電気施設管理-計算37【電験3種 法規】合成最大は同時刻の和!不等率1.04・総合力率90.4%=(a)(4)(b)(3) 平成23年度 B問題12 完全解説

電験3種 法規科目 電気施設管理 平成23年度 B問題12 同時刻で足すのが合成最大!不等率は1.04

今回は平成23年度 法規科目 B問題123つの負荷群の日負荷特性から不等率と、最大負荷時の総合力率を求める問題です。合成最大電力の読み取りと、力率の異なる負荷の合成がポイントです。

核心は「合成最大電力=各負荷を同じ時刻で足した和の最大」。各負荷群のピーク時刻がずれるので、合成の最大は個々の最大の単純和より小さくなり、不等率は1以上になります。総合力率は有効・無効電力を別々に合成して求めます。

目次

答えは(a)1.04・(b)90.4%

不等率と最大負荷時の総合力率

合成最大電力 = 各負荷を同じ時刻で足した和の最大——各負荷の最大の単純和ではない。/★不等率 = 各最大電力の総和 ÷ 合成最大電力(1以上)/★力率の異なる負荷は有効電力と無効電力を別々に合成してから総合力率 = ΣP / √(ΣP²+ΣQ²)

★「同時刻の和」——ここが合成最大電力の定義です。

不等率と力率合成を1問で問う総合問題です。

平成23年度 法規科目 B問題12:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成23年度 B問題12 問題文
平成23年度 法規科目 B問題12 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成23年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 B問題12

電験3種 法規科目 【電気施設管理】 平成23年度 B問題12

 ある変電所が三つの負荷群A・B・Cに供給している。最大電力はA6500kW・B4000kW・C2000kW、力率はA100%・B80%・C60%(一定)。日負荷曲線より最大負荷は14〜16時(合成12000kW、A6000・B4000・C2000kW)。次の(a)及び(b)に答えよ。

(日負荷特性は上の画像を参照してください。)

ある変電所において、日負荷特性を有する三つの負荷群A、B及びCに電力を供給している。負荷群A、B及びCの最大電力は、それぞれ6500kW、4000kW及び2000kWとし、力率は時間に関係なく一定でそれぞれ100%、80%及び60%とする。日負荷曲線から、最大負荷は14〜16時に発生し、その時刻の各負荷群の電力はA6000kW、B4000kW、C2000kW(合成最大12000kW)である。次の(a)及び(b)に答えよ。

(a) 不等率の値として、最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。

(1)0.98 (2)1.00 (3)1.02 (4)1.04 (5)1.06

(b) 最大負荷時における総合力率[%]の値として、最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。

(1)86.9 (2)87.7 (3)90.4 (4)91.1 (5)94.1 %

平成23年度 B問題12 負荷群A・B・Cの日負荷特性
平成23年度 B問題12 負荷群A・B・Cの日負荷特性
平成23年度 B問題12 負荷群A・B・Cの日負荷特性
平成23年度 B問題12 負荷群A・B・Cの日負荷特性
答え(a)12500/12000≒1.04 = (4)/(b)12000/13275≒90.4% = (3)

★★(a)合成最大電力は同時刻の和

負荷群各群の最大14〜16時の値
★A★★6500kW★★6000kW
★B★★4000kW★★4000kW
★C★★2000kW★★2000kW
★合計★★12500kW★★★12000kW(合成最大)

A群のピークは別の時刻にあり、14〜16時は6000kWです——最大6500kWではない

合成が最大になるのは14〜16時の12000kW——そこが合成最大

各群の最大を足した12500kWとは違います——これが不等率の源です。

★不等率を計算する

\text{不等率} = \dfrac{\sum P_{max,i}}{P_{max,合成}} = \dfrac{12500}{12000}
各最大の総和÷合成最大
= 1.0417 \approx 1.04
計算結果
(a)の答え

1.04と1に近い値——ピークのずれが小さいのです。

B群とC群は14〜16時がピークそのもの——ずれているのはA群だけ

不等率は必ず1以上——1未満なら計算ミスです。

★★(b)力率が違うので別々に合成

P_A = 6000,\ Q_A = 0
力率100%なので無効電力ゼロ
P_B = 4000,\ Q_B = 4000 \times \dfrac{0.6}{0.8} = 3000
力率80%(3:4:5)
P_C = 2000,\ Q_C = 2000 \times \dfrac{0.8}{0.6} \approx 2667
力率60%
\sum P = 12000,\quad \sum Q = 0 + 3000 + 2667 = 5667
有効・無効をそれぞれ合計

