今回は平成26年度 法規科目 A問題4、電気工事業者の区分を問う空欄補充問題です。令和5年度下期 A問題2でそっくりそのまま再出題されました。9年ぶりの完全再出題です。
押さえるのは3点。一般用も扱うなら登録電気工事業者、自家用のみなら通知電気工事業者。手続先は経済産業大臣又は都道府県知事。そして「電気工事」「自家用電気工作物」の定義は電気工事士法から借りています。
答えは(3):登録・都道府県知事・電気工事士法
(ア)は「登録」——一般用も扱うなら登録、自家用のみなら通知です。
(イ)は「都道府県知事」——電気事業法の産業保安監督部長と混同しないことです。
(ウ)は「電気工事士法」——自家用の定義を電気工事士法から借りています。
平成26年度 法規科目 A問題4:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成26年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題4
電験3種 法規科目 【電気工事士法】 平成26年度 A問題4
次の文章は、「電気工事業の業務の適正化に関する法律」に規定されている電気工事業者に関する記述である。
この法律において、「電気工事業」とは、電気工事士法に規定する電気工事を行う事業をいい、「(ア)電気工事業者」とは、経済産業大臣又は(イ)の(ア)を受けて電気工事業を営む者をいう。また、「通知電気工事業者」とは、経済産業大臣又は(イ)に電気工事業の開始の通知を行って、(ウ)に規定する自家用電気工作物のみに係る電気工事業を営む者をいう。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (1) 承認 都道府県知事 電気工事士法 (2) 許可 産業保安監督部長 電気事業法 (3) 登録 都道府県知事 電気工事士法 (4) 承認 産業保安監督部長 電気事業法 (5) 登録 産業保安監督部長 電気工事士法

★登録と通知の使い分け
| 区分 | 扱う設備 | 手続 | 有効期間 |
| ★登録電気工事業者 | ★★一般用も扱う | ★★登録 | ★★5年(更新が必要) |
| ★通知電気工事業者 | ★★自家用のみ | ★★開始の通知 | ★★なし |
一般用を扱うほうが規制が重くなっています——相手が一般家庭だからです。
自家用の需要家には主任技術者がいるので、業者側の規制は軽くて済みます——保安を見る人が別にいるからです。
★窓口が都道府県知事である理由
| 営業所の所在 | 窓口 |
| ★2以上の都道府県にわたる | ★★経済産業大臣 |
| ★1つの都道府県内のみ | ★★都道府県知事 |
電気工事業法は「営業の規制」なので、都道府県が窓口になります——設備の保安を見る電気事業法とは性格が違うのです。
電気事業法では産業保安監督部長が出てきますが、ここでは知事です——混同しやすいので要注意です。
電気工事士免状の交付者も都道府県知事——人と営業は都道府県、設備は国と整理できます。
★定義を電気工事士法から借りている
(ウ)で参照しているのは電気工事士法の自家用電気工作物です——電気事業法ではありません。
つまり発電所・変電所・最大電力500kW以上の需要設備・送電線路・保安通信設備を除いたものです。
電気工事業法は、電気工事士法とセットで動く法律です——だから定義も借りているのです。
電気工事業者に課される義務
| 義務 | 内容 |
| ★主任電気工事士の設置 | ★★一般用を扱う営業所ごとに置く |
| ★器具の備付け | ★★絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計など |
| ★標識の掲示 | ★★営業所及び施工場所ごとに掲げる |
| ★帳簿の備付け | ★★5年間保存する |
この4つは、そのまま出題されます——とくに帳簿の5年は数字なので狙われます。
標識は営業所だけでなく、施工場所にも掲げます——2か所である点が問われます。
主任電気工事士とは
一般用電気工作物の工事を行う営業所ごとに置く責任者です——第一種電気工事士、または実務経験3年以上の第二種電気工事士がなれます。
電気主任技術者とは別の制度です——名前が似ているので混同しないことです。
自家用のみを扱う通知電気工事業者には、この義務がありません——ここも登録と通知の違いです。
