今回は平成20年度 法規科目 A問題2、事故報告の空欄補充問題です。報告事由の筆頭に置かれる語と、速報・詳報の期限がまとめて問われます。
人身事故の条文はいつも「感電又は電気工作物の破損若しくは誤操作若しくは操作しないことにより人が死傷した事故」という並びで始まります。そして期限は24時間/30日。この3つを押さえれば一発です。
平成20年度 法規科目 A問題2:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成20年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題2
電験3種 法規科目 【電気関係報告規則】 平成20年度 A問題2
次の文章は、「電気関係報告規則」の事故報告に関する記述である。
a. 事故報告として、「(ア)又は破損事故若しくは電気工作物の誤操作若しくは電気工作物を操作しないことにより人が死傷した事故」を報告しなければならない。
b. 報告は、事故の発生を知った時から(イ)時間以内可能な限り速やかに電話等の方法により行うとともに、事故の発生を知った日から起算して(ウ)日以内に報告書を提出して行わなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる語句・数値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(注)平成20年度は公式問題PDFが公表されていないため、条文と過去問データに基づいて問題文を再構成しています。
(ア) (イ) (ウ) (1) 感電 24 30 (2) 火災 48 30 (3) 感電 48 14 (4) 火災 48 14 (5) 火災 24 14

答えは(1):感電・24時間・30日
(ア)は「感電」——火災は別の号に独立して立てられています。
(イ)は「24」時間・(ウ)は「30」日——速報と詳報のペアです。
48時間・14日はどちらもダミーです——24/30で固定と覚えましょう。
★報告しなければならない事故の一覧
| 号 | 事故の種類 |
| ★人身事故 | ★★感電・破損・誤操作・不操作により人が死傷(死亡又は入院) |
| ★電気火災事故 | ★★工作物の半焼以上 |
| ★他物件損傷 | ★★他の物件に損傷を与え、又は機能を損なわせた |
| ★供給支障事故 | ★★主要電気工作物の破損による供給支障 |
| ★波及事故 | ★★他者への供給に支障を及ぼした |
人・物・電気の3方向に分けて整理できます——人身と火災が人と物、供給支障と波及が電気です。
本問が問うているのは、その筆頭にある人身事故の号です。
★なぜ人身事故の冒頭が「感電」なのか
電気による人身被害でいちばん多いのが感電だからです——だから真っ先に挙げられています。
そのあとに破損・誤操作・操作しないことが続きます——設備側の原因が並ぶ形です。
火災はここには入りません——電気火災事故として別の号が立っているからです。
感電=人身/火災=物損と、役割で分けて覚えましょう。
「操作しないこと」も事故原因になる
| 原因 | 例 |
| ★破損 | ★★碍子の割れ・電線の断線 |
| ★誤操作 | ★★充電中の断路器を開放してしまう |
| ★操作しないこと | ★★開放すべき遮断器を開放しなかった |
やってはいけないことをした(誤操作)だけでなく、やるべきことをしなかった場合も含まれます。
不作為も事故原因として明記されている——条文の丁寧さが表れているところです。
★速報と詳報で起算点が違う
| 速報 | 詳報 | |
| ★期限 | ★★24時間以内 | ★★30日以内 |
| ★起算点 | ★★知った「時」から | ★★知った「日」から起算して |
| ★方法 | ★★電話等 | ★★報告書 |
速報は「時」、詳報は「日」から数えます——ここも条文どおりに覚えておく必要があります。
24時間なら分単位で切迫していますが、30日なら日単位で足りる——緊急度の違いが起算点に表れています。
なぜ24時間なのか
事故直後は、まず状況を国に知らせることが優先されます——同種の事故が他所で起きるかもしれないからです。
原因の調査は後回しでよい——だから電話等の簡便な方法で足ります。
