電気設備技術基準の解釈65【電験3種 法規】常時監視しない発電所は技術員・巡回・運転状態・制御所=(1) 平成27年度 A問題6 完全解説

電験3種 法規科目 電気設備技術基準の解釈 平成27年度 A問題6 無人でも安全に運転する!技術員と制御所の役割

今回は平成27年度 法規科目 A問題6常時監視をしない発電所(電気設備技術基準の解釈第47条の2)に関する空欄補充問題です。3つの監視方式(随時巡回・随時監視制御・遠隔常時監視制御)の定義が問われます。

骨格は「随時巡回=技術員が適当な間隔をおいて巡回」「随時監視制御=必要に応じて出向く」「遠隔常時監視制御=制御所に常時駐在」。監視対象はいずれも運転状態です。

目次

平成27年度 法規科目 A問題6:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成27年度 A問題6 問題文
平成27年度 法規科目 A問題6 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成27年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題6

電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 平成27年度 A問題6

 次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく、常時監視をしない発電所に関する記述の一部である。上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

a.随時巡回方式は、(ア)が、(イ)発電所を巡回し、(ウ)の監視を行うものであること。

b.随時監視制御方式は、(ア)が、(エ)発電所に出向き、(ウ)の監視又は制御その他必要な措置を行うものであること。

c.遠隔常時監視制御方式は、(ア)が、(オ)に常時駐在し、発電所の(ウ)の監視及び制御を遠隔で行うものであること。

(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)
(1)技術員適当な間隔をおいて運転状態必要に応じて制御所
(2)技術員必要に応じて運転状態適当な間隔をおいて制御所
(3)技術員必要に応じて計測装置適当な間隔をおいて駐在所
(4)運転員適当な間隔をおいて計測装置必要に応じて駐在所
(5)運転員必要に応じて計測装置適当な間隔をおいて制御所
答え(ア)技術員・(イ)適当な間隔をおいて・(ウ)運転状態・(エ)必要に応じて・(オ)制御所 = (1)

答えは(1):技術員・適当な間隔をおいて・運転状態・必要に応じて・制御所

電気設備技術基準の解釈 第47条の2(常時監視をしない発電所の施設)

a 随時巡回方式は、技術員が、適当な間隔をおいて発電所を巡回し、運転状態の監視を行うものであること。/b 随時監視制御方式は、技術員が、必要に応じて発電所に出向き、運転状態の監視又は制御その他必要な措置を行うものであること。/c 遠隔常時監視制御方式は、技術員が、制御所に常時駐在し、発電所の運転状態の監視及び制御を遠隔で行うものであること。

3方式とも主語は「技術員」、対象は「運転状態」で共通です。

共通部分を先に固めれば、選択肢は一気に絞れます——(ア)技術員・(ウ)運転状態で3つ消えるのです。

★3方式を1枚の表で

方式技術員はどこに頻度行うこと
★随時巡回★★発電所へ巡回★★適当な間隔をおいて★★運転状態の監視
★随時監視制御★★必要なとき発電所へ出向く★★必要に応じて★★監視・制御その他必要な措置
★遠隔常時監視制御★★制御所に常時駐在★★常時★★遠隔で監視及び制御

下へ行くほど、監視の密度が高くなります——そのぶん適用できる発電所の規模も大きくなるのです。

「適当な間隔をおいて」と「必要に応じて」の入れ替えが定番——巡回は定期、出向きは随時と押さえます。

★「技術員」と「主任技術者」は別物

条文の言葉ダミー語違い
技術員★★技術員★主任技術者★★資格要件のある職/現場の担当者
運転状態★★運転状態★計測装置★★監視するのは状態であって装置ではない

主任技術者は電気事業法に基づく選任された者です——免状が必要です。

技術員は解釈上の用語で、発電所の監視・操作を行う者——「運転員」という言い方は条文にありません

選択肢の「運転員」はここを狙ったダミーです。

★どの方式がどの発電所に使えるか

発電所使える方式
★水力発電所★★出力等に応じて3方式のいずれか
★風力発電所★★随時巡回・随時監視制御・遠隔常時監視制御
★太陽電池発電所★★随時巡回等(無人が前提)
★燃料電池発電所★★条件を満たせば随時巡回等

再生可能エネルギーの発電所は、そもそも無人が前提です——だからこの条文が重要になっています

山間部の小水力や、広大な太陽光発電所に人を常駐させるのは非現実的——制度がそれを認めているのです。

★無人化を許す代わりに要求されること

要求内容
★異常時の自動停止★★所定の異常が生じたら自動的に電路から遮断する
★警報の伝送★★技術員に自動的に知らせる
★到着時間★★随時監視制御では所定時間内に到着できること

