零相電圧との位相を比べて方向を判定します——自分の線路か隣の線路かを見分けるのです。

だから(イ)は地絡方向——単なる過電流では足りないのです。

⚠️ よくある間違い
(ア)を百〜数百とする——非接地なので数〜数十です。
(イ)を過電流とする——地絡電流は小さいので方向で判定
(ウ)をY結線三相4線式とする——柱上はV結線です。
(エ)を配線用遮断器とする——それは屋内配線用です。
V結線三相4線式を単相3線式と混同する——三相も同時に取り出します

⏱️ 本番での進め方
①★高圧配電=非接地、地絡電流は数〜数十アンペア。
②★引出口の地絡保護は地絡方向継電方式。
③★電灯動力共用=V結線三相4線式。
④★柱上変圧器の過電流保護=高圧カットアウト。

💡 覚え方
「数〜数十・地絡方向・V結線4線・カットアウト」——高圧から低圧へ順に降りると覚えます。三相3本+中性線1本で4線——電灯と動力を1組でまかなうのです。

配電の接地方式は平成26年度 A問題11配電:配電線路の接地方式)にあります。

波及事故を防ぐという考え方

(エ)の高圧カットアウトの役目です

カットアウトが働く場合働かない場合
★事故の起きた場所★★柱上変圧器の内部や低圧側★同じ
★停電する範囲★★その変圧器につながる数軒★★配電線1本すべて
★誰が困るか★★数軒だけ★★数百〜数千軒

低圧側の短絡は、高圧側から見れば過電流です——そのままだと引出口の遮断器が動くのです。

そうなると配電線1本が丸ごと停電します——これが波及事故です。

その前にカットアウトのヒューズが溶けます——下位が先に動くのです。

この動作の順序を保護協調といいます——下流ほど早く動かすのが原則です。

単相3線式とV結線三相4線式

問題文はこの2つを並べています

単相3線式V結線三相4線式
★変圧器★★単相1台★★単相2台(V結線)
★電線の本数★★3本★★4本
★取り出せる電源★★単相100 V・200 V★★単相100/200 V + 三相200 V
★向いている需要家★★住宅★★商店・小工場

住宅だけなら、三相は要りません——単相3線式で足りるのです。

商店では冷蔵ケースやエアコンの電動機を使います——だから三相も要るのです。

両方を1組の変圧器でまかなうのがV結線三相4線式——電柱の上が簡素になるのです。

問題文が「共用する方式」と書いているのはそのこと——だから(ウ)が決まるのです。

零相電圧をどうやって取り出すか

(イ)の地絡方向継電方式に必要な量です

平常時一線地絡時
★3相の対地電圧のベクトル和★★ゼロ★★ゼロでなくなる
★零相電圧★★現れない★★現れる
★取り出す装置★—★★接地形計器用変圧器(EVT・GPT)

3相がつり合っていれば、ベクトル和はゼロです——だから平常時は何も出ないのです。

地絡すると、つり合いが崩れて電圧が現れます——それが零相電圧です。

零相電流と零相電圧の位相を比べると、方向が分かります——自分の線路か隣の線路か

この判別ができないと、健全な線路まで切ってしまいます——だから方向継電方式が要るのです。

非接地方式が配電に向いている理由

(ア)の数〜数十アンペアが、いろいろな利点を生みます

利点理由
★★人への危険が小さい★★地絡点に流れる電流が小さい
★★通信への誘導が小さい★★電流が小さければ誘導も小さい
★★混触時の電圧上昇を抑えやすい★★B種接地に流れる電流が小さい
★設備が簡単★★接地変圧器や抵抗器が要らない

配電線は住宅街や商店街を通ります——人が近くにいるのです。

だから地絡電流を小さく保つことに意味があります——安全のためです。

そのかわり、健全相の対地電圧が√3倍に上がります——絶縁に余裕をもたせるのです。

利点と代償を理解しておけば、空欄も選びやすくなります

高圧配電の全体像を組み立てる

本問の4つの空欄は、系統をたどる順に並んでいます

位置何があるか本問の空欄
★配電用変電所の引出口★★遮断器+地絡方向継電器★★(イ)
★高圧配電線★★三相3線式・中性点非接地★★(ア)の前提
★柱上変圧器の一次側★★高圧カットアウト★★(エ)
★柱上変圧器の二次側★★単相3線式・V結線三相4線式★★(ウ)

変電所から需要家まで、順に降りていきます——問題文の流れそのものです。

それぞれの段で、守る装置と配る方式が決まっています——役割分担ができているのです。

この全体像を持っていれば、空欄はすぐ埋まります——個別に暗記しなくてよいのです。

配電の問題は、この骨組みを繰り返し問うてきます

配電方式の問題でよく出る語

本問の空欄は、繰り返し出題される語ばかりです

結び付く内容
★非接地方式★★地絡電流が数〜数十アンペア
★地絡方向継電方式★★零相電流と零相電圧の位相で判定
★V結線三相4線式★★電灯と動力の共用
★高圧カットアウト★★柱上変圧器の過電流保護

4つとも、別の年度でも問われています——覚える価値が高いのです。

語と内容をセットで覚えておきましょう

まとめ

(ア)数〜数十(アンペア・非接地の地絡電流)
(イ)地絡方向(継電方式)
(ウ)V結線三相4線式(電灯動力共用)
(エ)高圧カットアウト(過電流保護)
答え(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・非接地方式の一線地絡(配電28):【電力】平成26年度 A問題11
・高低圧配電系統の保護(配電20):【電力】平成29年度 A問題12

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