電気施設管理-計算27【電験3種 法規】支線の引張強さと電線の弛度!27.6kN・0.28m=(a)(4)(b)(2) 平成27年度 B問題11 完全解説

電験3種 法規科目 電気施設管理 平成27年度 B問題11 支線の強さと電線のたるみ!27.6kNと0.28m

今回は平成27年度 法規科目 B問題11支線に要求される引張強さ延長した電線の弛度(たるみ)を求める問題です。支線計算と弛度公式の両方を使う総合問題です。

使う式は2つ。支線張力=電線水平張力×(支線長/水平距離)(取付高さが同じ場合)、弛度D=WS²/(8T)(W:合成荷重、S:径間、T:許容張力)。それぞれ安全率を掛けて求めます。

目次

平成27年度 法規科目 B問題11:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成27年度 B問題11 問題文
平成27年度 法規科目 B問題11 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成27年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 B問題11

電験3種 法規科目 【電気施設管理】 平成27年度 B問題11

 図のように既設の高圧架空電線路から、電線に硬銅より線を使用した電線路を高低差なく径間40m延長する。新設支持物を引留支持物とするため支線を延長方向10mの地点に設ける。電線と支線の取付け高さはともに10m。次の(a)及び(b)に答えよ。

(図は上の画像を参照してください。)

図のように既設の高圧架空電線路から、電線に硬銅より線を使用した電線路を高低差なく径間40m延長する。新設支持物を引留支持物とするため支線を電線路の延長方向10mの地点に設ける。電線と支線の取付け高さはともに10mであるとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) 電線の水平張力を13kNとして、その張力を支線で全て支えるものとする。支線の安全率を1.5としたとき、支線に要求される引張強さの最小の値[kN]として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)6.5 (2)10.7 (3)19.5 (4)27.6 (5)40.5 kN

(b) 電線の引張強さを28.6kN、電線の重量と風圧荷重との合成荷重を18N/mとし、高圧架空電線の引張強さに対する安全率を2.2としたとき、この延長した電線の弛度(たるみ)の値[m]は、いくら以上としなければならないか。最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)0.14 (2)0.28 (3)0.49 (4)0.94 (5)1.97 m

平成27年度 B問題11 支線の設置図
平成27年度 B問題11 支線の設置図
平成27年度 B問題11 支線の設置図
平成27年度 B問題11 支線の設置図
答え(a)1.5×18.4≒27.6kN = (4)/(b)D≒0.28m以上 = (2)

答えは(a)27.6kN・(b)0.28m

支線の引張強さと電線の弛度

★取付高さが同じなら支線の水平分力 = 電線の水平張力/★支線張力 = 水平張力 × (支線長/水平距離)/★要求される引張強さ = 支線張力 × 安全率/★許容引張荷重 T = 引張強さ ÷ 安全率弛度 D = WS²/(8T)——弛度は「いくら以上」という下限で問われる。

★支線は「掛ける」、電線は「割る」——安全率の向きが逆です。

令和3年度 B問題11が支線の基本形です。本問は弛度も加わる総合問題

★★(a)支線の引張強さ

$$L_s = \sqrt{10^2 + 10^2} = \sqrt{200} \approx 14.14\,\mathrm{[m]}$$
支線長(高さ10m、水平距離10m)
45度の直角二等辺三角形
$$T_s = 13 \times \dfrac{14.14}{10} \approx 18.4\,\mathrm{[kN]}$$
支線張力(取付高さが同じなので水平分力=13kN)
$$T_{\text{要求}} = 18.4 \times 1.5 \approx 27.6\,\mathrm{[kN]}$$
★安全率を掛ける
(a)の答え

高さ10m・水平10mなので45度——支線長は√2倍の14.14m

13kNの水平力を支えるのに18.4kNの張力が必要——√2倍です。

安全率は「掛ける」——必要な強さを求めるからです。

★★(b)弛度は「いくら以上」

$$T = \dfrac{28.6}{2.2} = 13\,\mathrm{[kN]}$$
★許容引張荷重=引張強さ÷安全率
こちらは「割る」
$$D = \dfrac{W S^2}{8T} = \dfrac{18 \times 40^2}{8 \times 13\times 10^3}$$
弛度の公式
W=18N/m、S=40m
$$D = \dfrac{28800}{104000} \approx 0.277 \approx 0.28\,\mathrm{[m]}$$
計算結果
(b)の答え

