電気事業法39【電験3種 法規】遮断電流20%以上の変更は届出!6600Vは対象外 平成19年度 A問題2 完全解説

電験3種 法規科目 電気事業法 平成19年度 A問題2 遮断電流を20%以上変えたら届出!6600Vは除く

今回は平成19年度 法規科目 A問題2工事計画の事前届出の対象を選ぶ問題です。平成25年度 A問題2とほぼ同じ切り口で、数字だけを変えて繰り返し出題されています。

判定は2段階。まず受電電圧1万V以上か(6600Vはすべて対象外)。次にその機器がどう変わるか——遮断器なら遮断電流の20%以上の変更を伴う改造が届出対象です。

目次

平成19年度 法規科目 A問題2:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成19年度 A問題2 問題文
平成19年度 法規科目 A問題2 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成19年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題2

電験3種 法規科目 【電気事業法】 平成19年度 A問題2

 「電気事業法」及び「電気事業法施行規則」に基づき、事業用電気工作物の設置又は変更の工事の計画には経済産業大臣に事前届出を要するものがある。次の工事のうち、事前届出の対象となるものを(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(注)平成19年度は公式問題PDFが公表されていないため、過去問データに基づいて問題文を再構成しています。

(1) 受電電圧6600Vで最大電力1900kWの需要設備の設置の工事

(2) 受電電圧22000Vの需要設備における受電用遮断器の25%の遮断電流の変更を伴う改造の工事

(3) 受電電圧6600Vで最大電力1500kWの需要設備における受電用遮断器の取替えの工事

(4) 受電電圧6600Vの需要設備における受電用変圧器(一次電圧6600V)の1250kV·Aの容量増加を伴う改造の工事

(5) 受電電圧22000Vの需要設備における受電用遮断器の保護装置の取替えの工事

答え事前届出の対象となるのは(2)——22000V・遮断電流の25%変更を伴う改造。

答えは(2):22000Vの遮断電流25%変更

この問題の肝は、電圧で切ったあとに「どの機器を・どう変えるか」まで見ることです——平成25年度より一段細かい判定が要ります。

内容判定
★(1)★★6600V・最大電力1900kWの需要設備を設置★対象外(電圧)
★(2)★★22000V・遮断電流25%変更を伴う改造★★対象=答え
★(3)★★6600V・受電用遮断器の取替★対象外(電圧)
★(4)★★6600V・変圧器1250kV・Aの容量増加★対象外(電圧)
★(5)★★22000V・遮断器の「保護装置」の取替★対象外(機器が違う)

