電気事業法9【電験3種 法規】一般用は電線路維持運用者が調査!自家用は保安規程・報告徴収 令和4年度上期 A問題1 完全解説

電験3種 法規科目 電気事業法 令和4年度上期 A問題1 誰が調査に来るのか?一般用と自家用で違う

今回は令和4年度上期 法規科目 A問題1一般用電気工作物と自家用電気工作物の保安体系を1枚の図にまとめた空欄補充問題です。条番号つきの図なので、電気事業法の全体像を整理する絶好の教材になります。

覚え方は「一般用は他人(電線路維持運用者)が見る/自家用は自分で守る」。一般用は電線路維持運用者が調査義務を負い、登録調査機関に委託できる。自家用は設置者が保安規程を届け出て、大臣は報告又は資料の提出を求められます。

目次

令和4年度上期 法規科目 A問題1:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和4年度上期 A問題1 問題文
令和4年度上期 法規科目 A問題1 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題1

電験3種 法規科目 【電気事業法】 令和4年度上期 A問題1

 次の図は、「電気事業法」に基づく一般用電気工作物及び自家用電気工作物のうち受電電圧7000V以下の需要設備の保安体系に関する記述を表したものである。ただし、除外事項、限度事項等の記述は省略している。

 なお、この問において、技術基準とは電気設備技術基準のことをいう。

 図中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)所有者又は占有者登録調査機関検査要領書提出
(2)電線路維持運用者電気主任技術者検査要領書作成
(3)所有者又は占有者電気主任技術者保安規程作成
(4)電線路維持運用者登録調査機関保安規程提出
(5)電線路維持運用者登録調査機関検査要領書作成
令和4年度上期 A問題1 一般用電気工作物及び受電電圧7000V以下の需要設備の保安体系
令和4年度上期 A問題1 一般用電気工作物及び受電電圧7000V以下の需要設備の保安体系
令和4年度上期 A問題1 一般用電気工作物及び受電電圧7000V以下の需要設備の保安体系
令和4年度上期 A問題1 一般用電気工作物及び受電電圧7000V以下の需要設備の保安体系
答え(ア)電線路維持運用者・(イ)登録調査機関・(ウ)保安規程・(エ)提出 = (4)

答えは(4):電線路維持運用者・登録調査機関・保安規程・提出

電気事業法(保安体系の骨格)

一般用側:法57条=電線路維持運用者が技術基準適合を調査/法57条の2=登録調査機関に委託できる/法56条=大臣は所有者又は占有者に修理・改造等を命じ、使用を一時停止・制限できる。/自家用側:法42条=設置者が保安規程を使用開始前に届出/法43条=主任技術者の選任/法106条=大臣は報告又は資料の提出をさせることができる。

電気事業法の全体像を1枚の図にまとめた、整理に絶好の問題です。

覚え方は「一般用は他人が見る/自家用は自分で守る」——この一行で(ア)〜(エ)がすべて説明できます

一般用には主任技術者がいないので、電線路維持運用者が調査します

自家用は設置者が保安規程を作り、大臣は報告を求めます

★一般用と自家用の対比表

一般用電気工作物自家用電気工作物
★保安の担い手★★電線路維持運用者(他人)★★設置者と主任技術者(自分)
★ルール★★なし★★保安規程
★確かめ方★★調査(法57条)★★報告徴収・立入検査(法106・107条)
★是正★★法56条の命令★★法40条の適合命令

4つの行が、そのまま条文の並びに対応しています——この表を覚えれば、図の問題は全部解けます

是正の条文が一般用と自家用で違う点も要チェックです——法56条と法40条です。

★なぜ一般用は「他人」が見るのか

一般家庭に主任技術者を置くことはできません——数が多すぎるし、専門知識も求められません

そこで電気を送っている側が、代わりに見に行く仕組みにしました——送り込んでいる以上、その先の安全に責任があるという考え方です。

実際に担うのは一般送配電事業者ですが、条文の用語は「電線路維持運用者」です——ここが空欄になります

登録調査機関に委託できる

内容
★根拠★★法57条の2
★委託先★★経済産業大臣の登録を受けた法人
★実態★★ほとんどの調査が委託で行われている

電力会社が自前で全戸を回るのは現実的ではありません——だから委託の道が用意されています

「電気主任技術者」は自家用側の制度なので、この欄には入りません——図のどちら側の話かを見極めることが大切です。

★(エ)は「作成」ではなく「提出」

条文の言葉ダミー語違い
提出★★提出★作成★★法106条は報告又は資料の提出をさせる規定
保安規程★★保安規程★検査要領書★★検査要領書は法定用語ではない
電線路維持運用者★★電線路維持運用者★所有者又は占有者★★調査するのは需要家自身ではない

