パワエレ33【電験3種 機械】単相サイリスタ整流回路の転流動作!令和元年 A問題10 完全解説

電験3種 機械科目【パワーエレクトロニクス】令和元年度 A問題10 単相サイリスタ整流回路の転流動作

今回は令和元年度 機械科目 A問題10を解説します。純抵抗負荷に接続された単相サイリスタ整流回路で、サイリスタの導通の組合せと転流(ターンオフ)動作、直流側電圧の関係を問う空欄補充問題です。

π<ωt<2πの位相ではv<0なので、点弧する対はT2とT3です。純抵抗負荷では位相πで電流が0となり、T4は保持電流を下回って自然にオフします。その後T2を点弧するとT4には逆電圧が印加されます。T2,T3導通中はA端子とN母線が同電位なのでvd=−vです。

目次

令和元年度 機械科目 A問題10:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 機械科目 パワーエレクトロニクス 令和元年度 A問題10 問題文
令和元年度 機械科目 A問題10 問題文

電験3種 機械科目 【パワーエレクトロニクス】 令和元年度 A問題10

 次の文章は,単相サイリスタ整流回路に関する記述である。

 図1には純抵抗負荷に接続された単相サイリスタ整流回路を示し,T1〜T4のサイリスタはオン電圧降下を無視できるものとする。また,図1中の矢印の方向を正とした交流電源の電圧v=√2V sinωt〔V〕及び直流側電圧vdの波形をそれぞれ破線及び実線で図2に示す。

 図2に示した交流電圧の位相において,π<ωt<2πの位相で同時にオン信号を与えるサイリスタは(ア)である。

 交流電圧1サイクルの中で,例えばサイリスタT4からT2へ導通するサイリスタが換わる動作を考える。T4がオンしている状態から位相πで電流が零になる。T4はオフ状態となる。その後,制御遅れ角αを経てT2にオン信号を与えると,電流がT2に流れる。このとき既に電流が零になったT4には,交流電圧vが(イ)として印加される。すなわち,(ウ)であるサイリスタは,極性が変わる交流電圧を利用してターンオフすることができる。

 次に交流電圧と直流側電圧の関係について考える。サイリスタT2とT3がオンしている期間は交流電源の(エ)と直流回路のN母線が同じ電位になるので,このときの直流側電圧vdは(オ)と等しくなる。

上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)
(1)T2とT3順電圧オン制御デバイスA端子交流電圧の逆方向電圧-v
(2)T1とT4逆電圧オン制御デバイスB端子交流電圧v
(3)T2とT3逆電圧オン制御デバイスA端子交流電圧の逆方向電圧-v
(4)T1とT4順電圧オンオフ制御デバイスB端子交流電圧の逆方向電圧-v
(5)T2とT3逆電圧オンオフ制御デバイスB端子交流電圧v
図1 単相サイリスタ整流回路(T1〜T4)と図2 電源電圧・直流側電圧波形
図1 単相サイリスタ整流回路(T1〜T4)と図2 電源電圧・直流側電圧波形
令和元年度 A問題10 選択肢の波形(グラフ)
選択肢(1)〜(5)

出題のポイント:半周期ごとの導通ペアと出力電圧

単相サイリスタブリッジで交流電圧の正負に対応する導通ペアと出力電圧を整理した表
正半周期はT1・T4、負半周期はT2・T3を点弧し、後者の導通中はvd=−vです。

交流電圧vが正の半周期ではT1・T4、負の半周期ではT2・T3を対角に点弧します。純抵抗負荷では位相πで負荷電流が自然に0となり、導通中のサイリスタは保持電流を下回ってオフします。その後、πから遅れ角α後に次の対を点弧すると、前の素子には逆電圧が印加され、再導通が抑えられます。T2・T3導通中はvd=-vです。

ポイント解説:純抵抗負荷における自然転流

純抵抗負荷の電流が0になってT4がオフしT2とT3へ自然転流する時系列図
電流が保持電流を下回ってオフし、その後の逆電圧で再導通が抑制されます。

π<ωt<2πの位相ではv<0なので、点弧するサイリスタはT2とT3です。位相πで純抵抗負荷の電流が0となり、T4は保持電流を下回ってオフします。その後T2を点弧すると、T4には逆電圧が印加されて再導通が抑制されます。サイリスタはオン制御デバイスで、ゲートだけではターンオフできません。

T2,T3導通中はA端子とN母線が同電位になるので、vd=−v(交流電圧の逆方向電圧)です。

問題の解説:導通ペア・逆電圧・出力極性

空欄アからオにT2とT3、逆電圧、オン制御デバイス、A端子、マイナスvを示す解答図
空欄の正しい組合せは(3)です。

STEP1 (ア)π〜2πで導通するサイリスタを判定する

この区間ではv<0なので、電流の向きから導通すべきはT2とT3です。

STEP2 (イ)(ウ)ターンオフの仕組みを判定する

位相πで負荷電流が0となってT4が保持電流を下回るため、T4は自然にオフします。その後T2がオンするとT4には逆電圧が印加されます。サイリスタはオン制御デバイスであり、ゲート信号だけではターンオフできません。

STEP3 (エ)(オ)直流側電圧の関係を判定する

T2,T3導通中は交流電源のA端子とN母線が同電位になるため、vd交流電圧の逆方向電圧-vと等しくなります。組合せは(3)です。

答え:(3)

💡 覚え方
サイリスタはオン制御デバイス=逆電圧でターンオフ。T2,T3導通中はA端子とN母線が同電位でvd=-v。

⚠️ よくある間違い
本問の純抵抗負荷では、まず電流が0になってサイリスタがオフし、その後に逆電圧が印加されます。逆電圧と電流零の順序を混同しないようにしましょう。

まとめ

(ア)T2とT3
(イ)逆電圧
(ウ)オン制御デバイス
(エ)A端子
(オ)交流電圧の逆方向電圧-v
答え(3)

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