電気設備技術基準の解釈61【電験3種 法規】高圧架空引込線は直径5mm・引下げ用・地表上3.5m・下方表示=(5) 平成28年度 A問題7 完全解説

電験3種 法規科目 電気設備技術基準の解釈 平成28年度 A問題7 高圧引込線の条文が再出題!5mmと3.5m

今回は平成28年度 法規科目 A問題7高圧架空引込線の施設(電気設備技術基準の解釈第117条)に関する空欄補充問題です。使用する電線、緩和できる高さ、危険表示の位置が問われます。

覚える骨格は「電線は8.01kN以上又は直径5mm以上の硬銅線・引下げ用高圧絶縁電線・ケーブル」「道路横断等以外なら地表上3.5m以上に緩和」「ケーブル以外は電線の下方に危険表示」です。

目次

平成28年度 法規科目 A問題7:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成28年度 A問題7 問題文
平成28年度 法規科目 A問題7 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成28年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題7

電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 平成28年度 A問題7

 次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧架空引込線の施設に関する記述の一部である。上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

a 電線は、次のいずれかのものであること。①引張強さ8.01kN以上のもの又は直径(ア)mm以上の硬銅線を使用する、高圧絶縁電線又は特別高圧絶縁電線 ②(イ)用高圧絶縁電線 ③ケーブル

b 電線が絶縁電線である場合は、がいし引き工事により施設すること。

c 電線の高さは、「低高圧架空電線の高さ」の規定に準じること。ただし、次に適合する場合は、地表上(ウ)m以上とすることができる。①次の場合以外であること。・道路を横断する場合・鉄道又は軌道を横断する場合・横断歩道橋の上に施設する場合 ②電線がケーブル以外のものであるときは、その電線の(エ)に危険である旨の表示をすること。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)5引下げ2.5下方
(2)4引下げ3.5近傍
(3)4引上げ2.5近傍
(4)5引上げ5下方
(5)5引下げ3.5下方
答え(ア)5・(イ)引下げ・(ウ)3.5・(エ)下方 = (5)

答えは(5):5mm・引下げ・3.5m・下方

電気設備技術基準の解釈 第117条(高圧架空引込線等の施設)

a 電線は、次のいずれかのものであること。①引張強さ8.01kN以上のもの又は直径5mm以上の硬銅線を使用する、高圧絶縁電線又は特別高圧絶縁電線 ②引下げ用高圧絶縁電線 ③ケーブル/b 電線が絶縁電線である場合は、がいし引き工事により施設すること。/c 電線の高さは低高圧架空電線の高さの規定に準じること。ただし、道路を横断する場合・鉄道又は軌道を横断する場合・横断歩道橋の上に施設する場合以外であって、電線がケーブル以外のときはその電線の下方に危険である旨の表示をする場合は、地表上3.5m以上とすることができる。

★低く施設できる代わりに「下方に危険表示」が求められます。

引込線は建物に引き込む区間なので、架空電線ほど高さを稼げません——だから緩和があるのです。

★「引下げ用高圧絶縁電線」とは

柱上変圧器や高圧カットアウトへ、電線を引き下ろすための専用電線です。

電柱の上から下へ引き下ろすので「引下げ用」——「引上げ用」という電線はありません

可とう性があり、曲げやすいのが特徴——柱上の狭い場所で取り回すためです。

★使える電線は3種類

電線条件
★高圧絶縁電線・特別高圧絶縁電線★★引張強さ8.01kN以上又は直径5mm以上の硬銅線を使用
★引下げ用高圧絶縁電線★★太さの指定なし
★ケーブル★★太さの指定なし

一般の絶縁電線だけ太さが指定されています——機械的強度を確保するためです。

引下げ用とケーブルは、構造そのもので強度が担保されています——だから太さの指定がないのです。

8.01kN・5mmは高圧保安工事と同じ値——高圧の電線の標準的な太さです。

★低圧引込線と比べる

低圧(116条)高圧(117条)
★電線★★2.30kN/2.6mm(径間15m以下は1.38kN/2.0mm)★★8.01kN/5mm、引下げ用、ケーブル
★高さ(緩和後)★★地表上4m(やむを得ない場合2.5m)★★地表上3.5m
★危険表示★★不要★★ケーブル以外は電線の下方に必要

