今回は令和4年度上期 電力科目 A問題13、高圧架空・地中配電線路を構成する機材として使用されることのないものを選ぶ問題です。柱上開閉器・CVケーブル・中実がいし・DV線・避雷器のうち、高圧に不適なものを見抜きます。
決め手はDV線。DV線(Drop wire Vinyl=引込用ビニル絶縁電線)は、低圧の引込線に使う電線で、高圧配電線路には使いません。ほかの4つ(柱上開閉器・CVケーブル・中実がいし・避雷器)はすべて高圧配電線路で使われる機材です。
令和4年度上期 電力科目 A問題13:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験」電力科目 A問題13
電験3種 電力科目 【配電】 令和4年度上期 A問題13
高圧架空配電線路又は高圧地中配電線路を構成する機材として、使用されることのないものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(1) 柱上開閉器 (2) CVケーブル (3) 中実がいし (4) DV線 (5) 避雷器
出題のポイント:高圧側と低圧側の配置を判別

6.6 kVの高圧配電側では柱上開閉器、CVケーブル、中実がいし、避雷器を使用します。DV線は柱上変圧器で100/200 Vへ降圧した後、需要家の引込口まで使う低圧用の電線なので、高圧配電線路では使用しません。
答えは(4):DV線は低圧引込用