「登録」という手続の性格
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 登録 | ★★登録 | ★承認・許可 | ★★要件を満たせば受けられる |
| 都道府県知事 | ★★都道府県知事 | ★産業保安監督部長 | ★★営業の規制なので都道府県 |
| 電気工事士法 | ★★電気工事士法 | ★電気事業法 | ★★自家用の定義を借りている法律 |
登録は、要件を満たせば拒めない手続です——許可のような裁量はありません。
それでも5年ごとの更新が必要です——継続して要件を満たしているかを確かめるためです。
3つの法律の関係
| 法律 | 規制の対象 |
| ★電気事業法 | ★★電気工作物(設備) |
| ★電気工事士法 | ★★工事をする人(資格) |
| ★電気工事業法 | ★★工事をする事業者(営業) |
設備・人・事業者と、規制する対象が分かれています——3つ合わせて電気工事の安全を支えているのです。
この役割分担が頭に入っていれば、どの法律の話か迷いません。
実務での位置づけ
電気工事を請け負う会社は、必ずこの登録か通知をしています——していなければ営業できません。
発注する側も、登録の有無を確かめるのが普通です——無登録業者に頼むとトラブルのもとになります。
主任技術者として工事を発注する立場になれば、直接関わる知識です。
備え付ける器具まで問われる
| 区分 | 備え付ける器具 |
| ★一般用を扱う営業所 | ★★絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計(抵抗及び交流電圧) |
| ★自家用も扱う営業所 | ★★上記+低圧検電器・高圧検電器・継電器試験装置・絶縁耐力試験装置 |
自家用を扱うほうが、備え付ける器具が増えます——高圧を扱うために必要な測定器が加わるからです。
継電器試験装置と絶縁耐力試験装置は、必要なときに使用できる状態であればよいとされています——常備でなくてもよいのです。
⏱️ 本番での進め方
① (ア)は「登録」——承認・許可はどちらもダミー。
② (イ)は「都道府県知事」。産業保安監督部長は電気事業法の用語。
③ (ウ)は「電気工事士法」——自家用の定義を借りている。
④ 一般用も扱う=登録/自家用のみ=通知を反射で出す。
帳簿に何を書くのか
| 記載事項 | 内容 |
| ★注文者 | ★★氏名又は名称及び住所 |
| ★工事 | ★★電気工事の種類及び施工場所 |
| ★施工 | ★★施工年月日・主任電気工事士等の氏名 |
| ★検査 | ★★配線図・検査結果 |
誰が・どこで・何を・どう検査したかを残します——あとから追跡できるようにするためです。
保存期間は5年——数字なので狙われます。
出題履歴——9年ぶりの完全再出題
| 年度 | 問われ方 |
| ★平成26年度 問4 | ★★登録と通知の定義(本問) |
| ★令和3年度 問2 | ★★電気工事業者の義務 |
| ★令和5年度下期 問2 | ★★本問と同一問題 |
令和5年度下期にそっくりそのまま再出題されました——9年ぶりの完全再出題です。
平成22年度 A問題2で電気工事士法の自家用の定義を押さえておくと、(ウ)の意味がはっきり分かります。
💡 覚え方
登録電気工事業者=一般用も扱う(登録・5年)/通知電気工事業者=自家用のみ(通知)。窓口は2以上の都道府県なら経済産業大臣、1つなら都道府県知事。定義は電気工事士法による。義務=主任電気工事士・器具・標識(営業所+施工場所)・帳簿(5年)。
⚠️ よくある間違い
「承認」「許可」ではなく登録。窓口は都道府県知事(産業保安監督部長ではない)。参照法は電気工事士法。令和5年度下期 A問題2で完全再出題。
まとめ
| (ア) | 登録 |
| (イ) | 都道府県知事 |
| (ウ) | 電気工事士法 |
| 通知電気工事業者 | 自家用のみ・開始の通知 |
| 再出題 | 令和5年度下期 A問題2と同一 |
| 答え | (3) |
▼あわせて解きたい関連問題
・同一問題(電気工事業法1):【法規】令和5年度下期 A問題2
・電気工事業者の義務(電気工事業法2):【法規】令和3年度 A問題2

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