電気設備技術基準の解釈45【電験3種 法規】常時監視しない発電所で誤りは水力随時巡回3000kW=(3) 令和元年度 A問題7 完全解説

電験3種 法規科目 電気設備技術基準の解釈 令和元年度 A問題7 随時巡回できるのは2000kW未満!3000kWは誤り

今回は令和元年度 法規科目 A問題7常時監視をしない発電所の施設(電気設備技術基準の解釈第47条の2・48条)に関する問題です。監視方式の定義と、方式ごとの発電所出力の制限から、誤っているものを選びます。

ポイントは「水力発電所に随時巡回方式を採用する場合は出力2000kW未満」という数値制限。監視方式の定義(随時巡回・遠隔常時監視制御)と合わせて押さえます。

目次

令和元年度 法規科目 A問題7:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和元年度 A問題7 問題文
令和元年度 法規科目 A問題7 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和元年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題7

電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 令和元年度 A問題7

 次の記述は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく常時監視をしない発電所の施設に関するものである。誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)随時巡回方式の技術員は、適当な間隔において発電所を巡回し、運転状態の監視を行う。
(2)遠隔常時監視制御方式の技術員は、制御所に常時駐在し、発電所の運転状態の監視及び制御を遠隔で行う。
(3)水力発電所に随時巡回方式を採用する場合に、発電所の出力を3000kWとした。
(4)風力発電所に随時巡回方式を採用する場合に、発電所の出力に制限はない。
(5)太陽電池発電所に遠隔常時監視制御方式を採用する場合に、発電所の出力に制限はない。

答え誤りは(3)——水力の随時巡回は2 000kW未満 = (3)

答えは(3):水力の随時巡回方式は出力2 000kW未満

電気設備技術基準の解釈 第47条の2(常時監視をしない発電所の施設)

随時巡回方式は、技術員が適当な間隔をおいて発電所を巡回し、運転状態の監視を行うものであること。/随時監視制御方式は、技術員が必要に応じて発電所に出向き、運転状態の監視又は制御その他必要な措置を行うものであること。/遠隔常時監視制御方式は、技術員が制御所に常時駐在し、発電所の運転状態の監視及び制御を遠隔で行うものであること。/★水力発電所に随時巡回方式を採用する場合は、発電所の出力が2 000kW未満であること。

★方式の定義だけでなく、発電所ごとの出力制限も問われます。

平成27年度 A問題6は同じ47条の2で、3方式の定義を空欄補充で問うています。

この記事は、出力による適用制限を主軸にします

★発電所の種類と方式ごとの出力制限

発電所随時巡回方式随時監視制御方式遠隔常時監視制御方式
★水力★★出力2 000kW未満★★制限あり(規模に応じ)★★制限なし
★風力★★制限なし★★制限なし★★制限なし
★太陽電池★★制限なし★★制限なし★★制限なし

水力だけに出力制限が付きます——これが本問の急所です。

風力・太陽電池には出力制限がありません——設問(4)(5)が正しいとされる根拠です。

★なぜ水力だけ制限があるのか

設備異常時のリスク
★水力発電所★★水路・ダム・水圧管の異常は下流に被害を及ぼす
★風力発電所★★風車が止まれば発電も止まる(自己完結)
★太陽電池発電所★★可動部がなく、異常が拡大しにくい

水力は「水」という大きなエネルギーを扱います——制御を失えば、水路や下流に被害が及ぶのです。

規模が大きいほど扱う水量も大きい——だから出力で線を引きます

風力・太陽光は、止まっても水のような二次被害がないのです。

★2 000kWという数値

数値使われる場面
★2 000kW★★水力に随時巡回方式を採用できる上限(未満)
★2 000kW★★主任技術者の外部委託ができる上限(未満)
★50kW★★一般用電気工作物となる太陽電池の上限(未満)

2 000kWは、法規科目のあちこちで登場する境目です——主任技術者の外部委託と同じ値

「小規模」と「そうでない」を分ける実務上の線——制度全体で整合しています

★3方式の監視の密度

方式技術員はどこに監視の密度
★随時巡回★★適当な間隔をおいて巡回★★低い
★随時監視制御★★必要に応じて出向く★★中
★遠隔常時監視制御★★制御所に常時駐在★★高い

監視の密度が高いほど、大きな発電所にも使えます——だから遠隔常時監視制御には制限がないのです。

随時巡回はいちばん手薄——だから小規模に限られるのです。

無人化の前提となる保護装置

要求内容
★異常時の自動停止★★所定の異常が生じたら自動的に電路から遮断する
★警報の伝送★★技術員に自動的に知らせる
★到着時間★★随時監視制御では所定時間内に到着できること

