電気事業法3【電験3種 法規】一般用電気工作物は低圧受電+太陽電池10kW未満!風力は小規模事業用 令和6年度下期 A問題1 完全解説

電験3種 法規科目 電気事業法 令和6年度下期 A問題1 どこまでが一般用?太陽電池10kW未満が境目

今回は令和6年度下期 法規科目 A問題1一般用電気工作物に該当するものを選ぶ問題です。令和5年3月に小規模事業用電気工作物が新設されて区分が変わった、いま一番狙われる論点です。

判定は2段階。まず低圧(600V以下)で受電していること。次に構内の発電設備が小規模発電設備であり、かつ小規模事業用電気工作物でないこと。太陽電池は10kW未満だけ風力は出力に関係なく小規模事業用——ここが勝負どころです。

目次

答えは(5):低圧受電+太陽電池5kWの事務所

令和5年3月に小規模事業用電気工作物が新設され、判定のしかたが変わりました——いま一番狙われる論点です。

内容判定
★(1)★★6.6kV受電・60kWの店舗★自家用(電圧)
★(2)★★200V受電・内燃力15kWの病院★自家用(小規模発電設備でない)
★(3)★★6.6kV受電・45kWの事務所★自家用(電圧)
★(4)★★200V受電・太陽電池7kW+風力15kWの公民館★自家用(★風力は小規模事業用)
★(5)★★200V受電・太陽電池5kWの事務所★★一般用=答え

(4)が改正後の落とし穴です——風力は20kW未満でも小規模事業用になりました。

令和6年度下期 法規科目 A問題1:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和6年度下期 A問題1 問題文
令和6年度下期 法規科目 A問題1 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和6年度下期 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題1

電験3種 法規科目 【電気事業法】 令和6年度下期 A問題1

 「電気事業法」に基づく、一般用電気工作物に該当するものは次のうちどれか。なお、(1)〜(5)の電気工作物は、その受電のための電線路以外の電線路により、その構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないものとする。

(1) 受電電圧6.6kV、受電電力60kWの店舗の電気工作物

(2) 受電電圧200V、受電電力30kWで、別に発電電圧200V、出力15kWの内燃力による非常用予備発電装置を有する病院の電気工作物

(3) 受電電圧6.6kV、受電電力45kWの事務所の電気工作物

(4) 受電電圧200V、受電電力30kWで、別に発電電圧100V、出力7kWの太陽電池発電設備と、発電電圧100V、出力15kWの風力発電設備を有する公民館の電気工作物

(5) 受電電圧200V、受電電力35kWで、別に発電電圧100V、出力5kWの太陽電池発電設備を有する事務所の電気工作物

答え一般用電気工作物に該当するのは(5)

★判定は3段階になった

見るところ落ちる肢
★①★★低圧(600V以下)で受電しているか★★(1)(3)
★②★★構内の発電設備が小規模発電設備か★★(2)
★③★★そのうち小規模事業用にあたるものがないか★★(4)

③が令和5年3月に加わった新しい段です——改正前は②までで判定できました

3段とも通ってはじめて一般用です——1つでも外れれば事業用になります

★小規模発電設備と小規模事業用の関係

設備小規模発電設備か区分
★太陽電池10kW未満★★該当する★★一般用でいられる
★太陽電池10kW以上50kW未満★★該当する★小規模事業用(事業用)
★風力20kW未満★★該当する★小規模事業用(事業用)
★水力20kW未満★★該当する★★一般用でいられる
★内燃力10kW未満★★該当する★★一般用でいられる

