今回は平成19年度 法規科目 A問題3、小出力発電設備(現在の小規模発電設備)の出力上限を問う問題です。この数字は法規のあらゆる問題の土台になります。
覚え方は「回るものは20、燃やすものは10」。風力20kW未満・水力20kW未満、内燃力10kW未満・燃料電池10kW未満・スターリング10kW未満。太陽電池だけが別枠で、現在は50kW未満です。
平成19年度 法規科目 A問題3:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成19年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題3
電験3種 法規科目 【電気事業法】 平成19年度 A問題3
次の文章は、「電気事業法施行規則」に基づく、一般用電気工作物に該当する小出力発電設備に関する記述である。
小出力発電設備とは、次に掲げる発電用の電気工作物であって、出力が次の値未満のものをいう。
a. 風力発電設備であって出力(ア)kW未満のもの
b. 内燃力を原動力とする火力発電設備であって出力(イ)kW未満のもの
c. 燃料電池発電設備であって出力(ウ)kW未満のもの
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる数値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(注)平成19年度は公式問題PDFが公表されていないため、条文と過去問データに基づいて問題文を再構成しています。
(ア) (イ) (ウ) (1) 20 20 20 (2) 10 10 10 (3) 15 15 15 (4) 20 10 20 (5) 20 10 10

答えは(5):風力20・内燃力10・燃料電池10
覚え方は「回るものは20、燃やすものは10」——風力と水力が20kW、内燃力と燃料電池とスターリングが10kWです。
燃料を使うタイプの上限が厳しいのは、火災や排ガスの危険があるから——理由から考えれば取り違えません。
太陽電池だけが別枠で、現在は50kW未満です——改正を重ねて拡大されてきたところです。
小規模発電設備の一覧
| 種類 | 出力の上限 | 覚え方 |
| ★太陽電池 | ★★50kW未満 | ★★別枠。改正で拡大 |
| ★風力 | ★★20kW未満 | ★★回るもの |
| ★水力 | ★★20kW未満 | ★★回るもの |
| ★内燃力 | ★★10kW未満 | ★★燃やすもの |
| ★燃料電池 | ★★10kW未満 | ★★燃やすもの |
| ★スターリング | ★★10kW未満 | ★★燃やすもの |
合計でも50kW未満という上限がかかります——個別の上限と合計の上限、両方があるのです。
水力には、ダムを伴わないことなどの条件も付きます——出力だけでは決まらない点に注意しましょう。
★令和5年3月からの大きな変更
| 設備 | 改正前 | 改正後 |
| ★太陽電池10kW未満 | ★★一般用 | ★★一般用(変わらず) |
| ★太陽電池10kW以上50kW未満 | ★★一般用 | ★★小規模事業用(事業用) |
| ★風力20kW未満 | ★★一般用 | ★★小規模事業用(事業用) |
小規模事業用電気工作物という区分が新しく作られました——事業用ではあるが、主任技術者の選任は不要という中間の扱いです。
太陽光と風力の事故が増えたことが背景にあります——一般用のままでは保安が担保できなくなったのです。
本試験では必ず現行基準で判断してください——古い過去問の解説をそのまま覚えると事故になります。
小規模事業用に課される義務
| 義務 | あるか |
| ★技術基準適合維持 | ★★ある |
| ★使用前自己確認 | ★★ある |
| ★基礎情報の届出 | ★★ある |
| ★主任技術者の選任 | ★不要 |
| ★保安規程の届出 | ★不要 |
人を置く義務は外して、設備の基準は守らせる——負担と保安のつり合いを取った設計です。
太陽光の使用前自己確認は、500kW以上2000kW未満が対象です——こちらの数字もセットで覚えておきましょう。
なぜ出力で線を引くのか
出力が大きいほど、事故が起きたときの影響が大きくなります——だから規制の重さを出力で変えているのです。
小さい設備にまで主任技術者を求めると、誰も設置できなくなります——普及と保安のバランスが線引きの理由です。
太陽電池の上限が引き上げられてきたのも、この考え方の表れです——普及を後押しするために枠を広げたのです。