人がいない代わりに、設備が自分で止まる——これが無人化の前提条件です。

平成20年度 A問題10の発電機の保護装置(42条)が、その具体的な中身です。

変電所の場合(48条)

方式内容
★簡易監視制御方式★★技術員が必要に応じて変電所へ出向く
★断続監視制御方式★★技術員が当該変電所又は制御所に断続的に駐在
★遠隔断続監視制御方式★★技術員が制御所に断続的に駐在して遠隔で監視・制御
★遠隔常時監視制御方式★★技術員が制御所に常時駐在して遠隔で監視・制御

変電所は4方式、発電所は3方式——数が違うので混同しないことです。

変電所も電圧階級によって使える方式が変わります

「技術員」という用語

条文の言葉ダミー語違い
技術員★★技術員★主任技術者★★解釈上の用語/電気事業法上の選任者
技術員★★技術員★運転員★★条文にあるのは技術員

技術員は、発電所の監視・操作を行う者です——解釈で使われる用語

「運転員」という言い方は条文にありません——空欄補充で狙われる語です。

無人化が広がった背景

再生可能エネルギーの発電所は、山間部や広大な土地にあります——人を常駐させるのは非現実的です。

遠隔監視・遠隔制御の技術が実用化されたことで、無人運転が可能になりました

制度がそれを追認したのが47条の2——技術の進歩が法令を動かした例です。

小規模事業用電気工作物という区分

設備出力区分
★太陽電池発電設備★★10kW以上50kW未満★★小規模事業用電気工作物
★風力発電設備★★20kW未満★★小規模事業用電気工作物
★上記未満★★—★★一般用電気工作物

2023年に新設された区分です——太陽光の事故増加を受けた制度改正

使用前自己確認と技術基準適合維持の義務がかかります——主任技術者の選任までは求められません

主任技術者の選任と外部委託

区分要件
★原則★★事業用電気工作物には主任技術者を選任する
★外部委託承認★★出力2 000kW未満の発電所等は保安管理業務を外部委託できる
★兼任★★一定の要件のもとで複数事業場の兼任が可能

2 000kWという数値は、水力の随時巡回方式の上限と同じです——「小規模」の線引きが制度全体で整合しています

無人化と外部委託は、どちらも省力化の仕組み——安全を保ちながら運用を軽くするのです。

発電所の異常を知らせる仕組み

手段内容
★テレメータ★★電圧・電流・出力を遠隔に伝送する
★警報伝送装置★★異常発生を技術員へ自動通報する
★監視カメラ★★構内の状況を映像で確認する
★遠隔制御★★遮断器等を離れた場所から操作する

遠隔で見られて遠隔で操作できるから無人化できます——技術の進歩が制度を可能にしたのです。

随時巡回方式でも、警報の伝送は必要——巡回の間に異常が起きるからです。

⏱️ 本番での進め方
水力の随時巡回方式は出力2 000kW未満——3 000kWは不可。
風力の随時巡回・太陽電池の遠隔常時監視制御は出力制限なし
③ 随時巡回=適当な間隔をおいて巡回
④ 遠隔常時監視制御=制御所に常時駐在

💡 覚え方
解釈47条の2=随時巡回方式は技術員が適当な間隔をおいて巡回し運転状態を監視、随時監視制御方式は必要に応じて出向く、遠隔常時監視制御方式は制御所に常時駐在して遠隔で監視・制御。★水力発電所に随時巡回方式を採用できるのは出力2 000kW未満の場合に限る。風力の随時巡回・太陽電池の遠隔常時監視制御は出力制限なし。

⚠️ よくある間違い
水力の随時巡回方式は「3 000kW」では不可——2 000kW未満に限られる。方式の定義だけでなく出力制限も問われる。

まとめ

(1)随時巡回方式適当な間隔で巡回監視→正しい
(2)遠隔常時監視制御制御所常駐で遠隔監視制御→正しい
(3)水力の随時巡回2000kW未満→3000kWは誤り
(4)風力の随時巡回出力制限なし→正しい
(5)太陽電池の遠隔常時監視制御出力制限なし→正しい/答え(3)

▼あわせて解きたい関連問題
・接地工事の工事例(電気設備技術基準の解釈44):【法規】令和元年度 A問題6
・低高圧架空電線の施設(電気設備技術基準の解釈46):【法規】令和元年度 A問題8

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