力率100%のA群は無効電力ゼロ——tanθ=0

力率60%のC群は、2000kWしかないのに無効電力2667kvar——有効電力より大きい

力率の悪い負荷が全体を引き下げます

★総合力率を求める

S = \sqrt{12000^2 + 5667^2} = \sqrt{144000000 + 32114889}
合成皮相電力
S \approx 13271\,\mathrm{[kV\cdot A]}
計算結果
\cos\theta = \dfrac{12000}{13271} \approx 0.904 = 90.4\,[\%]
総合力率
(b)の答え

皮相電力を直接足してはいけません——ベクトル量だから。

6000/1.0+4000/0.8+2000/0.6=14333kV·Aとするのは誤りです。

有効・無効を別々に合成してから√で合成します。

★★力率を単純平均しない

\dfrac{1.00 + 0.80 + 0.60}{3} = 0.80 \neq 0.904
★力率の単純平均は正しくない
電力の大きさが違う

力率を平均しても総合力率にはなりません——負荷の大きさが違うから。

力率100%のA群が6000kWと最も大きいので、全体を引き上げています

だから90.4%と高めの値になるのです。

★3つの負荷群の性格

負荷群力率想定される負荷
★A(6500kW)★★100%★★電熱・照明(抵抗負荷)
★B(4000kW)★★80%★★一般的な動力負荷
★C(2000kW)★★60%★★軽負荷の電動機など

抵抗負荷は力率100%——無効電力を消費しない

電動機は誘導性なので力率が悪い——特に軽負荷時

だからC群に進相コンデンサを設置すると効果的です。

力率改善の効果を試算する

Q_C = 2667\,\mathrm{[kvar]}\text{を設置すると}
C群の無効電力を打ち消す
\sum Q = 3000,\quad S = \sqrt{12000^2+3000^2} \approx 12369
改善後
\cos\theta = \dfrac{12000}{12369} \approx 0.970
総合力率
★90.4→97.0%

C群だけ改善しても、総合力率が97%まで上がります

力率の悪い負荷を狙うのが効率的——実務の考え方です。

日負荷曲線の読み取り方

確認点やること
★①★★各時刻で3つの負荷を足す
★②★★合計が最大になる時刻を探す
★③★★その時刻の各負荷の値を読み取る

各負荷群の最大値を探すのではありません——合計の最大を探すのです。

本問では14〜16時が合成最大——そこでの各値を(b)で使います

グラフから正しく読み取ることが第一歩です。

不等率が小さい場合の意味

不等率意味
★1.00★★全負荷が同時にピークになる(最悪)
★1.04(本問)★★ほぼ同時にピーク
★1.3以上★★ピークが大きくずれている

不等率が1に近いほど、設備を小さくできる余地が少ないのです。

本問は1.04なので、ほぼ各最大の和が必要——設備の節約は限定的です。

力率の悪い負荷を狙って改善する

C群は2000kWしかないのに無効電力2667kvar——力率60%だからです。

ここにコンデンサを設置すれば、少ない投資で総合力率が大きく改善します。

力率の悪い負荷から手を付ける——費用対効果の高い進め方です。

⏱️ 本番での進め方
① 合成最大電力は同時刻の和の最大——各最大の和ではない。
② 不等率=各最大の総和÷合成最大(1以上)。
③ 力率が違う負荷は有効・無効を別々に合成
力率を単純平均しない——負荷の大きさが違う。

💡 覚え方
不等率と総合力率=①合成最大電力は各負荷を同じ時刻で足した和の最大 ②不等率=各最大電力の総和÷合成最大電力(1以上)③力率の異なる負荷は有効電力と無効電力を別々に合成し、総合力率=ΣP/√(ΣP²+ΣQ²)。

⚠️ よくある間違い
合成最大に各群の最大を足さない——同時刻の値を足す。皮相電力を直接足さない・力率を平均しない

まとめ

各最大の総和6500+4000+2000=12500 kW
合成最大電力12000 kW(14〜16時)
(a)不等率12500/12000≒1.04 →(4)
最大負荷時QB3000+C2667=5667 kvar
合成S√(12000²+5667²)≒13271 kV·A
(b)総合力率12000/13271≒90.4% →(3)

▼あわせて解きたい関連問題
・2工場の需要率・総合負荷率(電気施設管理-計算12):【法規】令和5年度上期 B問題11
・3需要家の総需要電力量・総合負荷率(電気施設管理-計算19):【法規】令和3年度 B問題13

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