電気事業法16【電験3種 法規】太陽光は500kW以上で自己確認・2000kW以上は工事計画「届出」 平成30年度 A問題2 完全解説

電験3種 法規科目 電気事業法 平成30年度 A問題2 太陽光は出力で手続が変わる!500と2000kW

今回は平成30年度 法規科目 A問題2太陽電池発電所等の設置に必要な手続を4つの記述で問う問題です。出力の数字ごとに要る手続が変わるので、表で覚えるのが最短ルートです。

押さえる数字は500kW(使用前自己確認の下限)2000kW(工事計画届出の下限)。そして工事計画は認可ではなく届出。この2点だけで(c)と(d)が判定でき、正解にたどり着けます。

目次

平成30年度 法規科目 A問題2:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成30年度 A問題2 問題文
平成30年度 法規科目 A問題2 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成30年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題2

電験3種 法規科目 【電気事業法】 平成30年度 A問題2

 次のaからdの文章は、太陽電池発電所等の設置についての記述である。「電気事業法」及び「電気事業法施行規則」に基づき、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

a 低圧で受電し、既設の発電設備のない需要家の構内に、出力20kWの太陽電池発電設備を設置する者は、電気主任技術者を選任しなければならない。

b 高圧で受電する工場等を新設する際に、その受電場所と同一の構内に設置する他の電気工作物と電気的に接続する出力40kWの太陽電池発電設備を設置する場合、これらの電気工作物全体の設置者は、当該発電設備も対象とした保安規程を経済産業大臣に届け出なければならない。

c 出力1000kWの太陽電池発電所を設置する者は、当該発電所が技術基準に適合することについて自ら確認し、使用の開始前に、その結果を経済産業大臣に届け出なければならない。

d 出力2000kWの太陽電池発電所を設置する者は、その工事の計画について経済産業大臣の認可を受けなければならない。

abcd
(1)適切適切不適切不適切
(2)適切不適切適切適切
(3)不適切適切適切不適切
(4)不適切不適切適切不適切
(5)適切不適切不適切適切
答えa不適切・b適切・c適切・d不適切 = (3)

答えは(3):a不適切・b適切・c適切・d不適切

押さえる数字は500kWと2000kWの2つだけです——そして工事計画は認可ではなく届出

記述内容判定
★a★★低圧受電+太陽電池20kWで主任技術者を選任★不適切(選任不要)
★b★★高圧受電+同一構内の太陽電池40kWも対象に保安規程★★適切
★c★★1000kWは自ら確認して使用開始前に届出★★適切
★d★★2000kWは工事計画の認可★不適切(届出)

cとdの2つを判定できれば、それだけで正解にたどり着きます

★出力別の手続一覧

出力区分・手続
★10kW未満★★一般用(低圧受電の場合)
★10kW以上50kW未満★★小規模事業用(主任技術者の選任は不要)
★50kW以上500kW未満★★自家用(保安規程・主任技術者)
★500kW以上2000kW未満★★+使用前自己確認
★2000kW以上★★+工事計画の届出・使用前自主検査

この表を覚えれば、この分野の問題はほぼ解けます——数字は5つだけです。

下の段の義務がなくなるわけではありません——上に積み上がっていく形です。

★aが不適切である理由は2段構え

出題当時は、50kW未満の太陽電池は小規模発電設備で全体が一般用でした——だから選任は不要です。

現行法では10kW以上50kW未満は小規模事業用になりました——事業用に格上げされたのです。

それでも法43条1項が小規模事業用を除いているので、やはり選任は不要——理由は変わっても結論は同じです。

bの「高圧受電なら全部自家用」

構内の状況区分
★高圧受電+太陽電池40kW★★全体が自家用
★低圧受電+太陽電池40kW★★小規模事業用(発電設備部分)

受電電圧が高圧なら、構内の設備は全部まとめて自家用です——太陽電池だけ別扱いにはなりません

だから保安規程も、その太陽電池を対象に含めて作ります——bはそこまで正確に書いてあり適切です。

★使用前自己確認とは

使用前自己確認使用前自主検査
★対象★★太陽光500kW以上2000kW未満など★★工事計画の届出をした設備
★誰が★★設置者が自ら確認★★設置者が検査
★行政の関与★★結果を届出するだけ★★安全管理審査がある

