直流機8【電験3種 機械】小形直流電動機の回転数とは?令和5年度下期 A問題2 完全解説

直流機8【電験3種 機械】小形直流電動機の回転数とは?令和5年度下期 A問題2 完全解説

電験3種(第三種電気主任技術者試験)の機械科目で頻出の、永久磁石界磁の小形直流電動機。本記事では、令和5年度下期 A問題2で問われた、負荷を与えたときの回転数を求める計算問題を解説します。

カギは、永久磁石なので磁束一定 → 逆起電力 \( E \) は回転数 \( n \) に比例すること。無負荷では \( E\fallingdotseq V \)、銅損から \( R_a \) を求め、負荷時の \( E=V-I_aR_a \) を出して \( n=n_0\dfrac{E}{E_0} \) で計算します。

目次

令和5年度下期 機械科目 A問題2:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 機械科目 令和5年度下期 A問題2 問題文(小形直流電動機の回転数)
令和5年度下期 機械科目 A問題2 問題文

電験3種 機械科目 【直流機】 令和5年度下期 A問題2

界磁に永久磁石を用いた小形直流電動機がある。この電動機の電機子に12 [V] の電圧を加えたところ、無負荷の状態で3000 [min⁻¹] で回転した。この電圧を維持したまま負荷を与えて、2 [A] の電機子電流を流したところ、損失が3 [W] 発生した。この時の回転数 [min⁻¹] として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
ただし、ブラシの接触による電圧降下及び電機子反作用は無視できるものとし、損失は電機子巻線の銅損しか存在しないものとする。

(1) 2250  (2) 2625  (3) 2813  (4) 3000  (5) 3429

出題のポイント:E∝n と 銅損=Ia²Ra

永久磁石形直流電動機の負荷時回転数を求める3つの要点図
磁束一定、銅損から抵抗、逆起電力から回転数

永久磁石界磁では磁束 \( \phi \) が一定なので、逆起電力は \( E=K\phi n\propto n \)。無負荷時はほぼ \( I_a=0 \) なので \( E_0=V \)。負荷時は銅損 \( I_a^2R_a \) から \( R_a \) を求め、\( E=V-I_aR_a \)。回転数は \( E \) に比例するので \( n=n_0\dfrac{E}{E_0} \) です。

ポイント解説:回転数は逆起電力に比例する

銅損3Wから抵抗と逆起電力を求め無負荷と負荷を比較する解説図
Ra=0.75Ω、負荷時E=10.5V、回転数はEに比例

永久磁石界磁では磁束 \( \phi \) が一定なので、逆起電力は \( E=K\phi n \)、すなわち \( E \) は回転数 \( n \) に比例します。無負荷ではほぼ \( I_a=0 \) なので \( E_0=V \)。負荷をかけると \( I_aR_a \) の電圧降下で \( E \) が下がり、その分だけ回転数も下がります。

したがって、負荷時の \( E \) さえ求めれば、 \( n=n_0\dfrac{E}{E_0} \) という比例計算で回転数が出せます。あとは銅損から \( R_a \)、\( E=V-I_aR_a \) の順に進めるだけです。

問題の解説:3ステップで回転数を求める

小形直流電動機の負荷時回転数2625毎分を求める解説図
回転数は2625min⁻¹で正解は(2)

STEP1:電機子抵抗 Ra

損失は銅損のみで \( I_a=2 \) A、損失3 W なので、$$ 3=I_a^2R_a=2^2\times R_a\ \Rightarrow\ R_a=0.75\ \Omega $$

STEP2:負荷時の逆起電力 E

無負荷時の逆起電力は \( E_0=V=12 \) V。負荷時は、$$ E=V-I_aR_a=12-2\times0.75=10.5\ \text{V} $$

STEP3:回転数 n

\( E\propto n \) なので、$$ n=n_0\frac{E}{E_0}=3000\times\frac{10.5}{12}=2625\ \text{min}^{-1} $$ となり、正解は (2) 2625 min⁻¹ です。

ポイント解説(シンプル):回転数は逆起電力に比例

永久磁石界磁では磁束が一定なので \( E=K\phi n \) より \( n\propto E \)。負荷をかけると \( I_aR_a \) の電圧降下で \( E \) が下がり、その分だけ回転数も下がります。無負荷時に \( E_0=V \) とできる点もポイントです。

💡 覚え方
① 永久磁石は磁束一定 → E ∝ n / ② 無負荷なら E₀=V / ③ n=n₀×(E÷E₀)
⚠️ よくある間違い
回転数が比例するのは電機子電流ではなく逆起電力 E です。まず銅損 Iₐ²Rₐ から Rₐ を求め、E=V−IₐRₐ を出してから n=n₀×(E÷E₀) と比例計算するのが正しい手順です。

まとめ:負荷時の回転数

項目
電機子抵抗 Ra(銅損3W/2²)0.75 Ω
負荷時 E=V−IaRa10.5 V
回転数 n=n₀·E/E₀2625 min⁻¹(答(2))

「銅損からRa」「E∝n」を押さえれば確実に得点できます。同じ小形直流電動機の効率を扱う【機械】令和7年度上期A問題2や、誘導起電力の公式を扱う【機械】平成27年度A問題1もあわせて確認しておきましょう。

📚 次に解くべき関連問題
【機械】令和7年度上期A問題2(直流機7)
【機械】令和5年度上期A問題2(直流機9)
【機械】平成28年度A問題1(直流機19)
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