名前の中に答えが入っています。
| 選択肢 | 高圧配電で使うか | 用途 |
| ★(1) 柱上開閉器 | ★使う | ★高圧配電線の区分 |
| ★(2) CVケーブル | ★使う | ★高圧地中配電の主力 |
| ★(3) 中実がいし | ★使う | ★高圧架空配電の電線支持 |
| ★★(4) DV線 | ★★使わない | ★★低圧の引込線 |
| ★(5) 避雷器 | ★使う | ★雷から機器を守る |
電線の記号を読み解く
| 記号 | 意味 | 用途 |
| ★★DV | ★★Drop wire Vinyl(引込用ビニル絶縁電線) | ★★低圧引込線 |
| ★★OW | ★★Outdoor Weatherproof(屋外用ビニル絶縁電線) | ★★低圧架空配電線 |
| ★★OC・OE | ★★屋外用架橋ポリエチレン・ポリエチレン絶縁電線 | ★★高圧架空配電線 |
| ★★CV | ★★架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル | ★★高圧地中配電線 |
Dはドロップ、つまり引き込みという意味です——電柱から家へ落とす電線。
Oはアウトドア、屋外用という意味です——OWとOC・OEはそこが共通。
Cは架橋ポリエチレンを表します——OCもCVも同じCです。
記号の意味を知っていれば、迷わず選べます——DVだけが引込用だからです。
中実がいしという部品
| がいし | 使う場所 | 特徴 |
| ★★中実がいし | ★★高圧架空配電線の電線支持 | ★★中が詰まっていて丈夫 |
| ★懸垂がいし | ★送電線の電線をつり下げる | ★連ねて使う |
| ★長幹がいし | ★塩害地域の送電線 | ★★自己洗浄しやすい |
| ★ラインポストがいし | ★配電線の腕金に立てる | ★中実がいしの一種 |
「中実」とは、内部が詰まっているという意味です——中空のものと区別するのです。
配電線は電圧が低いので、大きながいしは要りません——1個で足りるのです。
送電線では懸垂がいしを何個も連ねます——電圧が高いから。
見慣れない語でも、使う場所を考えれば判断できます——がいしは高圧でも使うのです。
⚠️ よくある間違い
DV線を高圧用と考える——引込用=低圧です。
中実がいしを送電線専用と考える——高圧配電で使います。
CVケーブルを送電専用と考える——高圧地中配電の主力です。
避雷器を変電所だけのものと考える——柱上変圧器にも付きます。
「使用されることのないもの」を読み違える——使わないものを選びます。
⏱️ 本番での進め方
①★DV=低圧引込用。高圧では使わない。
②★OW=低圧架空、OC・OE=高圧架空、CV=高圧地中。
③★中実がいしは高圧架空配電の電線支持。
④★記号の頭文字から用途を思い出す。
💡 覚え方
「DはDrop、引込みだから低圧」——記号の意味で決まります。OW低圧・OC高圧・CV地中——4つ並べて覚えます。
柱上変圧器と避雷器は令和4年度上期 A問題12(配電:柱上変圧器)にあります。
避雷器はどこに付くか
(5)が高圧配電で使われることの確認です。
| 設置場所 | 守る対象 | つなぎ方 |
| ★柱上変圧器のそば | ★★変圧器を雷サージから守る | ★★変圧器と並列 |
| ★高圧需要家の引込口 | ★★構内の高圧機器 | ★★同じく並列 |
| ★配電線の要所 | ★★線路の絶縁 | ★★線路と大地の間 |
高圧配電線は送電線より絶縁レベルが低いため、雷サージに対する保護が必要です——その役目を担うのが避雷器です。
柱上変圧器の近くには避雷器が設置されます——避雷器を内蔵した変圧器もあります。
変圧器が壊れると、その一帯が停電します——守る価値が大きいのです。
だから(5)は高圧配電の機材として正しい——除外できません。
CVケーブルの構造
(2)が高圧地中配電の主力である理由です。
| 層 | 材料 | 役目 |
| ★導体 | ★★銅より線 | ★★電流を流す |
| ★内部半導電層 | ★半導電性の層 | ★★電界を均一にする |
| ★絶縁体 | ★★架橋ポリエチレン | ★★耐熱性が高く誘電正接が小さい |
| ★遮へい層 | ★銅テープ | ★★電界を外に出さず接地する |
| ★シース | ★★ビニル | ★★外傷と水から守る |
架橋ポリエチレンは、分子を橋かけして熱に強くした材料です——それがXLPEです。
許容温度が90 ℃ と高いので、電流を多く流せます——だから主力になったのです。
かつてはOFケーブルが使われていました——油の管理が要って手間だったのです。
CVケーブルは高圧地中配電で広く使用されています——したがって(2)は正しい機材です。
柱上開閉器の役目をもう一度
(1)が高圧配電の機材であることの確認です。
| 場面 | 柱上開閉器の働き |
| ★事故のとき | ★★事故区間を切り離す(時限順送方式) |
| ★工事のとき | ★★停電範囲を限定する |
| ★系統の切り替え | ★★隣の配電線へ負荷を移す |
| ★注意点 | ★★事故電流は遮断できない |
開閉器は、負荷電流までしか切れません——遮断器とは別の機器です。
だから事故のときは、いったん停電させてから開きます——それが時限順送方式です。
気中形と真空形があり、自動式が主流になっています——制御器が判断して動くのです。
高圧配電線に欠かせない機材なので、(1)は除外できません。
使わないものを選ぶ問題の解き方
4つが正しいと分かれば、残りが答えです。
| 段階 | 行うこと | 本問では |
| ★① | ★★確実に高圧で使うものを消す | ★★柱上開閉器・避雷器 |
| ★② | ★★地中配電の機材を消す | ★★CVケーブル |
| ★③ | ★★残りの用途を思い出す | ★★中実がいしとDV線 |
| ★④ | ★★低圧専用のものを選ぶ | ★★DV線 |
問題文は「架空配電線路又は高圧地中配電線路」とあります——だからCVケーブルも対象です。
ここを見落とすと、CVケーブルを選んでしまいます——設問の範囲を確かめるのが大切。
残るのは、低圧専用の電線だけです——それがDV線です。
消去法で確実に絞れる問題です——落としたくない1問になります。
低圧の電線をもう少し詳しく
DV線とOW線の違いを押さえます。
| DV線 | OW線 | |
| ★正式名称 | ★★引込用ビニル絶縁電線 | ★★屋外用ビニル絶縁電線 |
| ★使う場所 | ★★電柱から需要家の引込口まで | ★★電柱と電柱の間(低圧架空配電線) |
| ★形 | ★★2本または3本をより合わせてある | ★★1本ずつ張る |
| ★張り方 | ★★斜めに引き下ろす | ★★水平に張る |
DV線はより合わせてあるので、風に強い形です——引き下ろす電線だから。
OW線は電柱の間を水平に張ります——がいしで支えるのです。
どちらも低圧用で、高圧には使いません——絶縁の厚さが足りないのです。
高圧にはOC線・OE線を使います——そこが本問の分かれ目です。
機材を用途で分類する習慣
本問のような問題は、分類ができれば解けます。
| 分類の軸 | 見分け方 |
| ★電圧 | ★★高圧用か低圧用か |
| ★架空か地中か | ★★裸電線・がいしか、ケーブルか |
| ★役目 | ★★送る・支える・切る・守る |
DV線は「低圧・架空・送る」に属します——高圧の欄には入らないのです。
この3つの軸で整理しておけば、初見の機材でも判断できます。
まとめ

| 該当 | (4) DV線(低圧引込用) |
| 柱上開閉器 | 高圧配電の区分開閉(1) |
| CVケーブル | 高圧地中配電の主力(2) |
| 中実がいし | 高圧架空配電の電線支持(3) |
| 避雷器 | 高圧配電・柱上変圧器の保護(5) |
| 答え | (4) |
▼あわせて解きたい関連問題
・機材と語句の組合せ(配電10):【電力】令和5年度上期 A問題8
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