工事計画の対象にならない中規模設備の受け皿です——まったくの野放しにしないための制度です。

名前が似ているので混同しやすいところ——「自己確認」と「自主検査」を区別しましょう。

dの「認可」がなぜ誤りか

条文の言葉ダミー語違い
届出★★届出★認可★★電気事業法の工事計画は一貫して届出制
500kW以上2000kW未満★★500kW以上2000kW未満★500kW以上すべて★★自己確認には上限がある
選任不要★★選任不要★選任必要★★小規模事業用は法43条1項から除かれる

電気事業法で「認可」が出てくる場面はごく限られています——工事計画は届出です。

認可なら、行政の同意を待たないと工事にかかれません——それでは設備の建設が滞ります

だから届出にして、問題があれば後から止める形にしてあります

数字が改正されてきた経緯

時期工事計画の届出
★平成22年ごろ★★500kW以上
★現在★★2000kW以上

太陽光の普及に合わせて、手続の入口が引き上げられました——件数が増えすぎて、行政が処理しきれなくなったのです。

代わりに使用前自己確認という軽い仕組みが作られました——規制を外したのではなく、形を変えたのです。

4つの記述が扱う場面

記述場面
★a★★住宅・小規模事業所の屋根置き
★b★★工場の自家消費型太陽光
★c★★中規模のメガソーラー
★d★★大規模なメガソーラー

小さいものから大きいものへ、順に並んでいます——実務で出会う順番でもあります

規模ごとに何が要るかを整理するのに、よくできた問題です

実務での確認手順

まず受電電圧を見て、区分を決めます——高圧なら全部自家用です。

次に発電設備の出力で、追加の手続を確かめます——500kWと2000kWが分かれ目です。

この2段で、必要な手続はすべて決まります

なぜ太陽光だけ制度が細かいのか

太陽光は、住宅の屋根から数十MWのメガソーラーまで規模の幅が極端です——ひとつの基準では対応できません

だから10kW・50kW・500kW・2000kWと、いくつも区切りが設けられました——規模ごとに適した規制をかけるためです。

他の発電方式には、ここまで細かい区分はありません——普及の速さが制度を複雑にしたのです。

⏱️ 本番での進め方
cとdだけ見れば決着する——500kW以上2000kW未満は自己確認、2000kW以上は届出。
「認可」を含む記述は疑う——工事計画は届出。
③ aは小規模なら選任不要。旧法でも現行でも結論は同じ。
④ bは高圧受電なら構内全体が自家用——太陽電池も含めて保安規程。

届出と自己確認の期限

手続いつまでに
★工事計画の届出★★工事開始の30日前まで
★使用前自己確認の届出★★使用の開始前
★保安規程の届出★★使用の開始前

工事計画だけが具体的な日数、あとは「使用の開始前」です——事前に審査する時間が要るかどうかの違いです。

cの記述が「使用の開始前に」と書いているのも条文どおりです。

出題履歴——数字を問う定番

年度問われ方
★平成22年度 問1★★出力別の手続の階段
★平成29年度 問10★★再エネ建設手続の正誤
★平成30年度 問2★★500kW・2000kWの数字(本問)

平成22年度 A問題1は同じ論点を空欄補充で問うています。数字は当時のものなので、本問の現行値と読み比べるとよいでしょう。

令和6年度下期 A問題1で区分の判定を、本問で手続の数字を——この2本で太陽光まわりが一通りそろいます

💡 覚え方
太陽電池発電所の手続(出力別)=〜10kW未満は一般用/10〜50kW未満は小規模事業用(主任技術者の選任は不要)/500kW以上2000kW未満は使用前自己確認(使用開始前に結果を届出)/2000kW以上は工事計画の届出+使用前自主検査。工事計画は届出であって認可ではない

⚠️ よくある間違い
低圧受電の小容量太陽光に主任技術者を求めない高圧受電なら構内全体が自家用→保安規程が要る。工事計画を「認可」としない、届出。自己確認は500kW以上2000kW未満

まとめ

a不適切(20kWは選任不要)
b適切(高圧受電→全体が自家用→保安規程)
c適切(1000kW→使用前自己確認)
d不適切(2000kW以上は工事計画の「届出」)
答え(3)

▼あわせて解きたい関連問題
・一般用電気工作物の該当(電気事業法3):【法規】令和6年度下期 A問題1
・太陽光発電所の手続の違い(電気事業法31):【法規】平成22年度 A問題1

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