一般用電気工作物の3つの条件
| 条件 | 内容 |
| ★①受電電圧 | ★★600V以下で受電する |
| ★②発電設備 | ★★同一構内に小規模発電設備以外の発電設備がない |
| ★③構外接続 | ★★受電用以外の電線路で構外とつながっていない |
3つとも満たしてはじめて一般用です——1つでも外れれば自家用になります。
本問の小出力発電設備は、②の条件に出てくる用語です——定義の中の定義という位置づけになります。
数字を取り違えないための対比
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 内燃力10kW未満 | ★★内燃力10kW未満 | ★内燃力20kW未満 | ★★燃やすものは10kW |
| 燃料電池10kW未満 | ★★燃料電池10kW未満 | ★燃料電池20kW未満 | ★★燃やすものは10kW |
| 太陽電池50kW未満 | ★★太陽電池50kW未満 | ★太陽電池10kW未満 | ★★改正で50kWに拡大済み |
ダミーは、20と10を入れ替える形で作られます——「回る・燃やす」で分けておけば迷いません。
古い問題では太陽電池が10kW未満や20kW未満になっています——出題年度を確かめる習慣をつけましょう。
なぜ太陽電池だけ別枠なのか
太陽電池には回転する部分も燃焼もありません——機械的な危険や火災の危険が小さいのです。
だから他の設備より高い出力まで一般用として扱えました——上限が50kWまで引き上げられた理由です。
ただし感電やパネルの飛散といった事故は起こります——だから10kW以上は事業用に格上げされたのです。
出力は合計にも上限がある
| 見る対象 | 上限 |
| ★設備ごと | ★★太陽50・風力20・水力20・内燃力10・燃料電池10・スターリング10 |
| ★同一構内の合計 | ★★50kW未満 |
1台ずつは基準内でも、合計が50kWに達すれば一般用ではなくなります——個別と合計の二重のふるいです。
判定問題では、合計を計算させる形で出されます——足し忘れないよう気をつけましょう。
⏱️ 本番での進め方
① 「回るものは20、燃やすものは10」で反射的に埋める。
② 太陽電池が出てきたら現行の50kW未満で判断する。
③ 合計の上限50kW未満も忘れない。
④ 令和5年3月以降は風力すべてと太陽光10kW以上は事業用。
判定問題での使い方
| 例 | 判定 |
| ★低圧受電+太陽電池8kW | ★★一般用 |
| ★低圧受電+太陽電池30kW | ★★小規模事業用(事業用) |
| ★低圧受電+内燃力15kW | ★★自家用(10kW以上なので小規模でない) |
同じ低圧受電でも、置いてある発電設備で区分が変わります——受電電圧だけでは決まらないのです。
だから数字を覚えていないと、判定問題では手が止まります——まずこの表を頭に入れましょう。
出題履歴——数字は形を変えて何度も出る
| 年度 | 問われ方 |
| ★平成19年度 問3 | ★★風力・内燃力・燃料電池の数字(本問) |
| ★平成21年度 問2 | ★★一般用に該当するかを選ぶ |
| ★令和6年度下期 問1 | ★★現行制度で一般用該当を判定 |
平成27年度 A問題1(自家用の定義)と裏表の関係にあります。一般用の条件と自家用の類型は、同時に覚えるのが効率的です。
この数字は他の問題を解く前提にもなります——まっさきに固めるべき知識です。
💡 覚え方
小規模発電設備=太陽電池50kW未満/風力20kW未満/水力20kW未満/内燃力10kW未満/燃料電池10kW未満/スターリング10kW未満、合計50kW未満。うち太陽電池10kW以上と風力すべては小規模事業用電気工作物(事業用)。
⚠️ よくある間違い
内燃力・燃料電池を20kWとしない——10kW未満。太陽電池の上限は改正で50kW未満に拡大済み。現行では風力は一般用にならない点に注意。
まとめ
| (ア) | 20(風力・kW未満) |
| (イ) | 10(内燃力・kW未満) |
| (ウ) | 10(燃料電池・kW未満) |
| 水力 | 20kW未満 |
| 太陽電池(現行) | 50kW未満 |
| 答え | (5) |
▼あわせて解きたい関連問題
・一般用電気工作物の該当(電気事業法3):【法規】令和6年度下期 A問題1
・一般用電気工作物の該当(電気事業法33):【法規】平成21年度 A問題2

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