電気設備技術基準の解釈14【電験3種 法規】高圧架空引込線は直径5mm・引下げ用・地表上3.5m・下方に危険表示=(4) 令和6年度上期 A問題6 完全解説

電験3種 法規科目 電気設備技術基準の解釈 令和6年度上期 A問題6 高圧引込線は5mm以上!高さは3.5m以上

今回は令和6年度上期 法規科目 A問題6高圧架空引込線の施設(電気設備技術基準の解釈第117条)に関する空欄補充問題です。使用する電線の太さ・種類、電線の高さの緩和、危険表示の位置が問われます。

覚える数字は「直径5mm・地表上3.5m」。電線は引張強さ8.01kN以上又は直径5mm以上の硬銅線(高圧絶縁電線)、引下げ用高圧絶縁電線、ケーブルのいずれか。高さは道路横断等でなければ地表上3.5mまで下げられ、その場合は電線の下方に危険表示をします。

目次

令和6年度上期 法規科目 A問題6:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和6年度上期 A問題6 問題文
令和6年度上期 法規科目 A問題6 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題6

電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 令和6年度上期 A問題6

 次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧架空引込線の施設に関する記述の一部である。上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

a)電線は、次のいずれかのものであること。①引張強さ8.01kN以上のもの又は直径(ア)mm以上の硬銅線を使用する、高圧絶縁電線又は特別高圧絶縁電線 ②(イ)用高圧絶縁電線 ③ケーブル

b)電線が絶縁電線である場合は、がいし引き工事により施設すること。

c)電線の高さは、「低高圧架空電線の高さ」の規定に準じること。ただし、次に適合する場合は、地表上(ウ)m以上とすることができる。①次の場合以外であること。・道路を横断する場合・鉄道又は軌道を横断する場合・横断歩道橋の上に施設する場合 ②電線がケーブル以外のものであるときは、その電線の(エ)に危険である旨の表示をすること。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)5引下げ2.5下方
(2)4引下げ3.5近傍
(3)4引上げ2.5近傍
(4)5引下げ3.5下方
(5)5引上げ5下方
答え(ア)5・(イ)引下げ・(ウ)3.5・(エ)下方 = (4)

答えは(4):5mm・引下げ・3.5m・下方

電気設備技術基準の解釈 第117条(高圧架空引込線等の施設)

a 電線は、①引張強さ8.01kN以上のもの又は直径5mm以上の硬銅線を使用する高圧絶縁電線又は特別高圧絶縁電線 ②引下げ用高圧絶縁電線 ③ケーブル のいずれか/b 電線が絶縁電線である場合は、がいし引き工事により施設すること/c 電線の高さは低高圧架空電線の高さの規定に準じること。ただし、道路・鉄道又は軌道の横断、横断歩道橋の上のいずれでもなく、電線がケーブル以外のときはその電線の下方に危険である旨の表示をする場合は、地表上3.5m以上とすることができる。

★低圧引込線の緩和後(2.5m)より高い3.5m——危険度の差です。

平成28年度 A問題7は同一問題です。

この記事は、低圧引込線との数値の対比を主軸にします

★低圧と高圧の引込線を並べる

低圧(116条)高圧(117条)
★電線の太さ★★2.30kN/直径2.6mm以上(径間15m以下は1.38kN/2mm)★★8.01kN/直径5mm以上
★電線の種類★★絶縁電線・ケーブル★★高圧絶縁電線・引下げ用高圧絶縁電線・ケーブル
★高さ(緩和後)★★地表上2.5m(やむを得ない場合)★★地表上3.5m
★危険表示★★不要★★ケーブル以外は電線の下方に必要

高圧のほうが太く、高く、表示も要ります——危険度の差がそのまま数値の差です。

2.6mm↔5mm、2.5m↔3.5m——対で覚えると混同しません

★なぜ高圧は3.5mまでしか下げられないのか

低圧なら触れても即死には至りにくい——だから2.5mまで認められます

高圧6 600Vは、触れれば致命的です——近づくだけでも危険

だから1m高い3.5m、そのうえ危険表示も求める——二重の備えです。

★「引下げ用高圧絶縁電線」という専用品

柱上変圧器や高圧カットアウトへ電線を引き下ろす専用の電線です——電柱の上から下へ引き下ろすので「引下げ用」

「引上げ用」という電線は存在しません——選択肢のダミーです。

可とう性があり、柱上の狭い場所で取り回せます——だから太さの指定がありません

★「下方」に表示する理由

条文の言葉ダミー語違い
電線の下方に危険表示★★電線の下方に危険表示★電線の近傍に危険表示★★下を通る人に見せるため
3.5mまで下げる代償★★3.5mまで下げる代償★表示なしでは緩和できない★★セットの条件