人がいない代わりに、設備が自分で止まる——これが無人化の前提条件です。

だから解釈42条〜48条の保護装置の規定とセットで効いてきます

なぜ「常時監視をしない」という書き方なのか

原則は、発電所には技術員が常時監視することです——電技46条がそう定めています

47条の2は、その例外を認めるための条文——だから「常時監視をしない発電所」と題されています

原則と例外の関係を押さえると、条文の位置づけが見えます

制御所とは何か

制御所は、複数の発電所や変電所を遠隔で監視・制御する拠点です——給電指令所と呼ばれることもあります

ここに技術員が常時駐在するのが遠隔常時監視制御方式——「駐在所」という語は条文にありません

1つの制御所が何十もの発電所を見る——これが現代の電力系統の運用です。

変電所にも同じ枠組みがある

対象条文
★常時監視をしない発電所★★解釈47条の2
★常時監視をしない変電所★★解釈48条

変電所も、同じ3方式(+簡易監視制御方式)で無人化が認められます

いまや無人変電所のほうが多い——この条文が実務を支えています

巡回の「適当な間隔」はどれくらいか

条文は具体的な日数を書いていません——設備の種類と規模で変わるからです。

実務では保安規程で頻度を定めます——週1回、月1回など

法令が枠を示し、事業者が中身を決める——保安規程の役割そのものです。

監視の対象は「運転状態」

電圧・電流・出力・温度・振動など、発電所が正常に動いているかを示すもの全般です。

「計測装置」は監視の道具であって、対象ではありません——目的語を取り違えないことです。

条文の主語・目的語を正確に読むのが法規科目の基本です。

常時監視をしない変電所の4方式

方式内容
★簡易監視制御方式★★技術員が必要に応じて変電所へ出向いて監視・制御
★断続監視制御方式★★技術員が当該変電所又は制御所に断続的に駐在
★遠隔断続監視制御方式★★技術員が制御所に断続的に駐在して遠隔で監視・制御
★遠隔常時監視制御方式★★技術員が制御所に常時駐在して遠隔で監視・制御

変電所は4方式、発電所は3方式——数が違うので混同しないことです。

「遠隔常時監視制御方式」だけは両方に共通——いちばん手厚い方式だからです。

無人化を支える技術

技術役割
★テレメータ★★電圧・電流・電力を遠隔に伝送する
★テレコントロール★★遠隔から遮断器等を操作する
★自動再閉路装置★★一時的な事故なら自動で送電を復旧する
★監視カメラ★★構内の状況を映像で確認する

遠隔で見られて、遠隔で操作できるから無人化できます——技術の進歩が制度を可能にしたのです。

再閉路装置は、雷による一時的な地絡で自動的に復旧する仕組み——停電時間を短縮します

保安規程との関係

巡回の頻度や、異常時に何分以内に到着するかは保安規程で定めます

解釈は「随時巡回方式とはこういうものだ」と定義するだけ——具体的な運用は事業者が決めるのです。

法令が枠を示し、保安規程が中身を埋める——電気事業法42条の仕組みです。

⏱️ 本番での進め方
① 主語は技術員——「運転員」ではない。
② 対象は運転状態——「計測装置」ではない。
③ 随時巡回は適当な間隔をおいて、随時監視制御は必要に応じて
④ 遠隔常時監視制御は制御所に常時駐在——「駐在所」ではない。

💡 覚え方
解釈47条の2=①随時巡回方式=技術員が適当な間隔をおいて発電所を巡回し運転状態を監視 ②随時監視制御方式=技術員が必要に応じて発電所に出向き監視・制御その他必要な措置 ③遠隔常時監視制御方式=技術員が制御所に常時駐在し運転状態を遠隔で監視及び制御。

⚠️ よくある間違い
(ア)は「運転員」ではなく技術員(ウ)は「計測装置」ではなく運転状態(オ)は「駐在所」ではなく制御所。(イ)と(エ)の入れ替えに注意。

まとめ

(ア)技術員
随時巡回方式(イ)適当な間隔をおいて巡回
随時監視制御方式(エ)必要に応じて出向く
遠隔常時監視制御(オ)制御所に常時駐在し遠隔
(ウ)監視対象運転状態
答え(1)

▼あわせて解きたい関連問題
・常時監視をしない発電所の施設(電気設備技術基準の解釈45):【法規】令和元年度 A問題7
・結合変圧器に施す接地工事(電気設備技術基準の解釈64):【法規】平成27年度 A問題5

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