高圧のほうが太い電線を要求し、危険表示も求めます——危険度が違うからです。

ただし緩和後の高さは高圧3.5m・低圧4m——低圧のほうが高い、という逆転が起きています

★なぜ「下方」に表示するのか

条文の言葉ダミー語違い
電線の下方に危険表示★★電線の下方に危険表示★電線の近傍に危険表示★★下を通る人に見せるため
3.5mまで下げる代償★★3.5mまで下げる代償★表示なしでは緩和できない★★セットの条件

3.5mは、大人が手を伸ばせば届きかねない高さです——脚立を使えば確実に届きます

だから下を通る人に「ここに高圧がある」と知らせます——見上げる位置に表示があっては意味がないのです。

「近傍」というダミーは、この意図を無視しています

緩和できない3つの場合

場合適用される高さ
★道路を横断する場合★★路面上6m以上
★鉄道又は軌道を横断する場合★★レール面上5.5m以上
★横断歩道橋の上に施設する場合★★路面上3.5m以上(高圧)

下を車両や列車が通る場所では緩和できません——物理的に当たるからです。

引込線でも、道路を横断すれば6m——これは譲れない数値です。

がいし引き工事が求められる理由

絶縁電線を使う場合は、がいし引き工事に限られます——絶縁電線の表面には電位が現れるからです。

造営材に直接留めれば、造営材が充電されます——だからがいしで絶縁して支持するのです。

ケーブルなら遮へい層が接地されているので、この制限はありません

連接引込線は高圧では認められない

条文の言葉ダミー語違い
引込線★★引込線★連接引込線★★電柱から需要場所へ/需要場所から他の需要場所へ
高圧でも可★★高圧でも可★高圧では不可★★責任分界が曖昧になる

連接引込線は、1軒目から2軒目へ電気を渡す配線です——低圧では認められています

高圧では認められません——事故時の責任と保安の管理が難しいからです。

引込線の点検

項目見るところ
★引留部★★がいしのひび・バインドの緩み
★電線★★被覆の劣化・たるみ・樹木との接近
★危険表示★★退色・脱落していないか
★高さ★★盛土や工作物の設置で相対的に下がっていないか

後から下に構造物が建てば、実質的な高さが減ります——設置時に適合していても、後で不適合になるのです。

だから定期的な点検が要る——主任技術者の仕事です。

引込線まわりの用語

用語意味
★架空引込線★★架空電線路の支持物から需要場所の取付点に至る架空電線
★引込線★★架空引込線+需要場所の造営物に施設する電線
★引込線取付点★★需要場所側で電線を引き留める点
★引込口★★屋外から屋内へ電線を引き入れる部分

引込線取付点が責任分界点になることが多い——電力会社と需要家の境目です。

用語の範囲を正確に押さえると、条文の適用範囲が見えます

高圧受電設備の構成

機器役割
★区分開閉器(PAS・UGS)★★構内の事故を系統に波及させない
★計器用変成器(VT・CT)★★電圧・電流を計測できる大きさにする
★主遮断装置(CB形・PF・S形)★★過電流・短絡を遮断する
★変圧器★★6 600Vを100/200Vに変換する

高圧架空引込線は、この受電設備へ電気を運ぶ入口です——区分開閉器まではおおむね電力会社の管理

施設管理の分野とつながる知識です。

⏱️ 本番での進め方
① (ア)は5mm——4mmではない。8.01kNとセット。
② (イ)は引下げ用——「引上げ用」という電線はない。
③ (ウ)は3.5m——2.5mや5mではない。
④ (エ)は下方——下を通る人に見せるため。

💡 覚え方
解釈117条 高圧架空引込線=電線は①引張強さ8.01kN以上又は直径5mm以上の硬銅線を使用する高圧・特別高圧絶縁電線 ②引下げ用高圧絶縁電線 ③ケーブル。絶縁電線はがいし引き工事。高さは低高圧架空電線に準じるが、道路・鉄道の横断や横断歩道橋の上でなく、ケーブル以外なら電線の下方に危険表示をして地表上3.5m以上とできる。

⚠️ よくある間違い
(ア)は「4mm」ではなく5mm(イ)は「引上げ用」ではなく引下げ用(ウ)は「2.5m」「5m」ではなく3.5m(エ)は「近傍」ではなく下方

まとめ

(ア)電線の太さ8.01kN又は直径5mm以上の硬銅線
(イ)電線種別引下げ用高圧絶縁電線・ケーブル
絶縁電線の工事がいし引き工事
(ウ)緩和高さ地表上3.5m以上(道路横断等以外)
(エ)危険表示ケーブル以外は電線の下方
答え(5)

▼あわせて解きたい関連問題
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