小規模発電設備であっても、一般用でいられるとは限りません——ここが改正でいちばんややこしくなったところです。

格上げされたのは太陽電池10kW以上と風力すべての2つだけ——それ以外は従来どおりです。

なぜ太陽光と風力だけ格上げされたのか

この2つは、事故や不具合の報告が急増していました——設置数が爆発的に伸びたからです

パネルの飛散、架台の倒壊、風車の破損などが問題になりました——一般用のままでは保安を担保できなくなったのです。

そこで事業用に格上げしつつ、主任技術者までは求めない——中間の区分を作ったのが小規模事業用です。

小規模事業用に課される義務

義務あるか
★技術基準適合維持★★ある
★基礎情報の届出★★ある
★使用前自己確認★★ある(一定規模)
★主任技術者の選任★不要
★保安規程の届出★不要

人を置く義務は外して、設備の基準は守らせる——負担と保安のつり合いを取った設計です。

だから「事業用だが選任は不要」という中途半端な形になっています——ここを問われることがあります

非常用予備発電装置でも扱いは同じ

(2)の内燃力15kWは非常用予備発電装置です——ふだんは動かしません

それでも10kW以上なので、小規模発電設備にすら当たりません——この時点で自家用です。

用途や稼働頻度は判定に関係ありません——出力の数字だけで機械的に判断します。

受電電力は判断材料にならない

受電電圧受電電力区分
★(1)★6.6kV★★60kW★自家用
★(3)★6.6kV★★45kW★自家用
★(5)★★200V★★35kW★★一般用

(5)の35kWは(3)の45kWと大差ありません——それでも電圧で区分が分かれます

作問者は、この錯覚を狙って数字を並べています——まず電圧、と決めておけば動じません

★平成21年度と同じ問題文だが理由が違う

平成21年度 問2令和6年度下期 問1(本問)
★(4)が落ちる理由★★合計22kW≧当時の上限20kW★★風力が小規模事業用だから
★合計の上限★★20kW未満★★50kW未満
★正解★★(4)★★(5)(肢の並びが違う)

合計の上限は緩和されたのに、(4)はやはり一般用になりません——理由が入れ替わったのです。

改正の影響を確かめるのに、これ以上ない教材です——2本を並べて読む価値があります

一般用の3条件をもう一度

条文の言葉ダミー語違い
低圧受電★★低圧受電★受電電力が小さい★★見るのは電圧であって電力ではない
小規模発電設備のみ★★小規模発電設備のみ★発電設備がない★★小規模ならあってよい
小規模事業用でない★★小規模事業用でない★小規模ならすべて一般用★★太陽10kW以上と風力は事業用

3つとも満たしてはじめて一般用です——改正で3つ目が加わりました

覚え直しが必要な数少ない論点——古い参考書のままだと間違えます

実務での判定

住宅に太陽光を載せるとき、10kWを超えるかどうかが分かれ目です——超えると小規模事業用になり、届出が必要になります

屋根の広い戸建てや、小規模な事業所では十分に起こりうる規模です——他人事ではありません

設置してから気づくと手戻りになります——だから事前の判定が重要です。

改正から日が浅い論点なので、当面は出題が続くとみてよいでしょう——確実に取れるようにしておきたいところです。

⏱️ 本番での進め方
① まず全部の受電電圧を拾う。高圧は即落とす。
② 次に個々の発電設備の出力を上限と比べる。
③ 最後に太陽10kW以上と風力がないかを確かめる。ここが改正点。
④ 受電電力(kW)は判断材料にならない

出題履歴——改正直後の狙い目

年度問われ方
★平成19年度 問3★★小出力発電設備の数字
★平成21年度 問2★★旧20kW要件での判定
★令和6年度下期 問1★★現行法での判定(本問)

平成21年度 A問題2が同じ問題文の旧法版です。読み比べると、改正が判定にどう効くかが一目で分かります

平成19年度 A問題3で数字を固めておけば、本問は機械的に解けます。

💡 覚え方
一般用電気工作物=低圧受電+構内の発電設備が小規模発電設備(小規模事業用を除く)のみ。小規模発電設備は太陽50・風力20・水力20・内燃10・燃料電池10・スターリング10(kW未満)。うち太陽10kW以上と風力全部は小規模事業用電気工作物(=事業用)。

⚠️ よくある間違い
受電電力が小さくても高圧受電なら自家用。非常用予備発電装置でも出力が上限を超えれば小規模発電設備ではない風力は20kW未満でも小規模事業用なので一般用にならない——ここが改正後の落とし穴。

まとめ

(1)6.6kV受電→自家用
(2)内燃力15kW(10kW以上)→自家用
(3)6.6kV受電→自家用
(4)風力15kW=小規模事業用→自家用
(5)低圧+太陽電池5kW→一般用
答え(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・一般用電気工作物の定義(電気事業法33):【法規】平成21年度 A問題2
・小規模発電設備(電気事業法40):【法規】平成19年度 A問題3

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