電技省令23【電験3種 法規】6600Vの試験電圧は10350V!ケーブルは直流でその2倍 令和2年度 A問題3 完全解説

電験3種 法規科目【電技省令】令和2年度 A問題3 (ア)絶縁破壊・(イ)10 350(V)・(ウ)2(倍)=(5)

今回は令和2年度 法規科目 A問題36600V交流電路の絶縁性能を問う空欄補充+計算問題です。絶縁耐力試験の試験電圧を自分で計算できるかが問われます。

手順は3つ。公称電圧6600V→最大使用電圧6900V(×1.15/1.1)→試験電圧10350V(×1.5)。そしてケーブルは交流試験電圧の2倍の直流電圧で代替できます。いずれも連続10分間加えます。

出題のポイント

目次

令和2年度 法規科目 A問題3:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和2年度 A問題3 問題文
令和2年度 法規科目 A問題3 問題文

電験3種 法規科目 【電技省令】 令和2年度 A問題3

 次の文章は、「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく使用電圧が6 600Vの交流電路の絶縁性能に関する記述である。

 a) 電路は、大地から絶縁しなければならない。ただし、構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合、又は混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は、この限りでない。電路と大地との間の絶縁性能は、事故時に想定される異常電圧を考慮し、(ア)による危険のおそれがないものでなければならない。

 b) 電路は、絶縁できないことがやむを得ない部分及び機械器具等の電路を除き、次の①及び②のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。

 ① (イ)Vの交流試験電圧を電路と大地(多心ケーブルにあっては、心線相互間及び心線と大地との間)との間に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。

 ② 電線にケーブルを使用する電路においては、(イ)Vの交流試験電圧の(ウ)倍の直流電圧を電路と大地(多心ケーブルにあっては、心線相互間及び心線と大地との間)との間に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。

 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)
(1)絶縁破壊9 9001.5
(2)漏えい電流10 3501.5
(3)漏えい電流8 2502
(4)漏えい電流9 9001.25
(5)絶縁破壊10 3502

ポイント解説:最大使用電圧→試験電圧→ケーブルは直流2倍

(ア)絶縁破壊:電技第5条第2項は「電路と大地との間の絶縁性能は、事故時に想定される異常電圧を考慮し、絶縁破壊による危険のおそれがないものでなければならない」。絶縁が破れることそのものを防ぐ規定です。「漏えい電流」は低圧電線路の条文(電技第22条・最大供給電流の2 000分の1)で使われる語で、ここでは使いません。高圧以上=絶縁破壊/低圧電線路=漏えい電流と整理しましょう。

(イ)10 350V を求める:まず最大使用電圧に直します。公称電圧6 600Vは1 000Vを超え7 000V以下の区分なので
 6 600 × 1.15 ÷ 1.1 = 6 900 V
次に解釈第15条より、最大使用電圧7 000V以下の電路の試験電圧は1.5倍
 6 900 × 1.5 = 10 350 V
選択肢の10 350と一致します。いきなり6 600×1.5=9 900としてはいけません——必ず最大使用電圧に直してから1.5倍です。これが(1)(4)の9 900という引っかけの正体。

(ウ)2倍:電線にケーブルを使用する電路では、交流試験電圧の2倍の直流電圧で代替できます。ケーブルは静電容量が大きく、交流試験では大きな充電電流が流れて試験装置が大容量になってしまうため、直流で試験してよいという実務的な配慮です。直流のほうが絶縁への負担が小さいので2倍に引き上げる、という関係。よって(5)

問題の解説

STEP1 (ア)

高圧以上の絶縁性能は絶縁破壊で表す。

STEP2 (イ)

6 600×1.15/1.1=6 900V→×1.5=10 350V。

STEP3 (ウ)

ケーブルは交流試験電圧の2倍の直流→(5)。

答え:(5)

💡 覚え方
最大使用電圧=公称電圧×1.15/1.1(1 000V超7 000V以下)。試験電圧=最大使用電圧×1.5(7 000V以下)。ケーブルは交流試験電圧の2倍の直流。いずれも連続10分間。電技5条2項=絶縁破壊による危険のおそれがないこと。

⚠️ よくある間違い
6 600×1.5=9 900としない——先に最大使用電圧6 900Vへ換算。ケーブルの直流は2倍(1.5倍・1.25倍ではない)。(ア)に「漏えい電流」を入れない。

まとめ

(ア)絶縁破壊
最大使用電圧6 600×1.15/1.1=6 900 V
(イ)10 350(V=6 900×1.5)
(ウ)2(倍の直流電圧)
試験時間連続10分間
答え(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・電路の絶縁(電技省令5):【法規】令和6年度下期 A問題3
・電路の絶縁(電技省令38):【法規】平成24年度 A問題5

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