技術基準の計算16【電験3種 法規】温度補正と電流減少係数で許容電流64.5A!公称断面積14mm² 平成29年度 B問題11 完全解説

電験3種 法規科目【技術基準の計算】平成29年度 B問題11 (a)状況・特別高圧・強度・交さ・混触=(5)/(b)公称断面積14mm²=(4)

今回は平成29年度 法規科目 B問題11電気使用場所の配線の条文と、許容電流の補正を組み合わせた問題です。(b)は実務でも使う電線の太さ選定そのものです。

(b)の骨格は「負荷電流 ≦ 許容電流 × 温度補正係数 × 電流減少係数」。逆に解いて必要な許容電流 = 負荷電流 ÷(2つの係数の積)を求め、表からそれ以上の電線を選びます。

出題のポイント

目次

平成29年度 法規科目 B問題11:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成29年度 B問題11 問題文
平成29年度 法規科目 B問題11 問題文

電験3種 法規科目 【技術基準の計算】 平成29年度 B問題11

 電気使用場所の配線に関し、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

 (b)では、周囲温度が50℃の場所において、定格電圧210Vの三相3線式で定格消費電力15kWの抵抗負荷に電気を供給する低圧屋内配線を、金属管工事により絶縁電線を同一管内に収めて施設する(各相それぞれ1本)。使用する絶縁電線は耐熱性を有する600Vビニル絶縁電線(軟銅より線)とし、表1の許容電流及び表2の電流減少係数を用いる。周囲温度による許容電流補正係数の計算式は √((75−θ)/30)(θは周囲温度[℃])とする。

(a) 「電気設備技術基準」における電気使用場所の配線に関する記述の一部である。① 配線は、施設場所の(ア)及び電圧に応じ、感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。② 配線の使用電線(裸電線及び(イ)で使用する接触電線を除く。)には、感電又は火災のおそれがないよう、施設場所の(ア)及び電圧に応じ、使用上十分な(ウ)及び絶縁性能を有するものでなければならない。③ 配線は、他の配線、弱電流電線等と接近し、又は(エ)する場合は、(オ)による感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)
(1)状況特別高圧耐熱性接触混触
(2)環境高圧又は特別高圧強度交さ混触
(3)環境特別高圧強度接触電磁誘導
(4)環境高圧又は特別高圧耐熱性交さ電磁誘導
(5)状況特別高圧強度交さ混触

(b) 周囲温度が50℃の場所において、定格電圧210Vの三相3線式で定格消費電力15kWの抵抗負荷に電気を供給する低圧屋内配線がある。金属管工事により絶縁電線を同一管内に収めて施設する場合に使用する電線(各相それぞれ1本とする。)の導体の公称断面積[mm²]の最小値は、「電気設備技術基準の解釈」に基づけば、いくらとなるか。ただし、使用する絶縁電線は耐熱性を有する600Vビニル絶縁電線(軟銅より線)とし、表1の許容電流及び表2の電流減少係数を用いるとともに、周囲温度による許容電流補正係数の計算式は √((75−θ)/30)(θは周囲温度で、単位は℃)を用いるものとする。

(1)3.5 (2)5.5 (3)8 (4)14 (5)22 mm²

平成29年度 B問題11 表1 導体の公称断面積と許容電流
平成29年度 B問題11 表1 導体の公称断面積と許容電流
平成29年度 B問題11 表2 同一管内の電線数と電流減少係数
平成29年度 B問題11 表2 同一管内の電線数と電流減少係数

ポイント解説:必要な許容電流=負荷電流÷(温度係数×減少係数)

(a) 3つの条文:①電技第56条「配線は、施設場所の状況及び電圧に応じ」——「環境」ではなく「状況」です。②電技第57条「裸電線及び特別高圧で使用する接触電線を除く」「使用上十分な強度及び絶縁性能」——除かれるのは特別高圧の接触電線(高圧は条件付きで可)で、求められるのは強度(「耐熱性」ではない)。③電技第62条「接近し、又は交さする場合は、混触による感電又は火災」——接近/交さのペア、原因は混触。よって(a)は(5)

(b) 負荷電流と2つの係数:抵抗負荷なので力率1。三相3線式210Vで15kWだから
 I = 15 000 ÷ (√3×210) ≒ 41.24 [A]
周囲温度50℃の補正係数は
 k₁ = √((75−50)/30) = √(25/30) ≒ 0.913
同一管内の電線数は3本(各相1本)なので表2より
 k₂ = 0.70

(b) 必要な許容電流から電線を選ぶ:条件は負荷電流 ≦ 許容電流 × k₁ × k₂ なので
 必要な許容電流 = 41.24 ÷ (0.913×0.70) ≒ 64.5 [A]
表1を見ると8mm²は61A足りず14mm²の88Aで初めて64.5Aを上回ります。よって(b)は(4)係数を掛ける向きを逆にしない——許容電流を減らす係数なので、必要な太さは割り算で大きくなります。

問題の解説

STEP1 (a)条文

状況/特別高圧/強度/交さ/混触 →(5)

STEP2 (b)負荷電流

I=15 000/(√3×210)≒41.24A(抵抗負荷で力率1)

STEP3 (b)電線選定

k₁=√((75−50)/30)≒0.913、k₂=0.70(3本以下)

必要な許容電流=41.24/(0.913×0.70)≒64.5A

表1で64.5A以上 → 14mm²(88A) →(4)

答え:(a)-(5),(b)-(4)

💡 覚え方
電技56条=配線は施設場所の状況及び電圧に応じ施設。57条=使用電線(裸電線・特別高圧の接触電線を除く)は十分な強度及び絶縁性能。62条=接近・交さ時は混触による感電・火災を防ぐ。必要な許容電流=負荷電流÷(温度補正係数×電流減少係数)

⚠️ よくある間違い
(ア)は「環境」ではなく状況。(ウ)は「耐熱性」ではなく強度。(b)で係数を掛けてしまわない——必要な許容電流は割り算。8mm²(61A)では64.5Aに足りない。

まとめ

(a)状況/特別高圧/強度/交さ/混触 →(5)
負荷電流15 000/(√3×210)≒41.24 A
温度補正係数√((75−50)/30)≒0.913
電流減少係数0.70(同一管内3本以下)
必要な許容電流41.24/(0.913×0.70)≒64.5 A
(b)答え14 mm²(許容88A) →(4)

▼あわせて解きたい関連問題
・低圧幹線の施設(技術基準の計算13):【法規】令和1年度 B問題11
・配線の使用電線(電技省令15):【法規】令和5年度上期 A問題8

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