電気事業法15【電験3種 法規】事業用=一般用以外!自家用は使用開始の後、遅滞なく届出 平成30年度 A問題1 完全解説

電験3種 法規科目 電気事業法 平成30年度 A問題1 自家用を使い始めたら届出!期限はいつまで?

今回は平成30年度 法規科目 A問題1電気工作物の区分の空欄補充問題です。事業用・自家用・一般用の関係を条文の言葉で正確に押さえられるかが問われます。

定義は引き算で決まります。事業用=一般用以外自家用=電気事業(一般送配電・送電・特定送配電・一定の発電事業)の用に供するもの と 一般用 を除いた残り。そして自家用の使用開始は事後(使用の開始の後、遅滞なく)の届出です。

目次

平成30年度 法規科目 A問題1:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成30年度 A問題1 問題文
平成30年度 法規科目 A問題1 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成30年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題1

電験3種 法規科目 【電気事業法】 平成30年度 A問題1

 次のa、b及びcの文章は、「電気事業法」に基づく自家用電気工作物に関する記述である。

 a 事業用電気工作物とは、(ア)電気工作物以外の電気工作物をいう。

 b 自家用電気工作物とは、次に掲げる事業の用に供する電気工作物及び(イ)電気工作物以外の電気工作物をいう。

 ① 一般送配電事業 ② 送電事業 ③ 特定送配電事業 ④ (ウ)事業であって、その事業の用に供する(ウ)用の電気工作物が主務省令で定める要件に該当するもの

 c 自家用電気工作物を設置する者は、その自家用電気工作物の(エ)、その旨を主務大臣に届け出なければならない。ただし、工事計画に係る認可又は届出に係る自家用電気工作物を使用する場合、設置者による事業用電気工作物の自己確認に係る届出に係る自家用電気工作物を使用する場合及び主務省令で定める場合は、この限りでない。

 上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)一般用事業用配電使用前自主検査を実施し
(2)一般用一般用発電使用の開始の後、遅滞なく
(3)自家用事業用配電使用の開始の後、遅滞なく
(4)自家用一般用発電使用の開始の後、遅滞なく
(5)一般用一般用配電使用前自主検査を実施し
答え(ア)一般用・(イ)一般用・(ウ)発電・(エ)使用の開始の後、遅滞なく = (2)

答えは(2):一般用・一般用・発電・使用の開始の後、遅滞なく

電気事業法 第38条・第53条

a 事業用電気工作物とは、一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。/b 自家用電気工作物とは、①一般送配電事業 ②送電事業 ③特定送配電事業 ④発電事業であって、その事業の用に供する発電用の電気工作物が主務省令で定める要件に該当するもの——これらの事業の用に供する電気工作物及び一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。/c 自家用電気工作物を設置する者は、その自家用電気工作物の使用の開始の後、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

定義がすべて「引き算」で書かれているのが、この条文の特徴です。

(ア)(イ)は「一般用」——まず一般用を決めて、残りを事業用とする組み立てです。

(ウ)は「発電」——④だけが「事業+その用に供する設備の要件」の二重条件です。

(エ)は「使用の開始の後、遅滞なく」——事前ではなく事後の届出です。

★定義は引き算で決まる

区分定義のしかた
★一般用電気工作物★★条件を挙げて積極的に定める
★事業用電気工作物★★一般用「以外」
★自家用電気工作物★★電気事業用と一般用を除いた「残り」

積極的に定めているのは一般用だけです——あとは引き算で決まります

だから一般用の条件を覚えれば、3つとも判定できます——覚える量は思ったより少ないのです。

入れ子構造を図にすると

階層中身
★電気工作物★★すべて
★ ├ 一般用★★一般家庭・小規模店舗
★ └ 事業用★★一般用以外すべて
★  ├ 電気事業の用に供するもの★★一般送配電・送電・特定送配電・一定の発電事業
★  └ 自家用★★工場・ビル・病院の受電設備

2段階で枝分かれしています——まず一般用かどうか、次に電気事業用かどうかです。

この図が頭に入っていれば、定義の問題で迷いません

★使用開始届は「事後」

手続タイミング根拠
★工事計画の届出★★工事開始の30日前まで★★法48条
★保安規程の届出★★使用の開始前★★法42条
★主任技術者の選任★★使用の開始前・届出は遅滞なく★★法43条
★使用開始の届出★★使用の開始の後、遅滞なく★★法53条