(5)がこの問題の山場です——電圧は満たしているのに、取り替えるのが遮断器本体ではないのです。

★2段階の判定表

段階見るところ本問での結果
★第1段★★受電電圧が1万V以上か★★(1)(3)(4)が落ちる
★第2段★★どの機器を、どう変えるか★★(5)が落ちて(2)が残る

平成25年度の問題は第1段だけでほぼ決着しました——本問は第2段まで踏み込ませる作りになっています。

「対象になる機器か」「対象になる変え方か」の2つを確かめます——電圧だけで安心しないのがポイントです。

遮断電流の20%という境目

遮断器は、遮断電流の20%以上の変更を伴う改造が届出対象です——本問の25%は、これを超えています

遮断電流が変わると、系統事故のときに切れる能力が変わります——保護の設計そのものが変わるのです。

だから小さな変更は見逃し、大きな変更は確認する——20%という線が引かれている理由です。

★「遮断器」と「遮断器の保護装置」は別物

機器何をするか届出対象か
★遮断器★★大電流を切る本体★★対象(1万V以上)
★保護装置★★異常を検出して遮断器に指令する★対象外

保護装置は、いわば遮断器の頭脳にあたる継電器です——電流を切るのは、あくまで遮断器本体です。

条文が挙げているのは遮断器の設置・取替と遮断電流の変更——保護装置だけの取替は書かれていません

ここまで読ませるのが本問の狙いです——「22000Vだから対象」と早合点させる罠になっています。

変圧器の基準は容量で決まる

機器届出対象の基準
★遮断器★★設置・取替、遮断電流20%以上の変更
★変圧器★★容量1万kV・A以上
★需要設備全体★★受電電圧1万V以上

(4)は変圧器1250kV・Aの容量増加ですが、受電電圧が6600Vです——入口で落ちるので、容量を見るまでもありません

仮に22000Vだったとしても、1万kV・Aには届きません——二重に対象外です。

数字の大きさに引っかからない

(1)の1900kW、(3)の1500kW、(4)の1250kV・A——どれも大きな数字に見えます

しかし需要設備の入口条件は受電電圧だけです——kWやkV・Aは判断材料になりません

作問者は、この錯覚を狙って数字を並べています——まず電圧、と決めておけば動じません

届出のあとに何をするか

すること根拠
★①★★工事計画の届出(30日前まで)★★法48条
★②★★工事★★—
★③★★使用前自主検査★★法51条
★④★★安全管理審査★★法51条3項

届出をした工事には、必ず使用前自主検査がついてきます——計画どおりにできたかを確かめるためです。

逆に届出が不要なら、使用前自主検査も不要です——2つは連動していると覚えましょう。

届出が要る工事・要らない工事

工事1万V以上の需要設備では
★需要設備の設置★★対象
★遮断器の設置・取替★★対象
★遮断電流の20%以上の変更★★対象
★変圧器(1万kV・A以上)の設置・取替★★対象
★保護装置だけの取替★対象外

対象になるのは、系統への影響が大きい機器の工事だけです——細かい部品の交換までは求めていません

この一覧を頭に入れておけば、判定問題は即答できます

30日前という期限

工事計画の届出は、工事開始の30日前までに行います——行政が内容を確認する時間を確保するためです。

問題があれば、その間に変更や中止を命じられます——届出制でも、行政が止める余地は残されているのです。

「遅滞なく」ではなく具体的な日数が定められている珍しい例です——事前の手続だから、期限を切る必要があるのです。

⏱️ 本番での進め方
全部の肢の受電電圧だけを先に拾う——1万V未満は即落とす。
② 残った肢で「どの機器を」「どう変えるか」を確かめる。
「保護装置」は遮断器本体ではない——ここが本問の決め手。
kW・kV・Aの数字は無視してよい。需要設備は受電電圧で切る。

実務ではどう判断するか

設備を改修するたびに、届出が要るかどうかを判断します——主任技術者の日常業務のひとつです。

判断を誤って届出を出し忘れると、法令違反になります——だから基準は正確に覚えておく必要があるのです。

逆に、要らない届出まで出す必要もありません——線引きを知っていることが、そのまま実務の力になります

なぜ事前に届け出させるのか

事前届出事後報告
★タイミング★★工事の前★★事故が起きてから
★目的★★危険を未然に防ぐ★★原因を究明し再発を防ぐ

工事計画は、危険が生まれる前に止めるための仕組みです——作ってしまってからでは、直すのに大きな費用がかかります

事故報告(電気関係報告規則)とは、狙いがちょうど逆になっています

出題履歴——切り口を変えて繰り返される

年度問われ方
★平成19年度 問2★★機器と変え方まで見せる(本問)
★平成25年度 問2★★電圧と容量で切る易しめの版
★令和1年度 問2★★使用前自主検査のほう

平成25年度 A問題2と読み比べると、同じ論点でも踏み込む深さが違うのが分かります。

令和1年度 A問題2は、届出のあとに続く使用前自主検査の問題です。3本をつなげて読むと、運転開始までの流れが完成します

💡 覚え方
工事計画の事前届出(需要設備)=入口は受電電圧1万V以上。遮断器は設置・取替、遮断電流の20%以上の変更を伴う改造が対象。変圧器は容量1万kV・A以上が対象。保護装置だけの取替は対象外。

⚠️ よくある間違い
最大電力や容量の数字の大きさで判断しない——受電電圧で切る。遮断電流の変更は20%以上が境目。「遮断器の保護装置」と「遮断器」は別物

まとめ

(1)対象外(6600V)
(2)対象(22000V・遮断電流25%変更)
(3)対象外(6600V)
(4)対象外(6600V)
(5)対象外(保護装置のみの取替)
答え(2)

▼あわせて解きたい関連問題
・工事計画の事前届出(電気事業法25):【法規】平成25年度 A問題2
・使用前自主検査(電気事業法14):【法規】令和1年度 A問題2

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