電技省令32【電験3種 法規】火災・過電流・ボルト締め・屋内!令和6年度下期で再出題 平成28年度 A問題4 完全解説

電験3種 法規科目 電技省令 平成28年度 A問題4 移動電線の条文が再出題!4つの空欄を埋める

今回は平成28年度 法規科目 A問題4移動電線の施設の空欄補充問題です。令和6年度下期 A問題8でそのまま再出題されました(選択肢の並びだけが違います)。

4点セットで覚えます。接続不良は感電又は火災、高圧の移動電線には過電流遮断器、機器との接続はボルト締め、特別高圧は原則禁止で例外は電気集じん応用装置附属を屋内に施設する場合のみ。

目次

平成28年度 法規科目 A問題4:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成28年度 A問題4 問題文
平成28年度 法規科目 A問題4 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成28年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題4

電験3種 法規科目 【電技省令】 平成28年度 A問題4

 次の文章は、「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく移動電線の施設に関する記述である。

 a 移動電線を電気機械器具と接続する場合は、接続不良による感電又は(ア)のおそれがないように施設しなければならない。

 b 高圧の移動電線に電気を供給する電路には、(イ)が生じた場合に、当該高圧の移動電線を保護できるよう、(イ)遮断器を施設しなければならない。

 c 高圧の移動電線と電気機械器具とは(ウ)その他の方法により堅ろうに接続すること。

 d 特別高圧の移動電線は、充電部分に人が触れた場合に人に危険を及ぼすおそれがない電気集じん応用装置に附属するものを(エ)に施設する場合を除き、施設しないこと。

 上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)火災地絡差込み接続器使用屋内
(2)断線過電流ボルト締め屋外
(3)火災過電流ボルト締め屋内
(4)断線地絡差込み接続器使用屋外
(5)断線過電流差込み接続器使用屋外
答え(ア)火災・(イ)過電流・(ウ)ボルト締め・(エ)屋内 = (3)

答えは(3):火災・過電流・ボルト締め・屋内

電気設備に関する技術基準を定める省令/解釈(移動電線の施設)

a 接続不良による感電又は火災のおそれがないように施設する。/b 高圧の移動電線に電気を供給する電路には、過電流遮断器を施設する。/c 高圧の移動電線と電気機械器具とはボルト締めその他の方法により堅ろうに接続する。/d 特別高圧の移動電線は、電気集じん応用装置に附属するものを屋内に施設する場合を除き、施設しない。

令和6年度下期A問題8と同一内容。ただし選択肢の並びが違い、正解番号も違います。

(ア)は「火災」・(イ)は「過電流」・(ウ)は「ボルト締め」・(エ)は「屋内」です。

この記事では、移動電線に使う電線の種類と電圧別の規定に踏み込みます

条文の趣旨そのものは、令和6年度下期の記事で扱っています

★移動電線に使える電線

電圧使える電線
★低圧★★ビニルコード・キャブタイヤケーブルなど
★高圧★★高圧用のキャブタイヤケーブル
★特別高圧★★原則として施設できない

移動電線には、可とう性と機械的強度の両方が要ります——曲げても折れず、踏まれても壊れないことです。

だからキャブタイヤケーブルが使われます——ゴムやクロロプレンの丈夫な外装を持つ電線です。

★キャブタイヤケーブルの種類

種類外装用途
★1種★★天然ゴム★★軽作業用
★2種〜4種★★ゴム・クロロプレン★★使用条件が厳しくなるほど番号が上がる
★クロロプレン★★耐油・耐候性に優れる★★屋外・工場

番号が大きいほど丈夫で、厳しい環境に使えます——用途に応じて選ぶのが基本です。

低圧の移動電線には、原則として2種以上が求められる場面が多い——解釈第171条に規定があります。

★電気集じん応用装置とは

内容
★原理★★高電圧で粉じんを帯電させ、電極に吸着させる
★使われる場所★★火力発電所のばい煙処理・工場の集じん
★必要な電圧★★数万Vの直流(特別高圧)