ここだけが「後」です——他は全部「前」なので、引っかかりやすいところです。

使用を始めたという事実を知らせるだけの届出だからです——事前に止める性格の手続ではありません

条文ごとにタイミングが違うので、表で整理しておきましょう

なぜ除外規定があるのか

工事計画の認可・届出をした設備は、除外されています——すでに国が把握しているからです。

自己確認の届出をした設備も同じ理由で除かれます——二重に届け出させる意味がありません

つまり使用開始届は、他の届出にかからない設備のための受け皿です——把握の網から漏らさないための規定なのです。

④の発電事業だけが二重条件

条文の言葉ダミー語違い
一般用★★一般用★自家用★★事業用は一般用以外と定義される
発電★★発電★配電★★④は発電事業。配電事業は①〜③に含まれない書き方
使用の開始の後、遅滞なく★★使用の開始の後、遅滞なく★使用前自主検査を実施し★★法53条と法51条は別制度

①②③は事業の名前だけで決まります——④だけが「その設備が要件に該当するもの」と限定されています

発電事業には小さなものまで含まれうるので、線引きが必要だから——だから省令で要件を定めているのです。

「使用前自主検査を実施し」がダミーである理由

使用前自主検査は法第51条の別制度です——工事計画の届出をした設備が対象になります。

本条は「届け出なければならない」で終わる手続の話です——検査の話とは条文が違います

似た場面の制度をぶつけてくるのが、法規のダミーの作り方です——どの条文の話かを見失わないことです。

自家用になる典型例

施設受電区分
★一般家庭★★100V/200V★★一般用
★コンビニ★★低圧★★一般用
★中規模ビル★★6600V★★自家用
★工場★★6600V/22000V★★自家用

高圧受電になった時点で自家用です——主任技術者と保安規程が必要になります

電験3種を持つ人が関わるのは、この自家用の世界です

配電事業という新しい区分

令和4年4月から、配電事業という区分が新しく設けられました——地域の配電網を切り出して運営する事業です。

本問は平成30年度なので、まだ登場しません——近年の問題では条文に加わっています

古い年度と新しい年度で条文が違う点に注意しましょう——出題年度を確かめる習慣が役に立ちます。

届出のタイミングを言葉で覚える

「工事の前に計画、使用の前に体制、使用の後に報告」——この順で唱えると混乱しません

計画は工事計画の届出、体制は保安規程と主任技術者、報告が使用開始の届出です

設備が動き出すまでの流れに沿って並んでいます——条文番号ではなく、時間の順で覚えるのがコツです。

時点手続
★工事の前★★工事計画の届出(30日前まで)
★使用の前★★保安規程の届出・主任技術者の選任
★使用の後★★使用開始の届出(遅滞なく)

⏱️ 本番での進め方
① (ア)(イ)はどちらも「一般用」——定義は引き算で書かれる。
② (ウ)は「発電」。配電事業は当時まだ存在しない。
③ (エ)は「使用の開始の後、遅滞なく」——ここだけ事後。
「使用前自主検査」は法51条の別制度。混ぜない。

出題履歴——定義と手続の複合問題

年度問われ方
★平成27年度 問1★★自家用の5類型
★平成30年度 問1★★区分の入れ子+使用開始届(本問)
★令和6年度下期 問1★★一般用に該当するかを判定

平成27年度 A問題1は自家用の5類型を正面から問うています。本問は区分の関係と届出のタイミングが主題という違いです。

定義は他の条文を読む土台です——ここを固めると、法規全体が読みやすくなります

💡 覚え方
電気工作物=一般用+事業用。事業用=電気事業の用に供するもの+自家用。自家用の使用開始届(法53条)は使用の開始の後、遅滞なく(工事計画の認可・届出済み、自己確認の届出済みは除く)。

⚠️ よくある間違い
自家用の使用開始届を「事前」と覚えない——事後(使用の開始の後、遅滞なく)。保安規程(法42条)と主任技術者選任(法43条)は使用開始前で、届出のタイミングが条文ごとに違うので整理して覚える。

まとめ

(ア)一般用(事業用=一般用以外)
(イ)一般用
(ウ)発電(事業)
(エ)使用の開始の後、遅滞なく
根拠法38条・法53条
答え(2)

▼あわせて解きたい関連問題
・自家用電気工作物(電気事業法21):【法規】平成27年度 A問題1
・一般用電気工作物の該当(電気事業法3):【法規】令和6年度下期 A問題1

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次