張力を13kN以下にするには、弛度を0.28m以上にする必要があります——だから「以上」

弛度と張力は反比例——たるませるほど張力が下がるのです。

問題文の「いくら以上としなければならないか」に対応しています。

★★安全率の向きが逆に見える理由

条文の言葉ダミー語違い
支線(掛ける)★★支線(掛ける)★電線(割る)★★張力から必要な強さを求める/強さから許容張力を求める
T_要求=T_s×安全率★★T_要求=T_s×安全率★T=引張強さ÷安全率★★求めるものが違う

安全率の定義は「引張強さ÷実際の張力」で共通です。

支線は「この張力に耐える素線を選ぶ」ので掛ける——強さを求める

電線は「この強さの電線をどこまで張れるか」なので割る——張力を求める

定義に立ち返れば混乱しません

★1問で2つの安全率

対象安全率使い方
★支線★★1.5★★支線張力×1.5=必要な強さ
★電線(硬銅より線)★★2.2★★引張強さ÷2.2=許容張力

1つの問題に2つの安全率が出てきます——混同しやすい

硬銅より線の2.2は解釈66条の値——問題文でも与えられます

どちらの対象の話かを確認してから使うのです。

★45度の支線は効率がよいか

水平距離支線長必要な張力(13kNを支える)
★5m★★11.2m★★29.1kN
★10m(本問)★★14.14m★★18.4kN
★15m★★18.0m★★15.6kN

水平距離が長いほど必要な張力は小さくなります——効率がよい

ただし用地が必要——現場では制約があります

45度は用地と効率のバランスがとれた角度です。

弛度が小さいことの意味

本問の弛度0.28mは径間40mに対して非常に小さい値です——0.7%

径間が短いので、あまりたるまなくても張力が過大にならないのです。

D=WS²/(8T)で、Sが小さければDも小さい——2乗で効く

引留支持物に支線が要る理由

電線路の末端では、片側にしか電線がありません——張力が釣り合わない

だから支線で反対向きに支える必要があります——本問の場面

直線部分の途中なら両側の張力が釣り合うので不要です。

計算の手順をまとめる

手順やること安全率
★①★★取付高さが同じか確認★★—
★②★★支線長を三平方で求める★★—
★③★★支線張力=水平力×(支線長/水平距離)★★—
★④★★×安全率=必要な引張強さ★★★掛ける
★⑤★★電線の許容張力=引張強さ÷安全率★★★割る
★⑥★★D=WS²/(8T)★★—

④と⑤で安全率の使い方が逆になる——ここが本問の急所です。

解釈66条の安全率

電線の種類安全率
★硬銅線・耐熱銅合金線★★2.2以上
★その他(ACSR等)★★2.5以上

本問は硬銅より線なので2.2——問題文でも与えられています

硬銅線のほうが小さいのは、材料特性が安定しているからです。

支線の安全率2.5(解釈61条)とは別の数値——混同しないことです。

弛度を確保する意味

観点内容
★張力の抑制★★たるませるほど張力が下がり断線を防げる
★温度変化への余裕★★冬に縮んでも張力が過大にならない
★風による振動★★適度な弛度は振動を吸収する

ぴんと張るほうがよさそうに見えますが、逆に危険です——張力が過大になる

だから「弛度は◯m以上」という下限が定まるのです。

ただし大きすぎると地表上の高さが不足します——上限も存在するのです。

⏱️ 本番での進め方
① 取付高さが同じなら水平分力=電線の水平張力
② 支線は安全率を掛ける(必要な強さを求める)。
③ 電線は安全率で割る(許容張力を求める)。
④ 弛度は「いくら以上」——たるませて張力を下げる。

💡 覚え方
支線と弛度の総合問題=①取付高さが同じなら支線の水平分力=電線の水平張力 ②支線張力=水平力×(支線長/水平距離) ③要求される引張強さ=支線張力×安全率(掛ける)④電線の許容引張荷重=引張強さ÷安全率(割る)⑤弛度D=WS²/(8T)——張力を許容値以下にするため「いくら以上」となる。

⚠️ よくある間違い
支線は掛ける、電線は割る——安全率の使い方が逆。弛度は「以上」——たるませるほど張力が下がるから。

まとめ

支線長√(10²+10²)=√200≒14.14 m
支線張力13×14.14/10≒18.4 kN
(a)要求引張強さ1.5×18.4≒27.6 kN →(4)
許容張力T28.6e3/2.2=13000 N
弛度D18×40²/(8×13000)≒0.277 m
(b)0.28 m以上 →(2)

▼あわせて解きたい関連問題
・支線の引張荷重と素線条数(電気施設管理-計算18):【法規】令和3年度 B問題11
・支線の引張荷重と素線直径(電気施設管理-計算2):【法規】令和7年度下期 B問題13

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