3.5mは、脚立を使えば届く高さです——だから下を通る人に知らせます

見上げる位置に表示があっては意味がありません——「近傍」というダミーはこの意図を無視しています。

緩和できない3つの場合

場合適用される高さ
★道路を横断する場合★★路面上6m以上
★鉄道又は軌道を横断する場合★★レール面上5.5m以上
★横断歩道橋の上に施設する場合★★路面上3.5m以上(高圧)

下を車両や列車が通る場所では緩和できません——物理的に当たるからです。

3つの「横断」を覚えます——道路・鉄道/軌道・横断歩道橋

がいし引き工事が求められる理由

絶縁電線を使う場合は、がいし引き工事に限られます——高圧絶縁電線の表面には電位が現れるからです。

造営材に直接留めれば、造営材が充電されます——だからがいしで絶縁して支持するのです。

ケーブルなら遮へい層が接地されているので、この制限はありません

高圧受電設備の入口

機器役割
★高圧架空引込線★★電柱から需要場所へ高圧を運ぶ
★区分開閉器(PAS・UGS)★★構内の事故を系統に波及させない
★避雷器(LA)★★雷サージを大地へ逃がす
★主遮断装置★★過電流・短絡を遮断する

117条が定めるのは、この一番外側の区間です——ここから需要家の設備が始まります

施設管理の分野とつながる知識です。

連接引込線は高圧では認められない

条文の言葉ダミー語違い
引込線★★引込線★連接引込線★★電柱から需要場所へ/需要場所から他の需要場所へ
高圧でも可★★高圧でも可★高圧では不可★★責任分界が曖昧になる

連接引込線は、1軒目から2軒目へ電気を渡す配線です——低圧では認められています

高圧では認められません——事故時の責任と保安の管理が難しいからです。

低高圧架空電線の高さ(68条)

場所低圧高圧
★道路を横断★★路面上6m以上★★路面上6m以上
★鉄道・軌道を横断★★レール面上5.5m以上★★レール面上5.5m以上
★横断歩道橋の上★★路面上3m以上★★路面上3.5m以上
★上記以外★★地表上5m以上★★地表上5m以上

117条は「この規定に準じる」としたうえで緩和を認めます——だから68条を先に押さえる必要があります

低圧と高圧で違うのは横断歩道橋の上だけ——3mと3.5mです。

引込線まわりの用語

用語意味
★架空引込線★★架空電線路の支持物から需要場所の取付点に至る架空電線
★引込線★★架空引込線+需要場所の造営物に施設する電線
★引込線取付点★★需要場所側で電線を引き留める点
★引込口★★屋外から屋内へ電線を引き入れる部分

高圧受電では、区分開閉器(PAS等)が責任分界点になります——低圧の引込線取付点とは違うのです。

用語の範囲を正確に押さえると、条文の適用範囲が見えます

高圧受電設備の入口の機器

機器役割
★区分開閉器(PAS・UGS)★★構内の事故を系統に波及させない
★避雷器(LA)★★雷サージを大地へ逃がす
★計器用変成器(VT・CT)★★電圧・電流を計測できる大きさにする
★主遮断装置★★過電流・短絡を遮断する

117条が定めるのは、この一番外側の区間です——ここから需要家の設備が始まります

施設管理の分野とつながる知識です。

⏱️ 本番での進め方
① (ア)は5mm——低圧引込線の2.6mmと混同しない。
② (イ)は引下げ用——「引上げ用」は存在しない。
③ (ウ)は3.5m——低圧の緩和後2.5mより高い。
④ (エ)は下方——下を通る人に見せるため。

💡 覚え方
解釈117条 高圧架空引込線=電線は①引張強さ8.01kN以上又は直径5mm以上の硬銅線を使用する高圧・特別高圧絶縁電線 ②引下げ用高圧絶縁電線 ③ケーブル。絶縁電線はがいし引き工事。道路・鉄道の横断や横断歩道橋の上でなく、ケーブル以外なら電線の下方に危険表示をして地表上3.5m以上とできる。

⚠️ よくある間違い
(ア)は「4mm」ではなく5mm(イ)は「引上げ用」ではなく引下げ用(ウ)は「2.5m」ではなく3.5m——2.5mは低圧引込線の値。

まとめ

(ア)電線の太さ直径5mm以上(8.01kN以上)
(イ)電線種類引下げ用高圧絶縁電線
絶縁電線の工事がいし引き工事
(ウ)高さ緩和地表上3.5m以上
(エ)表示位置電線の下方に危険表示
答え(4)

▼あわせて解きたい関連問題
・高圧の機械器具の施設(電気設備技術基準の解釈13):【法規】令和6年度上期 A問題4
・低圧架空引込線(電気設備技術基準の解釈6):【法規】令和7年度上期 A問題6

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