丸1日以内と覚えれば十分です——48時間は長すぎると感覚的にも分かります。
報告先は産業保安監督部長
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 感電 | ★★感電 | ★火災 | ★★人身事故の冒頭は感電 |
| 24時間 | ★★24時間 | ★48時間 | ★★速報は丸1日以内 |
| 30日 | ★★30日 | ★14日 | ★★詳報は約1か月 |
自家用電気工作物の事故は、設置の場所を管轄する産業保安監督部長に報告します。
経済産業大臣ではない点に注意しましょう——現場に近い機関が受け取る形です。
公式PDFがない年度の問題
平成20年度は公式の問題PDFが公表されていません——条文と過去問データから再構成しています。
条文そのものは今も変わっていないので、演習に使えます。
この論点は数字を覚えるだけなので、古い年度でも価値が落ちません。
実務での対応
事故が起きたら、まず人命の安全と二次災害の防止です——報告はそのあとになります。
それでも24時間以内という期限は厳しい——連絡先を平時から確認しておく必要があります。
保安規程に非常時の措置を定めるのは、このためでもあります。
電気火災事故は別に立てられている
| 号 | 内容 | 着目点 |
| ★人身事故 | ★★感電・破損・誤操作・不操作による死傷 | ★★人の被害 |
| ★電気火災事故 | ★★工作物の半焼以上 | ★★物の被害 |
火災は「半焼以上」という程度の要件が付いています——ぼやまで報告させるわけではないのです。
人身と火災で条文が分かれているので、冒頭に火災は来ません——(2)(4)(5)が落ちる理由です。
報告は誰のために行うのか
報告の目的は、同じ事故を繰り返さないことです——罰するためではありません。
集まった情報は分析され、統計として公表されます——業界全体の教訓になるのです。
だから隠さず報告することが、結果として自分たちを守ります。
⏱️ 本番での進め方
① 人身事故の冒頭は「感電」——火災を含む肢は落とす。
② 速報は24時間、詳報は30日。48時間・14日はダミー。
③ 起算点は速報=時から/詳報=日から。
④ 報告先は所轄産業保安監督部長。大臣ではない。
この論点のコスパの高さ
覚えるのは24時間と30日という2つの数字だけです——それで1問取れる年があります。
法規のなかで、これほど費用対効果の高い暗記はありません——まっさきに固めるべきところです。
そのうえで報告事由の一覧を押さえれば、盤石になります。
波及事故という言葉
自分の設備の事故が、他の需要家の停電を引き起こすことがあります——これを波及事故といいます。
高圧受電設備の保護が働かなかったときに起こります——だから遮断器や継電器の点検が重要なのです。
事故報告は、電気関係報告規則10問のうち大半を占めます——ここを落とさなければ、この規則は攻略できます。
数字と語順を覚えるだけで済むのが、この分野の強みです。
出題履歴——事故報告は毎年のように出る
| 年度 | 問われ方 |
| ★平成20年度 問2 | ★★報告事由と期限(本問) |
| ★令和2年度 問2 | ★★報告の範囲の限定 |
| ★令和7年度下期 問2 | ★★速報と詳報の中身 |
令和2年度 A問題2では、どこまでが報告の対象かが問われました。
令和7年度下期 A問題2では、速報で何を伝えるかが問われています。3本合わせると事故報告が一通りそろいます。
💡 覚え方
事故報告=速報:知った時から24時間以内・電話等/詳報:知った日から起算して30日以内・報告書。人身事故の条文は「感電又は破損事故若しくは誤操作若しくは操作しないことにより人が死傷した事故」(死亡又は入院に限る)。
⚠️ よくある間違い
人身事故の冒頭を「火災」としない——感電。48時間・14日はダミー。24時間/30日で固定。
まとめ
| (ア) | 感電 |
| (イ) | 24(時間以内・速報) |
| (ウ) | 30(日以内・詳報) |
| 人身の限定 | 死亡又は入院 |
| 答え | (1) |
▼あわせて解きたい関連問題
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