今回は平成23年度 法規科目 B問題12、3つの負荷群の日負荷特性から不等率と、最大負荷時の総合力率を求める問題です。合成最大電力の読み取りと、力率の異なる負荷の合成がポイントです。
核心は「合成最大電力=各負荷を同じ時刻で足した和の最大」。各負荷群のピーク時刻がずれるので、合成の最大は個々の最大の単純和より小さくなり、不等率は1以上になります。総合力率は有効・無効電力を別々に合成して求めます。
答えは(a)1.04・(b)90.4%
不等率と力率合成を1問で問う総合問題です。
平成23年度 法規科目 B問題12:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成23年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 B問題12
電験3種 法規科目 【電気施設管理】 平成23年度 B問題12
ある変電所が三つの負荷群A・B・Cに供給している。最大電力はA6500kW・B4000kW・C2000kW、力率はA100%・B80%・C60%(一定)。日負荷曲線より最大負荷は14〜16時(合成12000kW、A6000・B4000・C2000kW)。次の(a)及び(b)に答えよ。
(日負荷特性は上の画像を参照してください。)
ある変電所において、日負荷特性を有する三つの負荷群A、B及びCに電力を供給している。負荷群A、B及びCの最大電力は、それぞれ6500kW、4000kW及び2000kWとし、力率は時間に関係なく一定でそれぞれ100%、80%及び60%とする。日負荷曲線から、最大負荷は14〜16時に発生し、その時刻の各負荷群の電力はA6000kW、B4000kW、C2000kW(合成最大12000kW)である。次の(a)及び(b)に答えよ。
(a) 不等率の値として、最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。
(1)0.98 (2)1.00 (3)1.02 (4)1.04 (5)1.06
(b) 最大負荷時における総合力率[%]の値として、最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。
(1)86.9 (2)87.7 (3)90.4 (4)91.1 (5)94.1 %



★★(a)合成最大電力は同時刻の和
| 負荷群 | 各群の最大 | 14〜16時の値 |
| ★A | ★★6500kW | ★★6000kW |
| ★B | ★★4000kW | ★★4000kW |
| ★C | ★★2000kW | ★★2000kW |
| ★合計 | ★★12500kW | ★★★12000kW(合成最大) |
A群のピークは別の時刻にあり、14〜16時は6000kWです——最大6500kWではない。
合成が最大になるのは14〜16時の12000kW——そこが合成最大。
各群の最大を足した12500kWとは違います——これが不等率の源です。
★不等率を計算する
(a)の答え
1.04と1に近い値——ピークのずれが小さいのです。
B群とC群は14〜16時がピークそのもの——ずれているのはA群だけ。
不等率は必ず1以上——1未満なら計算ミスです。
★★(b)力率が違うので別々に合成
力率100%のA群は無効電力ゼロ——tanθ=0。
力率60%のC群は、2000kWしかないのに無効電力2667kvar——有効電力より大きい。
力率の悪い負荷が全体を引き下げます。
★総合力率を求める
(b)の答え
皮相電力を直接足してはいけません——ベクトル量だから。
6000/1.0+4000/0.8+2000/0.6=14333kV·Aとするのは誤りです。
有効・無効を別々に合成してから√で合成します。
★★力率を単純平均しない
電力の大きさが違う
力率を平均しても総合力率にはなりません——負荷の大きさが違うから。
力率100%のA群が6000kWと最も大きいので、全体を引き上げています。
だから90.4%と高めの値になるのです。
★3つの負荷群の性格
| 負荷群 | 力率 | 想定される負荷 |
| ★A(6500kW) | ★★100% | ★★電熱・照明(抵抗負荷) |
| ★B(4000kW) | ★★80% | ★★一般的な動力負荷 |
| ★C(2000kW) | ★★60% | ★★軽負荷の電動機など |
抵抗負荷は力率100%——無効電力を消費しない。
電動機は誘導性なので力率が悪い——特に軽負荷時。
だからC群に進相コンデンサを設置すると効果的です。
力率改善の効果を試算する
★90.4→97.0%
C群だけ改善しても、総合力率が97%まで上がります。
力率の悪い負荷を狙うのが効率的——実務の考え方です。
日負荷曲線の読み取り方
| 確認点 | やること |
| ★① | ★★各時刻で3つの負荷を足す |
| ★② | ★★合計が最大になる時刻を探す |
| ★③ | ★★その時刻の各負荷の値を読み取る |
各負荷群の最大値を探すのではありません——合計の最大を探すのです。
本問では14〜16時が合成最大——そこでの各値を(b)で使います。
グラフから正しく読み取ることが第一歩です。
不等率が小さい場合の意味
| 不等率 | 意味 |
| ★1.00 | ★★全負荷が同時にピークになる(最悪) |
| ★1.04(本問) | ★★ほぼ同時にピーク |
| ★1.3以上 | ★★ピークが大きくずれている |
不等率が1に近いほど、設備を小さくできる余地が少ないのです。
本問は1.04なので、ほぼ各最大の和が必要——設備の節約は限定的です。
力率の悪い負荷を狙って改善する
C群は2000kWしかないのに無効電力2667kvar——力率60%だからです。
ここにコンデンサを設置すれば、少ない投資で総合力率が大きく改善します。
力率の悪い負荷から手を付ける——費用対効果の高い進め方です。
⏱️ 本番での進め方
① 合成最大電力は同時刻の和の最大——各最大の和ではない。
② 不等率=各最大の総和÷合成最大(1以上)。
③ 力率が違う負荷は有効・無効を別々に合成。
④ 力率を単純平均しない——負荷の大きさが違う。
💡 覚え方
不等率と総合力率=①合成最大電力は各負荷を同じ時刻で足した和の最大 ②不等率=各最大電力の総和÷合成最大電力(1以上)③力率の異なる負荷は有効電力と無効電力を別々に合成し、総合力率=ΣP/√(ΣP²+ΣQ²)。
⚠️ よくある間違い
合成最大に各群の最大を足さない——同時刻の値を足す。皮相電力を直接足さない・力率を平均しない。
まとめ
| 各最大の総和 | 6500+4000+2000=12500 kW |
| 合成最大電力 | 12000 kW(14〜16時) |
| (a)不等率 | 12500/12000≒1.04 →(4) |
| 最大負荷時Q | B3000+C2667=5667 kvar |
| 合成S | √(12000²+5667²)≒13271 kV·A |
| (b)総合力率 | 12000/13271≒90.4% →(3) |
▼あわせて解きたい関連問題
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