粉じんを電気の力で集めるので、高い電圧が必要です——だから特別高圧の移動電線が要るのです。

電流はごくわずかなので、触れても危険が小さい——条文が「人に危険を及ぼすおそれがない」と断っている理由です。

唯一の例外として認められているのは、この特殊性によるものです。

なぜ屋内に限られるのか

屋外は雨に濡れ、風で動き、第三者が立ち入ります——管理が行き届きません

屋内なら、立入を制限し、状態を管理できます——特別高圧を扱うには、それだけの管理が要るのです。

例外にさらに条件を重ねる——法令が慎重に枠をはめている様子が読み取れます

電圧別の規定を一覧に

低圧高圧特別高圧
★施設★★可★★可★原則不可
★接続★★差込み接続器も可★★ボルト締め等★★—
★保護★★—★★過電流遮断器★★—

電圧が上がるほど、規制が段階的に厳しくなります——法規に一貫した構造です。

3段を並べて覚えると、どの空欄にも対応できます

正解番号が違う

条文の言葉ダミー語違い
火災★★火災★断線★★接続不良が招くのは感電又は火災
過電流遮断器★★過電流遮断器★地絡遮断器★★電線を保護するのは過電流
ボルト締め★★ボルト締め★差込み接続器使用★★高圧では堅ろうな接続が必要

平成28年度は(3)、令和6年度下期は(4)です——選択肢の並びが違うだけです。

電技には、こうした番号だけ変えた再出題が非常に多くあります——語で覚えることが絶対条件です。

接触抵抗と発熱

\( W=I^{2}R_{c} \)
接続部の発熱
電流の2乗×接触抵抗
\( R_{c}\ \uparrow\ \Rightarrow\ W\ \uparrow \)
接続がゆるむと
★発熱が増える
\( W\ \uparrow\ \Rightarrow\ R_{c}\ \uparrow \)
熱で酸化が進み
★さらに抵抗が増える

発熱と抵抗増加が悪循環を起こします——いったん始まると加速度的に悪化するのです。

だから接続部の点検が重要になります——サーモグラフィで発熱箇所を探すのが実務です。

移動電線の日常点検

点検箇所見ること
★被覆★★傷・ひび・つぶれがないか
★接続部★★ゆるみ・変色・発熱がないか
★プラグ★★焦げ跡がないか

移動電線は動かして使うので、傷みが早く進みます——固定配線より点検の頻度が要るのです。

条文が細かい規定を置いているのは、それだけ事故が多いからです。

延長コードの事故

家庭でも、延長コードの発火事故が起きています——束ねたまま大電流を流すと放熱できません

プラグにほこりがたまって起こるトラッキング火災もあります——接続部の危険は身近な問題です。

条文の趣旨は、家庭の電気にもそのまま当てはまります

固定配線との使い分け

動かす必要がないなら、固定配線を使うのが原則です——移動電線は傷みやすいからです。

仮設や可搬機器の場合だけ、移動電線を使います——やむを得ない場合の手段という位置づけです。

常設なのに延長コードで済ませるのは、望ましくありません

移動電線の規定は、実務でそのまま使える知識です——工場の仮設配線を見るときの視点になります。

条文を知っていれば、危ない使い方に気づけます

キャブタイヤという名前

キャブタイヤは、もともと自動車のタイヤに使うゴムを外装に用いたことに由来します

それだけ丈夫な材料を使っている、という意味です——踏まれても引っぱられても耐えるのです。

名前の由来を知ると、用途も覚えやすくなります

⏱️ 本番での進め方
① (ア)は「火災」——接続不良は発熱を招く。
② (イ)は「過電流」。電線を守るのは過電流遮断器。
③ (ウ)は「ボルト締め」——高圧に差込み接続器は不可。
④ (エ)は「屋内」。特別高圧は原則禁止で例外も屋内限定。

出題履歴——8年をおいて再出題

年度問われ方正解番号
★平成28年度 問4★★本問★★(3)
★令和6年度下期 問8★★同一内容★★(4)

令和6年度下期 A問題8では、接続不良の発熱の仕組みを中心に解説しています。本記事は電線の種類と電気集じん応用装置に寄せました

平成18年度 A問題5も移動電線を扱っています。3本で移動電線は完全に押さえられます

💡 覚え方
移動電線=接続不良は感電又は火災/高圧は過電流遮断器+ボルト締め等で堅ろうに接続(差込み接続器不可)/特別高圧は原則禁止、例外は電気集じん応用装置附属を屋内に施設する場合のみ。

⚠️ よくある間違い
「断線」「地絡」「差込み接続器使用」「屋外」はダミー正解番号は年度で変わる(R06下は(4))ので語で覚える。

まとめ

(ア)火災
(イ)過電流
(ウ)ボルト締め
(エ)屋内
再出題令和6年度下期 A問題8と同一
答え(3)

▼あわせて解きたい関連問題
・同一問題(電技省令7):【法規】令和6年度下期 A問題8
・配線の使用電線(電技省令15):【法規】令和5年度上期 A問題8

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