変電22【電験3種 電力】OCRの動作時間!%Z合成→短絡電流→タップ倍数→限時特性を読む 令和1年度 A問題8 完全解説

電験3種 電力科目【変電】令和1年度 A問題8 %Z合成14.57%→短絡電流6005A→CT二次30A→タップ6倍→図2(位置10)で3.4s→位置1は×1/10=0.34s→(2)

今回は令和1年度 電力科目 A問題8、66kV系統でF点三相短絡が起きたときの過電流継電器(OCR)の動作時間を求める計算問題です。%Zの合成から短絡電流を出し、CTで二次側へ落として整定タップ倍数を求め、最後に図2の限時特性を読むという、変電の総合問題です。

最大の落とし穴はタイムレバー位置。図2はタイムレバー位置10の曲線ですが、本問の整定は位置1。限時特性の動作時間はタイムレバーに比例するので、図から読んだ値を1/10する必要があります。ここを見落とすと10倍ずれます。

出題のポイント

目次

令和1年度 電力科目 A問題8:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 変電 令和1年度 A問題8 問題文
令和1年度 電力科目 A問題8 問題文

電験3種 電力科目 【変電】 令和1年度 A問題8

 図1のように、定格電圧66kVの電源から三相変圧器を介して二次側に遮断器が接続された三相平衡系統がある。三相変圧器は定格容量7.5MV·A、変圧比66kV/6.6kV、百分率インピーダンスが自己容量基準で9.5%である。また、三相変圧器一次側から電源側をみた百分率インピーダンスは基準容量10MV·Aで1.9%である。過電流継電器(OCR)は変流比1000A/5Aの計器用変流器(CT)の二次側に接続されており、整定タップ電流値5A、タイムレバー位置1に整定されている。図1のF点で三相短絡事故が発生したとき、過電流継電器の動作時間[s]として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし、三相変圧器二次側からF点までのインピーダンス及び負荷は無視する。また、過電流継電器の動作時間は図2の限時特性に従い、計器用変流器の磁気飽和は考慮しないものとする。

(1)0.29 (2)0.34 (3)0.38 (4)0.46 (5)0.56 s

令和1年度 A問題8 図1 系統図/図2 過電流継電器の限時特性(タイムレバー位置10)
令和1年度 A問題8 図1 系統図/図2 過電流継電器の限時特性(タイムレバー位置10)

ポイント解説:%Z合成→短絡電流→CT二次→タップ倍数→図2×(1/10)

①%Zを基準容量10MV·Aに統一:変圧器の%Zは自己容量7.5MV·A基準で9.5%なので、10MV·A基準に換算すると 9.5×(10/7.5)=12.67%。電源側は10MV·A基準で1.9%。F点までの合成%Zは 12.67+1.9=14.57%(F点までのインピーダンスは無視)。

②F点の三相短絡電流(二次側6.6kV):基準容量10MV·A・二次電圧6.6kVの基準電流は Iₙ=10×10⁶/(√3×6600)≒874.8A。短絡電流は I_s=Iₙ×100/%Z=874.8×100/14.57≒6005A

③CT二次電流とタップ倍数:CTは1000A/5A(変流比200)なので、OCRに流れる電流は 6005/200≒30.0A。整定タップ電流値は5Aだから、整定タップ電流の倍数は 30.0/5=6.0倍

④図2を読んでタイムレバーで換算:図2(タイムレバー位置10)で6倍のときの動作時間は約3.4s。限時特性の動作時間はタイムレバー位置に比例するので、本問の位置1では 3.4×(1/10)=0.34s。よって答えは(2)。

問題の解説

STEP1 %Z合成

変圧器9.5%×(10/7.5)=12.67%、電源1.9%、合計14.57%(10MV·A基準)。

STEP2 短絡電流

基準電流874.8A、Is=874.8×100/14.57≒6005A。

STEP3 タップ倍数

CT二次=6005/200=30.0A、30.0/5=6.0倍。

STEP4 図2×1/10

図2(位置10)で6倍→約3.4s。位置1なので3.4×(1/10)=0.34s→(2)。

答え:(2)

💡 覚え方
OCR動作時間の総合問題は4段:①**%Zを同一基準容量に換算**(P₂/P₁倍)して合成、②**短絡電流 I_s=基準電流×100/%Z**(電圧は事故点側で)、③**CT変流比で二次電流→整定タップ電流で割って倍数**、④**限時特性グラフを読む**。今回の肝は④——グラフが**タイムレバー位置10**なので、整定**位置1**なら読んだ値を**×(1/10)**。動作時間はタイムレバー位置に比例する。基準電流 Iₙ=P/(√3 V)。

⚠️ よくある間違い
%Zの容量換算を忘れて9.5%のまま合成しない(7.5→10MV·Aへ×10/7.5)。タイムレバーの換算が最大の罠——図2は位置10、整定は位置1なので1/10する(3.4sをそのまま答えない)。基準電流の電圧は事故点側の6.6kVを使う(66kVで計算しない)。CTの変流比は1000/5=200。

まとめ

合成%Z9.5×10/7.5+1.9=14.57%(10MV·A基準)
基準電流10MV·A÷(√3×6.6kV)≒874.8A
短絡電流874.8×100/14.57≒6005A
タップ倍数6005÷200÷5=6.0倍
動作時間図2(位置10)3.4s×(1/10)=0.34s→(2)

▼あわせて解きたい関連問題
・過電流継電器の限時特性グラフ(変電13):【電力】令和4年度上期 A問題7
・百分率インピーダンスと%Z合成(変電11):【電力】令和4年度下期 A問題6
・この年度の問題を通しで解く:電験3種 令和1年度 問題一覧(全4科目)

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