今回は令和6年度上期 電力科目 A問題5を解説します。燃料電池の原理と特徴について、発生する電力の種類・電解質による分類・原理・排熱利用・燃料の作り方の5つの記述から誤っているものを選ぶ問題です。
燃料電池は「電池」の仲間——化学反応で直流を作る装置です。「直接、交流電力を発生」とあったら即誤り。系統や家庭で使うにはインバータ(電力変換装置)で交流に変換します。太陽電池と同じ注意点です。
出題のポイント

令和6年度上期 電力科目 A問題5:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 【新エネルギー】 令和6年度上期 A問題5
燃料電池の原理と特徴に関する記述として、誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
燃料は外部から供給され、直接、交流電力を発生する。
電解質により、りん酸形、溶融炭酸塩形、固体高分子形などに分類される。
水の電気分解と逆の化学反応を利用した発電方式である。
発電時の排熱を空調や給湯に活用できる。
天然ガスやメタノールを改質して発生させた水素を燃料として利用できる。
ポイント解説:電池だから直流——交流はインバータの仕事
(1)が誤り:燃料電池は水素と酸素の化学反応(電気化学反応)で発電する電池なので、発生するのは直流電力である。「直接、交流電力を発生」は誤りで、交流として使うにはインバータ(電力変換装置)を介する必要がある。太陽電池もまったく同じで、「直流を発生→インバータで交流へ」は分散型電源の共通パターン。
その他は正しい:(2)燃料電池は電解質の種類で分類され、りん酸形(PAFC)・溶融炭酸塩形(MCFC)・固体高分子形(PEFC)・固体酸化物形(SOFC)などがある。(3)水素と酸素から水と電気を作る——水の電気分解と逆の反応を利用する。(4)発電時に出る排熱を空調や給湯に活用でき(コージェネレーション)、総合効率を高められる。(5)燃料の水素は、天然ガスやメタノールを改質して作ることができる。よって答えは(1)。
問題の解説
STEP1 (1)を判定
燃料電池は「電池」=直流を発生。交流はインバータで変換→(1)が誤り。
STEP2 分類と原理
(2)電解質で分類(りん酸形・溶融炭酸塩形・固体高分子形)、(3)水の電気分解の逆反応——正しい。
STEP3 運用面
(4)排熱を空調・給湯に(コージェネ)、(5)天然ガス・メタノールの改質で水素——正しい。
答え:(1)
💡 覚え方
燃料電池の5点:①**直流**を発生(交流はインバータ経由——太陽電池と同じ)②**電解質で分類**:りん酸形PAFC・溶融炭酸塩形MCFC・固体高分子形PEFC(家庭用エネファーム)・固体酸化物形SOFC③原理=**水の電気分解の逆**(H₂+½O₂→H₂O+電気)④**排熱利用(コージェネ)**で総合効率60〜80%⑤燃料の水素は**天然ガス・メタノールの改質**で製造。
⚠️ よくある間違い
「直接、交流」は誤り——電池は直流。分類は「電解質」による(電極ではない)。改質=炭化水素から水素を取り出す処理。排熱利用ができるのは燃料電池の長所(できないではない)。
まとめ
| (1)発生電力 | 直流(交流はインバータで変換)→誤り |
| (2)分類 | 電解質でりん酸形・溶融炭酸塩形・固体高分子形→正しい |
| (3)原理 | 水の電気分解と逆の反応→正しい |
| (4)排熱 | 空調・給湯に活用(コージェネ)→正しい |
| (5)燃料 | 天然ガス等を改質した水素→正しい。答えは(1) |
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