変圧器47【電験3種 機械】単相単巻変圧器(分路巻線・直列巻線・負荷容量)とは?平成25年度 A問題8 完全解説

電験3種 機械科目 平成25年度 A問題8 単相単巻変圧器

電験3種(第三種電気主任技術者試験)の機械科目で頻出の単巻変圧器。本記事では、平成25年度 A問題8で問われた、単相単巻変圧器の構造と容量に関する穴埋め問題を解説します。

カギは巻線の共通部分=分路巻線、共通でない部分=直列巻線という名称と、負荷容量=V₂·I₂自己容量=(V₂−V₁)·I という容量の関係。共通巻線をもつため漏れ磁束が少なく、電圧変動率が小さいのも特徴です。

🔁 この問題は繰り返し出題されています
ほぼ同じ問題が 【機械】令和6年度下期A問題8 でも出題されています。出題パターンが固定なので、セットで解けば確実な得点源になります。
目次

平成25年度 機械科目 A問題8:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 機械科目 平成25年度 A問題8 問題文(単相単巻変圧器の穴埋め)
平成25年度 機械科目 A問題8 問題文

電験3種 機械科目 【変圧器】 平成25年度 A問題8

次の文章は、単相単巻変圧器に関する記述である。

巻線の一部が一次と二次との回路に共通になっている変圧器を単巻変圧器という。巻線の共通部分を (ア)、共通でない部分を (イ) という。単巻変圧器では、(ア) の端子を一次側に接続し、(イ) の端子を二次側に接続して使用すると通常の変圧器と同じように動作する。単巻変圧器の (ウ) は、二次端子電圧と二次電流との積である。単巻変圧器は、巻線の一部が共通であるため、漏れ磁束が (エ)、電圧変動率が (オ)

空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして正しいものを選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)
(1)分路巻線直列巻線負荷容量多く小さい
(2)直列巻線分路巻線自己容量少なく小さい
(3)分路巻線直列巻線定格容量多く大きい
(4)分路巻線直列巻線負荷容量少なく小さい
(5)直列巻線分路巻線定格容量多く大きい

出題のポイント:共通部分が分路巻線、非共通部分が直列巻線

端子AとBの共通部分を分路巻線、端子BとCの非共通部分を直列巻線とし、A-Bへ一次入力、A-Cから二次出力を取る昇圧単巻変圧器の構造
A–Bが分路巻線、B–Cが直列巻線です。単巻変圧器の一次・二次は非絶縁です。

単巻変圧器は1本の連続した巻線を一次・二次で共用します。共通部分を分路巻線、共通でない電圧差を受け持つ部分を直列巻線と呼びます。一次・二次が電気的に絶縁されないことは、利点とともに必ず押さえる注意点です。

ポイント解説:負荷容量と自己容量を区別する

単巻変圧器の負荷容量V2I2と、昇圧接続における自己容量V2マイナスV1かけるI2を比較し、自己容量が負荷容量より小さいことを示す図
負荷容量の一部は導電的に直接伝わるため、変圧器作用で受け持つ自己容量は負荷容量より小さくなります。

1. 自己容量と負荷容量の違い

負荷容量=V₂·I₂(負荷に供給)、自己容量=(V₂−V₁)·I(変圧器が磁気で受け持つ)。自己容量は負荷容量より小さいため、同じ負荷でも小型・軽量・高効率になります。自己容量の計算は【機械】平成30年度A問題9で扱っています。

2. 漏れ磁束が少ない=電圧変動率が小さい

巻線を共用するため漏れリアクタンスが小さく、負荷をかけても電圧降下が少ない=電圧変動率が小さいのが利点です。一方で一次・二次が絶縁されない点には注意が必要です。

3. 分路巻線=共通、直列巻線=非共通

名称が紛らわしいですが、「共通=分路、非共通=直列」と覚えれば迷いません。直列巻線が電圧差 \( (V_2-V_1) \) を受け持ちます。

問題の解説:分路・直列・負荷容量・少なく・小さい

平成25年度機械A問題8の空欄アからオへ分路巻線、直列巻線、負荷容量、少なく、小さいを当てはめて正解4を示す表
空欄は分路巻線・直列巻線・負荷容量・少なく・小さいの順で、正解は(4)です。

単巻変圧器の構造図をもとに、(ア)〜(オ)を一つずつ判別します。

(ア)(イ) 分路巻線・直列巻線

巻線の共通部分が(ア) 分路巻線共通でない部分が(イ) 直列巻線です。分路巻線の端子を一次に、直列巻線を加えた端子を二次に接続して使います。

(ウ) 負荷容量

「二次端子電圧と二次電流との積」は(ウ) 負荷容量(\( V_2 I_2 \))です。これは負荷に供給する容量で、変圧器自身が受け持つ自己容量 \( (V_2-V_1)I \) とは区別します。

(エ)(オ) 漏れ磁束・電圧変動率

巻線の一部が共通であるため、漏れ磁束が(エ) 少なく、その結果として電圧変動率が(オ) 小さいという特徴があります。

以上より、(ア)分路巻線・(イ)直列巻線・(ウ)負荷容量・(エ)少なく・(オ)小さい となり、正解は (4) です。

まとめ:各空欄に入る語句

空欄入る語内容
(ア)分路巻線巻線の共通部分
(イ)直列巻線巻線の共通でない部分
(ウ)負荷容量V₂·I₂(二次端子電圧×二次電流)
(エ)少なく共通巻線のため漏れ磁束が少ない
(オ)小さい電圧変動率が小さい

単巻変圧器は「分路=共通・直列=非共通」「自己容量<負荷容量」を押さえれば確実に得点できます。自己容量を計算する【機械】平成30年度A問題9【機械】令和5年度上期B問題15、同種の論説【機械】令和6年度下期A問題8もあわせて確認しておきましょう。

📚 次に解くべき関連問題
【機械】令和5年度上期B問題15(変圧器32)
【機械】平成19年度A問題6(変圧器31)
【機械】平成23年度A問題6(変圧器37)
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