法106条の報告徴収は、大臣が「出させる」規定です——事業者が自発的に作る話ではありません

「検査要領書」という語は法令に存在しません——それらしい言葉を作るのも、ダミーの手口です。

知らない語が出てきたら、まず疑ってよいのです。

自家用側の条文をひととおり

条文内容
★法39条★★技術基準に適合するよう維持
★法40条★★技術基準適合命令
★法42条★★保安規程の届出
★法43条★★主任技術者の選任
★法53条★★使用開始の届出
★法106条★★報告・資料の提出
★法107条★★立入検査

この7本が、自家用の保安を支える柱です——条番号ごと覚えておくと、図の問題で強いです。

法規の出題は、この7本のどれかに集中しています

報告徴収と立入検査の関係

報告徴収(106条)立入検査(107条)
★方法★★書類で確かめる★★現場に行く
★負担★★軽い★★重い
★順番★★まずこちら★★必要なら

軽いほうから使うのが原則です——いきなり立入検査には来ません

2つの条文は並んで置かれており、セットで出題されます

図の問題は全体像を問うている

個別の条文を覚えていても、位置づけが分かっていないと解けません——それが図の問題の狙いです。

逆に言えば、全体像さえ描ければ、細かい暗記は要りません——一般用と自家用の2列に分けて整理しておきましょう。

この問題自体が、法規の見取り図として使えます

受電電圧7000V以下という限定

問題文は「自家用電気工作物のうち受電電圧7000V以下の需要設備」と限定しています

外部委託承認が使える範囲に合わせているためです——いちばん数の多い、身近な区分です。

限定の条件も、問題を解くヒントになります——読み飛ばさないようにしましょう

図で覚えると忘れにくい

条文を1本ずつ覚えると、どうしてもバラバラになります——図にすると位置関係ごと記憶に残ります

本問の図は、そのまま法規のまとめノートとして使えます——過去問がそのまま教材になる珍しい例です。

⏱️ 本番での進め方
① 図の左右で一般用か自家用かを見分ける。制度が混ざらない。
② 一般用の欄に「電気主任技術者」は入らない——自家用の制度。
③ (エ)は「提出」——法106条は「させることができる」規定。
「検査要領書」のような聞き慣れない語は疑う——法令用語ではない。

一般用にも命令の条文がある

法56条は、一般用電気工作物に対する大臣の命令です——相手は所有者又は占有者になります。

自家用の法40条と対になる規定です——設備の区分で条文が分かれているのです。

出題履歴——体系図はまとめに最適

年度問われ方
★平成19年度 問1★★調査の義務(法57条)
★令和3年度 問1★★調査+解釈14条の1mA
★令和4年度上期 問1★★保安体系の図(本問)

令和3年度 A問題1は調査義務を条文で問うています。本問はそれを図の中に位置づけた形です。

条文で覚えたことを、図で確かめる——この行き来が理解を定着させます

💡 覚え方
一般用:法57条=電線路維持運用者が調査/法57条の2=登録調査機関に委託可/法56条=大臣の命令。自家用:法39条維持/法42条保安規程/法43条主任技術者/法53条使用開始の届出/法40条適合命令/法106条報告・資料の提出/法107条立入検査。覚え方は「一般用は他人が見る/自家用は自分で守る」

⚠️ よくある間違い
(ア)を「所有者又は占有者」としない——調査するのは電線路維持運用者。(イ)に「電気主任技術者」を入れない(自家用の制度)。(エ)は「作成」でなく提出させる(報告徴収)。

まとめ

(ア)電線路維持運用者(法57条)
(イ)登録調査機関(法57条の2)
(ウ)保安規程(法42条)
(エ)提出(法106条・報告徴収)
答え(4)

▼あわせて解きたい関連問題
・調査の義務(電気事業法11):【法規】令和3年度 A問題1
・保安規程に定める事項(電気事業法5):【法規】令和5年度下期 A問題1

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